Apple、タブレット向け次期プラットフォーム「iPadOS 17」を発表!iPad(第5世代)やiPad Proの初代12.9インチと9.7インチは対象外に



アップルがタブレット向け次期プラットフォーム「iPadOS 17」を発表!

既報通り、Appleは5日(現地時間)、アメリカ・カルフォルニア州クパチーノにある同社本社にて開発者向けイベント「WWDC 2023(Worldwide Developers Conference 2023)」の基調講演を開催し、その中でタブレット「iPad」シリーズ向けのプラットフォーム「iPadOS」の次期バージョン「iPadOS 17」を発表し、開発者向けベータ版が同日から提供開始され、一般ユーザー向けベータ版が7月から、正式版は今秋に提供予定であることを明らかにしました。

iPadOS 17はウィジェットがリマインダーを完了させるなどのより直感的なインタラクションに対応するほか、ロック画面のカスタマイズが可能になり、アクティビティーや服薬情報を大きな画面で見やすく表示できる「ヘルスケア」アプリやPDFを編集できる「PDF」アプリが追加され、さらに「メモ」アプリもPDFに対応するなどの機能拡張が行われるということです。

他にもスマートフォン(スマホ)「iPhone」シリーズ向けのプラットフォーム「iOS」の次期バージョン「iOS 17」も同じく発表されており、iPadOS 17ではiOS 17で紹介された機能も導入するので合わせてご覧ください。

なお、アップデート対象機種はiPadOS 16とは異なり、iPad(第6世代以降)およびiPad mini(第5世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、12.9インチiPad Pro(第2世代以降)、10.5インチiPad Pro、11インチiPad Pro(第1世代以降)の20機種にて無料でOSバージョンアップが可能となっており、iPadOS 16の対象機種だったiPad(第5世代)と12.9インチiPad Pro(第1世代)や9.7インチiPad Proは対象外となっています。


iPadOS 17は現在のiPad向け最新プラットフォームである「iPadOS 16」の次のOSバージョンです。プレゼンテーションにはAppleにてSoftware Engineeringを担当するSenior Vice PresidentのCraig Federighi氏などが登壇して説明しました。なお、アップデート対象製品は以下の通りで、新機能の詳細は公式Webページ( https://www.apple.com/jp/ipados/ipados-17-preview/ https://www.apple.com/ipados/ipados-17-preview/features/ )により詳しく掲載されています。

・iPad(第6世代)
・iPad(第7世代)
・iPad(第8世代)
・iPad(第9世代)
・iPad(第10世代)
・iPad mini(第5世代)
・iPad mini(第6世代)
・iPad Air(第3世代)
・iPad Air(第4世代)
・iPad Air(第5世代)
・12.9インチiPad Pro(第2世代)
・12.9インチiPad Pro(第3世代)
・12.9インチiPad Pro(第4世代)
・12.9インチiPad Pro(第5世代)
・12.9インチiPad Pro(第6世代)
・10.5インチiPad Pro
・11インチiPad Pro(第1世代)
・11インチiPad Pro(第2世代)
・11インチiPad Pro(第3世代)
・11インチiPad Pro(第4世代)


iPadOS 17でまず紹介されたのはウィジェットについてで、iPadOS 17ではウィジェットがインタラクティブになって1回タップするだけでさまざまなことができるようになり、例えば、ウィジェットから照明を付けたり、曲を再生したり、リマインダーをその場で実行済みにしたりでき、またWidgetKitのアップデートによって開発者は自分のウィジェットにインタラクティブ性を組み込むことができます。

またロック画面とホーム画面でインタラクティブウィジェットを利用できるようになり、操作をしたり、ひと目で役立つ情報を得るのが簡単になるほか、ロック画面では適応型色合い調整によってウィジェットがシームレスに壁紙に溶け込むため、最適な可読性が得られます。さらにロック画面をカスタマイズしてよりパーソナルで便利なより美しい画面にすることが可能となります。

ロック画面では豊富な新しい写真機能によってお気に入りの画像を設定して新しいスタイルを設定でき、自分のプライベートなライブラリーから写真を1枚選ぶこともでき、1日を通じてシャッフル表示される写真の動的なセットを選ぶこともできます。またLive Photoを選んでスリープ解除する度に滑らかなスローモーションのエフェクトが表示されるようにすることも可能となっています。

他にもロック画面のギャラリーからiPadの大きなキャンバスで美しく映える壁紙を選んだり、フォントのスタイルと色のセット選んで日付と時刻の見た目をカスタマイズしたり、お気に入りの絵文字と色を組み合わせて独自のデザインを作成したりでき、加えてライブアクティビティーがiPadOSに導入され、スポーツの試合や旅行プラン、出前の注文など、リアルタイムの出来事をロック画面上で把握できるようになります。

続けて紹介されたのは新たにPDFファイルについてで、iPadOS 17では「メモ」アプリもPDFに対応するほか、大きくアップデートされ、PDFファイルへの注釈やマーカーなどの情報の入力がかつてないほど簡単になり、機械学習を活用してPDF内のフィールドを識別するため、名前や住所、Eメールなどの情報を連絡先から素早く入力できるようになるということです。

さらに新しい方法でPDFを整理したり、読んだり、注釈を加えたり、共同作業をすることができ、PDFが全幅表示されるのでページをめくったり、素早く注釈を追加したり、Apple Pencilで文書に直接スケッチをしたりするのが簡単になります。加えて自分のメモから直接、PDFやスキャンした文書を確認し、注釈を加えることができるほか、Live共同作業によってメモを他の人と共有した際にアップデートがリアルタイムで表示されます。

メッセージは絵文字ステッカーによるステッカー体験や自分の写真で被写体を背景から抜き出してLiveステッカーを作成できる機能などの他の人とつながるための新たな機能が提供されLiveステッカーにエフェクトを追加して会話をいきいきとしたものにすることもでき、キーボードから利用できる新しいパネルにステッカーをすべてまとめておけるため、iPadOS全体でより簡単にアクセスできます。

またメッセージの新機能として1回タップするだけで表示できる展開可能なメニューがあり、ここから最も頻繁に使用するiMessageアプリに簡単にアクセスでき、人やキーワード、コンテンツタイプなどのフィルターによって検索体験が向上して探しているまさにそのものをより絞り込んで検索可能です。

さらにアクティブなグループチャット内の最後に読んだメッセージに簡単に飛ぶことができ、メッセージの吹き出しをスワイプすることで、インラインの返信がより簡単により素早くできるようになります。加えてオーディオメッセージが自動的に書き起こされるため、その場で読むことも後で聞くこともでき、メッセージ内で自分の位置情報を共有すると、共有セッションが終了するまで会話の中でその情報がライブ表示されます。

一方、FaceTimeでは相手が通話に応答しない場合にオーディオまたはビデオのメッセージを残すことができるようになり、ハートや風船、花火、レーザー、雨などのリアクションによってFaceTimeによる通話がさらに表現豊かになり、新しいエフェクトは簡単なジェスチャーで発動でき、他社製のビデオ通話アプリでも活用できるようになります。

またApple TV 4Kがアップデートされ、FaceTimeを家の中で一番大きな画面に表示できるようになり、連係カメラによってApple TVから直接ビデオ通話を開始することもiPadで開始した通話をApple TVに引き継いで友人や家族をテレビ画面で見ることも可能となるほか、センターフレームによって部屋の中を動き回っても、完璧にフレーム内に収まります。

Web体験も「Safari」アプリの改良によってこれまで以上に生産性を高めることができるようになり、「プロフィール」機能によって仕事とプライベートなど、トピックごとに別々にブラウズすることができ、プロフィールごとに独自の履歴、Cookie、タブグループ、お気に入りが保存され、切り替えるのも簡単です。また「プライベートブラウズ」によってFace IDまたはTouch IDを使って表示しているウインドウをロックできるほか、Webサイト越えトラッキングに使用されているトラッカーを削除できます。他にもSafariは応答性の向上やより関連性の高い検索候補の提示、候補の読みやすさの向上により、検索体験が一段と良くなります。

iPadOS 17ではようやくiPadにヘルスケアアプリが導入され、自分の健康データを詳細に確認できるようになり、iPadの大きなディスプレイに合わせて最適化されたデザインによって「よく使う項目」の見た目が新しくなり、トレンドやハイライト、詳細でインタラクティブなチャートによって自分の健康データについての洞察を得られます。また服薬の記録と管理、周期記録の使用、自分の一時的な感情や日々の気分の記録、複数の医療機関から取得した健康に関する記録の表示など、すべてを1つに集約された安全でプライベートな場所で行えます。

健康とフィットネスの開発者はiPadでHealthKitを使えるようになり、ヘルスケアアプリの厳格なプライバシーとデータセキュリティーのプロトコルに従いながら利用者が共有することを選択したデータを組み込んでアプリで革新的な体験を作り出す新しい機会を得ることができるようになります。その他の主なiPadOS 17の新機能は以下の通りとなっています。

・ステージマネージャ
 ウインドウの位置とサイズの柔軟性がさらに高まり、ワークスペースをさらにコントロールできるようになります。また外部ディスプレイの内蔵カメラに対応します。

・フリーボード
 新しい描画ツールやポイント機能、傾き、図形に変換への対応、すべてのオブジェクトに接続線と新しい図形を追加する機能、共同作業者をボード内でガイドする「フォロー」が提供されます。

・Spotlight
 次のアクションへのショートカット、強化された画像検索結果、ビデオ検索を提供してこれまで以上に素早く情報を見つけてアクションを実行できるようにします。

・画像を調べる
 認識機能が食べ物や店舗、標識、衣服の洗濯表示タグなどの物に付けられた記号にまで拡張されます。

・キーボード
 自動修正が向上してかつてないほど素早く簡単にテキストを入力できます。インラインの予測テキストによって文章を素早く書き終えることができ、音声入力の新しい音声認識モデルによって精度が向上します。

・Siri
 これまでの「Hey, Siri(ヘイ、シリ)」という起動コマンドが「Siri(シリ)」と言うだけで起動するようになります。起動後は再び起動しなくても複数のコマンドを連続して伝えることができます。

・製品上の知能が好みを学習
 AirPlayを使ったコンテンツの共有が一段と簡単になります。AirPlayはホテル内の対応するテレビでも機能するため、旅行中も簡単にお気に入りのコンテンツをテレビで楽しめます。この機能はプライバシーとセキュリティーを基盤に構築されており、インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツ系列から開始して、年内に一部のホテルで利用可能になります。

・リマインダー
 新たな賢い買い物リストの体験が導入され、関連する商品が自動的にグループ化されてセクションにまとめられるため、買い物がより簡単になります。またセクションを画面上で水平に表示する新しいカラム表示が提供されます。

・マップ
 マップをダウンロードしてオフラインで使えるようになります。エリアを選択したり、場所に関する豊富な情報を検索して調べたり、あらゆる移動手段の経路を確認するといったことをすべてオフラインで実行できるようになります。

・プライバシーのアップデート
 「コミュニケーションの安全性」が拡大され、子どもたちの保護や大人向けの「センシティブな内容の警告」が追加されます。また写真とカレンダーの許可のアップデートによってアプリと共有するデータについて理解を一段と深めた上で選択できるようになります。さらにロックダウンモードがアップデートされ、金銭目的のスパイウェアの標的になる可能性があるユーザーに対する保護が強化されます。

・新しいアクセシビリティツール
 アシスティブアクセスは認知障がいを持つユーザーがiPadをさらに簡単に自立して使えるようにするためのカスタマイズ可能なインターフェイスです。ライブスピーチは非発話者のユーザーが電話やFaceTime、対面での会話の際に自分が話したいことを入力して読み上げるのに役立ちます。
 パーソナルボイスは発話能力を失うリスクのあるユーザーに自分が話しているように聞こえる声を作るオプションを提供してライブスピーチとシームレスに統合します。
 拡大鏡では「ポイントして読み上げ」により、視覚障がいのあるユーザーはテキストラベルが小さい家電やその他の対象物を操作しやすくなります。

更新中

記事執筆:memn0ck

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