親子でのコミュニケーションが鍵 ワキ汗の悩みは病院へ相談を


科研製薬株式会社が、NPO 法人多汗症サポ ートグループと共同で、『ワキ汗・多汗症疾患啓発セミナー「親子で語ろう!“多汗”な悩み」』を開催しました。セミナーではワキ汗や多汗症の悩み、そして親子での認識のギャップのほか、最新の治療法についても解説されました。

セミナーには「池袋西口ふくろう皮膚科クリニック」の藤本智子院長、「NPO 法人多汗症サポ ートグループ」代表理事の黒澤希さん、中高生患者を代表して17 歳の女子高生・山形想さんとその母親が登壇。

■子供がワキ汗に悩んでいても約3割の親は気付けない可能性も
日常生活に困るほどワキ汗が大量に生じてしまう疾患が、ワキの多汗症である「腋窩(えきか)多汗症」。藤本院長によるとワキ汗の症状を意識し始めた時期が「中高生」という回答が最も多く4割以上を占めていることがわかったということです。また中高生の年代では、体や健康に関する悩みごとの相談相手として、約6割が家族や親戚を挙げていることから多汗症患者にとっても家族の理解は必要だとわかります。

さらに中高生の患者が多汗症状について「かなり悩んでいる」「悩んでいる」と回答した割合が90.7%だったのに対し、「子供が悩んでいると思う」と回答した母親は65.6%。つまりワキの多汗症に悩んでいる子供に気が付いていない親が多くいることがわかりました。

■「母が真摯に寄り添ってくれて嬉しかった」女子高生の本音とは

中高生患者を代表して登場した女子高生の山形想さん。小学生の時に多汗について気がついたそうです。「体育の時間に隣の人と手を繋ぎましょうと言われた時や、テスト中に手のひらの汗で紙がやぶれたり、家庭科の裁縫でも針に糸が通せないなど、日常生活に小さな支障が積み重なっていました」と話す山形さん。

「悩みについて親と認識のギャップを感じたことはありますか?」というテーマで山形さんは「親に汗をかくんだよね、って言っても、思われてるより汗をかいているんです。親とはその認識のずれがあると思います」と自身の経験を振り返ります。「母は真摯によりそってくれ、受診もすすめてくれて嬉しかったです」と家族の理解についての本音も出ました。

■保険治療など、豊富な治療法があるので正しい知識を知ってもらいたい

一番最初に受診した皮膚科では体質だと治療を断られたという山形さんに「近年は治療の選択肢も増え、ようやく保険治療ができることが認知されてきたという実感があります。それまでは患者さんで知る人も非常に少なかったです」と話す藤本院長。ネットで治療や対策について調べると、保険治療と自費治療が曖昧になっている情報も多いそうです。

「正しい知識を知ってもらいたいです。また、しっかりと多汗症に対する治療のアプローチが行えるよう、医療者側にも啓発活動が必要です」と藤本院長は話します。

最後に山形さんが「多汗症は当初マイノリティだと思っていましたが、調べていくうちに周りにも患者さんがいることがわかりました。なので、困っているのはあなたひとりじゃない。諦めずいろんな人を頼ってほしいなと思います」と話すと、母親である淑恵さんは「子どもが大きくなり、思春期になってくると、コミュニケーションを取る時間が減ってきてしまうと思います。その中でも親は常に一番身近な存在だと思います。少しでも子供の悩みに気づき、勉強や生活などで本来持っているパフォーマンスを出せるような環境を作ってあげることが大事だと思います」と子どもとのコミュニケーションの大切さを実感しているようです。

制服を着用したり、新しい人間関係が始まるこの新学期というタイミング。一人で悩まずに、まずは身近な家族に相談し、さらには医療機関での治療を検討するという選択肢を持つことが大切です。

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