【デジカメ調査室】デジカメだって小粋に使いたい!生まれ変わった斬新タテ型″ボディ″の「PowerShot TX1」


キヤノンから2007年4月下旬に発売予定の「PowerShot TX1」は、今までのPowerShotシリーズからデザインを一新し、斬新かつ洗練された"タテ型ボディ"に変身した。有効画素数は710万、コンパクトなボディに新開発の光学10倍ズームレンズを搭載し、回転するバリアングル液晶で撮影時のアングルも自由自在。カラーはシルバー1色で、価格はオープンプライスだが、実勢価格は5万円前後となる見込みだ。

■デザイン一新!斬新なタテ型"ボディ"の真価は?

キヤノンの"PowerShotシリーズ"は、コンパクトデジカメ入門機から1,000万画素の高画質機、乾電池対応のものまで、多彩なバリエーションを揃えたシリーズ。そのなかでも今回PowerShot TX1は、初の縦型スタイルでの登場だ。外見は、ぱっと見には小型のビデオカメラのようにも見える。そもそもコンパクトデジカメで縦型を採用しているのは、三洋電機のデジタルムービーカメラ"Xacti"とこのTX1の2種類のみで、人目をひく斬新なデザインが魅力だ。

シンプルなメタルボディは、W88.8×H59.9×D29.0mm(突起部を除く)、重さは約220g(本体のみ)と手のひらサイズ。一般的な横スタイルの薄型デジカメと比べてやや厚めだが、この厚みのおかげで安定して握りやすく、本体上部にあるシャッターを押したときも手ブレしないようになっている。
写真:カメラ全体を握って持つ縦型スタイルを採用

●内蔵式カバーでキズや汚れからレンズを保護
レンズの焦点距離は39〜390mm相当(35mm版換算)になり、通常撮影では広角端で50cmから、望遠端では1mからの撮影が可能だ。レンズには内蔵式のカバーがついているため、ポケットやカバンに無造作に入れてもレンズの汚れやキズを気にせずにすむのが嬉しい。
写真:レンズバリアが閉じているところ

記録できる画像のアスペクト比は、4:3(最大解像度:3,072×2,304ピクセル)、16:9(3,072×1,728ピクセルのみ)の2種類だ。動画の撮影についても16:9、4:3の2種類から選べるようになっている。ハイビジョンテレビへの出力に対応したコンポーネント端子を搭載し、撮影した動画をハイビジョンテレビで楽しむこともできる。
写真:アスペクト比を4:3に設定して撮影
写真:アスペクト比を16:9に設定して撮影

●操作まわりを集中させ、親指1本の快適操作
操作性も考慮され、各種ボタンは親指が届く範囲にレイアウトされている。握った手を持ち替えることなく、親指1本でさまざまな機能を直感的に選べ、片手でラクに使える快適設定だ。
写真:操作ボタンは親指が届く範囲に配置されている

●"バリアングル液晶"でアングルは自由自在
液晶は、約11.5万画素、広視野角の1.8型ポリシリコンTFTで、向きを自由に変えられる"バリアングル液晶"を搭載。カメラを構えた体勢に合わせて、液晶の角度が自由に変えられ、ハイアングルからもローアングルからの撮影も思いのままだ。カメラを頭上に持ち上げ、液晶を回転させれば、人ごみの中でも気にせず高い視点から撮影することができる。また、液晶を半回転させれば自分撮りも簡単だ。折りたたみ式になっているため、撮影時には電源を入れ、液晶を開くという2アクションが必要な動作となるが、その手間を面倒と感じさせないバリアングルの楽しさだ。
写真:自由自在に回転する便利な"バリアングル液晶"
写真:同じポイントをハイアングルから撮影した写真
写真:同じポイントをローアングルから撮影した写真

●バッテリーとメディアは別スロットに収納
記録メディアは4種類で、SDメモリーカード/マルチメディアカード/MMCplusカードのほか、高速・大容量なSDHCカードにも対応している。バッテリーは専用のリチウムイオン電池を使用し、フル充電で約160枚撮影可能だ。ちなみに、バッテリースロットとメモリカードスロットは別れており、液晶を開かないとメモリーカードスロットが開かないのは少し面倒と感じる人もいるかもしれない。
写真:本体背面部にあるメモリーカードスロット
写真:バッテリースロットは、本体下部に設置されている

■迫る"光学10倍ズーム"

ズーム機能に妥協はなく、コンパクトな本体に新開発の光学10倍ズームレンズを搭載。最大390mm(35mmフィルム換算)の超望遠撮影をすることができ、4倍のデジタルズームと組み合わせれば、最大約40倍の超高倍率ズーミングが可能だ。

また、デジタルズームのアシスト機能として、キヤノン独自の"セーフティズーム"も備えている。これは記録画素数を下げるかわりに、画質が劣化しないデジタルズームの領域を広げるもので、たとえば最小の約30万画素(640×480ピクセル)で撮影した場合、画質をキープしたまま40倍の超望遠撮影ができる。設定した記録画素数によって倍率は異なるが、撮った画像を加工したり印刷しない場合など、状況に応じて使い分ければ、よりズームを使った撮影が楽しめるだろう。
写真:通常の倍率で撮影した写真
写真:光学10倍ズームで撮影した写真
写真:セーフティズームを使い、40倍で撮影した写真
※3点の写真ともに約30万画素で撮影

■"フェイスキャッチテクノロジー"で人物撮りも安心

最近のデジカメでは、人物の"顔認識"機能もかなり必須。TX1にも、キヤノン独自の「フェイスキャッチテクノロジー」が搭載され、人の顔を認識し、自動で最適なピント合わせや露出の設定を行ってくれる。しかも、最大9つの検出枠が顔を認識するため、フレーム内に複数の人物がいる場合も大丈夫だ。
写真:すばやく人の顔を認識し、ピントと露出を合わせてくれる

■触れるほどに近づける"スーパーマクロ"

マクロ機能も見逃せない。通常のマクロ撮影の範囲は10〜50cmまでだが、別に用意されているスーパーマクロ撮影の範囲は、なんと0〜10cm。レンズの先端が被写体に触れるぐらいまで近づいても、くっきりとピントの合った写真を撮ることができる。
写真:マクロで撮影した花の写真
写真:スーパーマクロで撮影した写真

■手ブレや被写体ブレを防ぐ2つの機能

高倍率ズームを使用したとき、起こりやすい手ブレを防ぐのが「レンズシフト式手ブレ補正機構(IS)」だ。また、暗いシーンでの被写体ブレの対策としては、感度をISO1,600まで高めることで対応。2つの機能で、ブレを最小限に抑えることができる。
写真:薄暗くなってきた街を撮影 夕景写真1夕景写真2(どちらもISO1,600、手ブレ補正オンで撮影)

シャッターボタンを半押しすると、撮影時のシャッタースピードやF値、ISO感度を液晶で確認できる。液晶上に"手ブレアイコン"が点滅したときは、本体上部にある「イージーダイレクトボタン」を押すだけで、手ブレが生じないシャッタースピードになるよう、ワンタッチで感度を自動的に上げてくれる「ISOブースター※1」機能を搭載。撮影前にミスショットを防ぐことができる。
※1 「ISO800/1,600」および「高感度オート」設定時は、ISOブースターは機能しない。
写真:手ブレアイコン点滅時に、イージーダイレクトを押せば感度が自動的に調整される

■TX1で撮影したサンプル写真

風景写真

■"遊び心"がある新感覚デザインは、デジカメこだわり派向け

新登場したTX1だが、何より目をひくのは"握って撮る"タテ型のデザインだろう。デジカメやケータイなどでは、デザインに凝りすぎて使い勝手や機能が落とした製品があるが、TX1はそうしたこともなく、高画質は言うに及ばす、光学10倍ズーム採用、0cmからのスーパーマクロ撮影など、ご覧の通り機能もかなり充実している。

本体を包み込むように握って撮る縦型スタイルは、写真を"撮る"というより"狙う"といった感じで、握るたびに「次は何を狙おう」とワクワクさせられる。二台目、三台目とデジカメを買い替え、普通の横スタイルのデジカメでは物足りなくなった人、人とは違った一台を持ちたい人、さらにデジカメにも"遊び心"が欲しいと思うこだわりを持つ人にお勧めだろう。

詳細写真レビュー:生まれ変わった斬新タテ型"ボディ"!写真で見る「PowerShot TX1」

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PowerShot TX1
CANON

編集部:南郷 あかり
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