【気になるトレンド用語】増えるネット依存、子どもの闇の顔″学校裏サイト″って何だ?


インターネットが生活のさまざまなところに行き渡り、今や大人だけでなく、子どものインターネット利用も当たり前となっています。世界中にある膨大な知識に簡単に触れられることは、子どもたちにとって有意義な一方で、いくつもの弊害を生み出しています。

その一つが、最近話題になっている"学校裏サイト"でしょう。

"裏"というと怪しいイメージがつきものですが、一体この学校裏サイトとはどんなものなんでしょうか?
今日はそれを探っていきましょう。

■学校裏サイトとは?

学校裏サイトは、学校の公式サイトとは別に、非公式に立ち上げられた携帯サイトのことを指します。サイトは誰でも書き込める掲示板形式になっていることが多く、おもに同じ学校に通う中高生(もしくは卒業生など)の交流や情報交換のために使われています。

単に交流だけなら問題はないのですが、時によってその学校裏サイトが、"いじめ"や"犯罪"の温床になっていることから、いま、社会的な問題となっています。

■掲示板の"裏の顔"

いま現在、はっきりした数字は分かっていませんが、一説には、約1万5000という膨大な数の学校裏サイトが存在しているといわれています。

学校裏サイトでの会話は、学校行事や定期テストの情報などの中高生らしいやりとりがある一方、掲示板の匿名性を悪用して「○年○組の○○は気持ち悪い」「学校にくるな」など、クラスメイトの実名を挙げた中傷やデマが書き込まれたり、自分の裸をケータイで撮影して投稿するなど、信じられない行為も横行しているのです。

■学校裏サイトを有名にした事件 -名指しの中傷をほったらかし-

学校裏サイトの名前を一躍有名にしたのが、今年4月に起こった事件です。

あるネット上の掲示板に、女子中学生の学年や実名を挙げて「うざい」「ブス」などの誹謗中傷が書き込まれ、それに気づいた学校の職員が、掲示板の管理人に削除依頼を要請しました。しかし、管理人は「氏名だけでは個人情報とはいえない」という理由で削除を拒否、大阪府警は「中傷を削除せず放置していた」として名誉毀損幇助の容疑で管理人を書類送検しました。

掲示板での個人を中傷する書き込みに関連して、管理人が刑事事件として立件されたのは、全国でこれが初めてのことです。

また、さかのぼること2月には、女子中高生6名が自らわいせつ画像を携帯サイトに投稿し、わいせつ物図画公然陳列罪で書類送検された事件も起きています。そのサイトでは画像にランクをつけることができ、彼女たちはランキングが上がっていくのが楽しく、罪の意識はほとんどなかったようです。

■なにが学校裏サイトを広めたの?

学校裏サイトへの書き込みは、その大半がケータイから行われています。ケータイは個人で使用することがほとんどですし、パソコンと違って画面が小さく、たとえ家族が同じ部屋にいたとしても、子どもがどんなサイトを見ているか管理することができません。また、学校でも授業中や休憩時間にメールを打ったり、出会い系サイトにアクセスができるため、"保護者の目が届きにくい"という盲点をついて広がったともいえます。

■いま必要なのものは? -インターネット使用の危険性やモラルを学ぶこと-

携帯電話各社からは、子どもを危険から守るため、GPSや防犯機能付きのキッズ用ケータイが発売されていますが、通学や外出時に子どもを守ることはできても、人知れず簡単にアクセスできる学校裏サイトには効果がありません。

子どものインターネット利用に制限をかけたいなら、各社から用意されている"フィルタリングサービス"が有効です。フィルタリングの種類によっては、子ども向けの公式メニューしか閲覧できないものから、アダルトや出会い系サイトなどのジャンルを指定してアクセス制限をかけるものまでありますが、後者の場合は「掲示板サービス」である学校裏サイトは健全なサイトと見なされて閲覧できてしまうので、注意が必要です。

子どもがネットを介した犯罪被害に巻き込まれるケースが多くなり、ケータイの安全な使い方や使用する際のモラル、マナーは、個人や家庭、学校だけの問題でなく、社会全体での大きな関心事や問題となってきています。

文部科学省も今年1月、ケータイでのインターネット利用に際した留意点や犯罪被害の例、対応方法のアドバイスを盛り込んだリーフレットを作成し、配布しています。

インターネットは大人にとっても子どもにとっても有益なものですが、使い方を誤ると大きな問題となりかねません。子どもにケータイを渡すときには、保護者がその機能をしっかり把握し、通話やメールのみに制限したり、状況に応じてフィルタリングをかけるなどのルールや対策が求められる時代となったようです。


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