アメリカがファーウェイへの制裁の猶予期間を再再々延長!期間が45日間に短縮され、米司法省が新たに16の違反で追起訴



ファーウェイへの制裁の猶予期間がさらに45日間再延長!4月1日までに

米国商務省(United States Department of Commerce)は13日(現地時間)、 今年5月に同省の産業安全保障局(BIS)が中国の通信機器メーカーであるHuawei Technologies(華為技術、以下「ファーウェイ」)およびその関連企業を輸出規制リスト(Entity List)に追加したことに対して米国輸出管理規則(EAR)を改正する一時一般許可(TGL)をさらに45日間延長すると発表しています。

いわゆるアメリカのファーウェイに対する制裁による「ファーウェイ問題」における猶予期間で、これによってこれまで米国企業がファーウェイへの輸出を含む同社との取引について限定的に期間限定で承認する猶予が与えられていましたが、昨年8月および同年11月のそれぞれ90日間延長に続いてさらに45日間延長されて2020年4月1日(水)までとしました。

また米国司法省(United States Department of Justice)は同日、ファーウェイと同社のCFO(最高財務責任者)を務めるMeng Wanzhou(孟晩舟)氏、そして関連するHuawei DeviceおよびHuawei Device USA、Futurewei Technologies、Skycom Techといった4社を詐欺などの16の項目で追起訴したと発表しています。


商務省の発表文

ファーウェイはスマートフォン(スマホ)や基地局などを開発・製造する中国の通信機器メーカーで、スマホでは出荷台数シェアでAppleと2位を争い、基地局などの通信インフラでもEricssonに続く世界シェア2位となっています。そんな同社が米中貿易摩擦にも絡んで、アメリカの国家安全保障および外交政策における利益に反する活動に同社が従事していると結論付けるに足るとして米国商務省によって昨年5月に輸出規制リストに追加されました。

一方でファーウェイの製品を利用している消費者や通信事業者が急に製品を使えなくなるなどの問題に配慮して、猶予期間が設けられており、この間に問題解決に向けて動いていますが、これまでの2度の延長でも解決せずに3度目の延長となりました。

なお、猶予期間が設けられているため、従来通りにすでにファーウェイの製品を利用している消費者や通信事業者が継続してサービスを利用したり、ネットワークの運用を行ったりするための特定の取引を米国企業とファーウェイは行え、ファーウェイでも同社の製品に対してセキュリティーアップデートやアフターサポートを継続して実施可能となるとしています。

一方で新たに米国司法省では同社とその関連企業などに対してルーターや携帯電話におけるアンテナ技術、ロボット技術に関する非公開の知的財産を不正に取得し、アメリカや欧州、国際連合が経済制裁を科している北朝鮮との取引を隠ぺいしたとして追起訴しています。


司法省の発表文


記事執筆:memn0ck


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・ファーウェイ問題 関連記事一覧 - S-MAX
・Department of Commerce Renews Temporary General License for 45 Days | U.S. Department of Commerce
・Chinese Telecommunications Conglomerate Huawei and Subsidiaries Charged in Racketeering Conspiracy and Conspiracy to Steal Trade Secrets | OPA | Department of Justice

共有する

関連記事

【気になるPC】快適ケータイ&パソコン!最新のBluetooth製品 一挙紹介

Bluetoothとは、東芝、エリクソン、インテル、IBM、ノキアが中心となり策定した短距離無線接続の規格。無線LANは文字通りにネットワークへの接続を前提としているのに対して、Bluetoothは様々な機器を無線で接続できる点が大きな魅力と…

【世界のモバイル】日本のケータイビジネスはぬるい?激烈な海外の新製品発表競争と格差

5月22日、auとソフトバンクから2007年夏モデルが発表された。海外でも携帯電話の新機種は毎月のように発表されているが、日本のようにキャリアから新機種が発表されることはほとんどなく、ほとんどがメーカーからの発表だ。日本と海外…

【気になるトレンド用語】携帯会社が争う″モバイルWiMAX″って何?

近頃、"WiMAX"という言葉がインターネットニュースなどで多く見るようになりました。どうやら無線LANと関係がありそうなのですが、携帯メーカーも乗り出しているモ"バイルWiMAX"というのもあるようです。■WiMAX(ワイマックス)ってなに…

【気になるトレンド用語】価格高騰が生活を直撃!今更聞けないサブプライム問題

最近、日ごとにサブプライム問題の深刻さがニュースで流れていますね。国内外の企業での膨大な損失の公表やドル安、原油高。これらは“サブプライムローン”の焦げ付きによる信用不安が原因といわれています。ドルの信用が落ちたころから…

【世界のモバイル】″モバイルWiMAX″は日本メーカーの救世主となるか

2.5GHz帯を利用する広域無線通信サービスの免許が総務省から2社に交付された。1社は次世代PHS方式を採用するウィルコム、もう1社はモバイルWiMAX方式を採用するワイヤレスブロードバンド企画である。このうちモバイルWiMAXは国際的に…