【大人の物欲】ぬくもりのある音を!自分で作る「真空管アンプ」


高級オーディオアンプやギターアンプには、昔ながらの真空管を使用している製品がある。真空管は、古い電子パーツの一つでもあるが、トランジスターやICで作られたデジタル世代のオーディオアンプとはひと味もふた味も違う艶やかな音色を奏でることから真空管アンプをこよなく愛するオーディオマニアもいるほどだ。また真空管アンプは、音だけでなくアンティークとしても人気があり、部屋のインテリアとしても優れている。今回は、そんな真空管アンプを簡単に制作できる学研のキット「真空管アンプ」を紹介しよう。

■電池管でできる最高の性能をめざす

学研の「真空管アンプ」は、真空管を使ったスピーカー付きアンプ組み立てキット。「電池管」と呼ばれる電池式真空管を4本と独自開発の出力トランス2個を使用し、真空管の魅力を最大限に引き出すアンプを目指している。実際に真空管アンプを使うには、スピーカーや接続ケーブルを用意しなければならないが、学研の「真空管アンプ」には標準で付属されているので、組み立て後すぐに真空管独特の柔らかな音を楽しむことができる。
「真空管アンプ」のパーツ一式大人の科学「真空管アンプ」
「真空管アンプ」のパーツ一式大人の科学「真空管アンプ」

学研が真空管アンプを販売するまでの経緯は、同社の公式サイト「開発秘話」に詳細に書かれているが、気になる読者もいると思われるので、ここで簡単に紹介しておこう。

2006年「大人の科学製品版」として発売した「真空管ラジオ」、その後「真空管ラジオVer.2」を発売したが、購買者はがきで真空管シリーズの次回作を募ったところ、第2位におされていたのが「真空管アンプ」だった。ちなみに1位は「スーパーヘテロダイン方式真空管ラジオ」、3位は「真空管FMラジオ」だった。「真空管アンプ」は開発者も「いつかは手がけてみたい」と思っていた機器であったことから、本格的な市場調査を経て正式に製品化する運びとなった。

「真空管アンプ」には数十万円という高額な機器も珍しくないが、学研には「音質ではそれらに勝てないまでも、もっと安価で気軽に真空管の音を楽しめるものは作れないだろうか?」との考えがあったという。真空管シリーズ第1弾の「真空管ラジオ」を開発した際に比較的安価な電池式真空管を見つけたことから、商品化への道が開けたという。現代は多くの人がiPodを初めとするデジタルな携帯オーディオプレーヤーで気軽に音楽を楽しめるが、そんな「真空管を知らない若い世代にもそのアナログ独特の音を知って欲しい」と、開発者は思ったそうだ。

ところで、電池管とは?

電池管は同社の開発者が使用できる唯一の真空管でもあるが、交流電源に比べて感電事故が少ないことからユーザーが組み立てるキットとして最適と判断した。開発者によると、電池管の性能的な限界の中で、どこまで最大のパフォーマンスを引き出せるかを目標に「電池管でできる最高の性能をめざそう」と挑戦した結果が今回の「真空管アンプ」というわけだ。

■携帯オーディオプレーヤーの音楽を聴く

大人の科学の「真空管アンプ」は、イラスト入りの説明書どおりに組み立てれば、30分程度で完成するだろう。組み立て時のポイントとしては、真空管のピンが曲がっていることがあるので、付属のピンストレートナーを使用してピンを真っ直ぐにしてから、ソケットに取り付けよう。
スピーカーのホーンを組み立てるピンストレートナーでピンを真っ直ぐにする
スピーカーのホーンを組み立てるピンストレートナーでピンを真っ直ぐにする

今回組み立てた「真空管アンプ」は、本体の電源をオンにするのと同時に働き出す直熱式タイプなので、真空管があたたまるまで待つ必要がない。ステレオミニジャックを接続できる携帯音楽プレーヤーを所有している人ならば、接続するだけで音楽を視聴できる。
完成した「真空管アンプ」携帯オーディオプレーヤーを接続してみた
完成した「真空管アンプ」携帯オーディオプレーヤーを接続してみた

早速、再生してみた。デジタルソースながら、真空管アンプの特性のためか、いつも聞いている楽曲がなめらかなで暖かみを感じる音色で再生されている。デジタルな音とは、たしかにひと味ちがうぬくもりを感じることができた。

また、このキットに同梱されているスピーカーは、「フルレンジスピーカー」ということもあり、中音域を中心とした音につながりの特性からアナログアンプと組み合わせるには効果的だ。特にヴォーカル中心の楽曲では艶やかな歌声を楽しめるだろう。

また、このスピーカーは、「真空管アンプ」本体と分離して使うこともできる。説明書には、スピーカーの背面を使った周波数特性実験「マジックボイス」や音量や電圧・電力の増幅率を変更する回路の改造実験も掲載されているので興味がある人は、挑戦してみると良いだろう。

表1.「真空管アンプ」の主な仕様
接点等の金属材質鉄(ニッケルメッキ)
商品構成組み立てキット[本体部品、プリント基板、真空管×4、ピンストレートナー、マルチセルラホーンステレオスピーカー×2、オーディオケーブル(RCAピンプラグX2−ステレオミニプラグ)]、A5判マニュアル
その他出力:100mW/ch 入力端子:RCAピンジャック 入力感度:1Vp-p 入力インピーダンス:100kΩ 負荷(出力)インピーダンス:8〜16Ω 周波数特性100〜10KHz(+0、−6dB) 歪率:5%以下(1kHz)
真空管直熱タイプ、電池管(電圧増幅:1B2X2/電力増幅:2P3X2)
スピーカー250mW/8Ω
対象年齢中学生〜一般
パッケージサイズ/重さ212D×160W×123Hmm/700g
組立て時サイズ/重さ140D×205W×70Hmm/700g
電池単1アルカリ電池2本(別売)


製品名:大人の科学「真空管アンプ」
価 格:1万2,390円(税込み)

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大人の科学「真空管アンプ」
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編集部:関口哲司
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