【大人の物欲】腕時計の仕組みがわかる「機械時計」
■神への信仰心が時計を進化させた
人間の生活は時計とともに進歩してきたといっても過言ではないだろう。「時計」と呼べるモノがはじめて登場したのは今から6,000年ほど前、エジプトの日時計だといわれている。読者の中にも小学校の理科で日時計を作った経験のある人もいるのではないだろうか。しかし、日時計は晴天の日中にしか使用できないため、先人たちは太陽にたよらずに時間を計れる時計がいくつも考え出してきた。代表的な時計としては、ろうそくや線香が燃える距離を利用した「火時計」、水が落ちる体積を利用した「水時計」、水の代わりに砂を利用した「砂時計」などがある。今回とりあげる機械時計の原型は13〜14世紀にかけてヨーロッパで発明されたといわれているもので、おもりを動力として歯車と棒テンプ式の調速機構により正確な時刻を知ることができる。今日使用されている腕時計の多くも、この機械時計を応用したものだ。
大人の科学「機械時計」の中身 | 大人の科学「機械時計」 |
ところで、機械時計の発明者は誰なのだろうか?
もっとも有力な説としては、修道士たちだったといわれている。当時の教会では、畑や作業場などの生活の中心となっており、祈りの時間や仕事・睡眠の時間などを厳密に知る必要があった。教会の鐘は人々に時間を告げる役割を担っており、鐘を正確につくためには機械時計が必要だったわけだ。まさに「必要は発明の母」である。
ここでとりあげる大人の科学「機械時計」は、そんな最初期の機械時計の原理を再現した工作キットだ。
■速度調整が大切
機械時計といっても、大人の科学「機械時計」のパーツは30点ほどなので、添付されている組み立ての説明書を見ながら作成すれば戸惑うことはないだろう。組み立ては、テンプ部品と歯車を組み合わせて、つり金具を取り付けるだけなので30分もあれば完成するはずだ。もっとも難しい作業は、テンプおもりの1回のふれが1秒になるようにおもりを調整する時計の速度調整だ。最初はテンプのおもりが左右同じ位置になるようにし、正確な時計を見ながら、内側か外側ににおもりを寄せて調節する。内側に寄せると時計の動きが速くなり、逆に外側に寄せると遅くなる。テンプに歯車を組み合わせる | 「機械時計」の完成 |
時計がうまく動かない場合は、歯車同士の擦れ、針と文字盤の隙間、本体とテンプの垂直などを確認してみよう。おもりが壁面に触れていたりすると動きにムラが出てしまうからだ。また、テンプのおもりを外して時計を動かせば歯車は高速に回転するので不具合がある箇所を発見しやすいだろう。すべての歯車をチェックするには、テンプの部品を外せば歯車をフリー状態にできるので、すべての歯車の回転をチェックできる。
おもりを動かすことで時計の速さを調整できる | おもりを外すと、不具合を見つけやすい |
今回制作した「機械時計」は、1日2回のねじ巻きでカチカチと音を鳴らしながら時を知らせてくれる。シンプルな機構のため機械時計の仕組みを理解するの役立つだけでなく、インテリアとしても楽しめるだろう。
製品名:大人の科学「機械時計」
価 格:1,800円(税込み)
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編集部:関口哲司
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