サムスン電子の6.3インチ大画面やデュアルカメラを搭載したSペン入力対応最新スマホ「Galaxy Note8」を写真と動画で紹介!発火事故を乗り換えシリーズ最高の出来に【レポート】



Samsungの最新スマホ「Galaxy Note8」を実機でチェック!日本での発売も期待

既報通り、Samsung Electronics(以下、サムスン電子)は23日(現地時間)、アメリカ・ニューヨークにて発表会「Galaxy Unpacked 2017」を開催し、Sペン入力に対応した「Galaxy Note」シリーズの最新スマートフォン(スマホ)「Galaxy Note8」を発表した。Galaxy Noteシリーズとしては、日本で今年5月に発売された同社のフラッグシップスマホ「Galaxy S8」や「Galaxy S8+」と同様に左右が湾曲して画面周りの縁(ベゼル)が狭くなっているだけでなく、上下の縁も少なくして9:18.5という縦長で“ほぼ全画面デザイン”に見えるInfinity Displayをはじめて搭載した。

これにより、昨年モデル「Galaxy Note7」や一昨年モデル「Galaxy Note5」では約5.7インチと画面の対角長では頭打ちだった画面サイズが同シリーズのスマホでは最大となる約6.3インチ大画面となり、縦持ちで上下に2分割できるマルチウィンドウを効率良く活用できるため、片方のウィンドウで情報を見ながらもう片方のウィンドウでSペンによるメモをするなど、よりペン入力との相性も良くなっている。

さらに同社の「Galaxy」シリーズの上位モデルとしては初のデュアルレンズカメラを背面に搭載し、ライバルの「iPhone 7 Plus」(Apple製)と同様に光学2倍相当のズームに対応した。さらに発表会では名指しでiPhone 7 Plusとの違いが紹介され、中でもiPhone 7 Plusでは望遠側は光学手ブレ補正(OIS)に対応していない点を突き、Galaxy Note8はリアカメラの2つのカメラともにOIS対応であることが説明された。

その他、Galaxy S8・S8+で導入された音声アシスト機能「Bixby」やデスクトップパソコンのように使える「Samsung DeX」にも対応し、Galaxy Note7で採用された「虹彩認証」や「顔認証」、「指紋認証」の3つの生体認証に加え、Sペンを含めてIP68準拠の防水・防塵、microSDカード、USB Type-Cなどまさにこれまでの集大成といっても過言ではない製品に仕上げられている。

特に昨年はGalaxy Note7の仕上がりが非常に良かったものの、バッテリーの問題で発火事故が起こり、リコールからの販売停止となってしまっただけに、その後、Galaxy Note7の改良モデル「Galaxy Note FE」が一部国・地域で販売されたものの、実質的には2年ぶりのGalaxy Noteシリーズの新製品ともなるため、注目を集めている。

そこで今回は、発表会時に設置されていたタッチ&トライスペースにて実際にGalaxy Note8を試した様子を写真を交えて紹介する。また海外メディアが掲載していた質感などもよくわかるハンズオンムービーも合わせて掲載しておく。


Galaxy Note8の正面写真

Galaxy Note8は前述通りに縦長のInfinity Displayを採用し、約6.3インチQuad HD+(1440×2960ドット)Super AMOLED(有機EL)ディスプレイ(約521ppi)を搭載している。ディスプレイは左右が湾曲したEdge Screenによってほぼベゼルレスとなっており、上下も従来のGalaxy Noteシリーズと比べるとかなり狭くなっている。

その大きな要因はディスプレイ下にあったホームキーなどハードウェア式のボタンが非搭載となったことで、ホームなどのナビゲーションボタンは画面表示式となったことによる。これはGalaxy S8・S8+と同様だが、同じくホームボタンが表示される部分にはディスプレイの下に感圧センサーが内蔵され、ハプティクス機能によって押したような感覚が得られるようになっている。

さらにGalaxy S8・S8+では発売後に対応したホームボタンなどが画面左下の「・」ボタンを押すと隠せるようにもなっており、機能によってはこれまで通りにホームボタンなどのナビゲーションボタン領域も含めてQuad HD+を全画面で利用できるようになっている。

その他、これもGalaxy S8・S8+と同じだが、これまでのハードキーを搭載していたGalaxyシリーズでは他のAndroid搭載スマホとは戻ると履歴の位置が反対だったが、ソフトウェア表示となったために設定で戻るボタンと履歴ボタンを入れ替えられるようになっている。


ほぼ全画面デザインのInfinity Display



エッジスクリーンのショートカット機能「Edge Apps」も引き続き利用可能



縦長ディスプレイになったことでマルチウィンドウがより快適に利用可能

機種Galaxy Note8Galaxy Note7Galaxy S8+
画面6.3型WQHD+5.7型WQHD6.2型WQHD+
大きさ162.5×74.8×8.6mm153.5×73.9×7.9mm159.5×73.4×8.1mm
重さ195g169g173g
SoCExynos 9またはS835Exynos 8またはS820Exynos 9またはS835
RAM6GB4GB4GB
背面カメラ1200万画素+1200万画素1200万画素1200万画素
前面カメラ800万画素500万画素800万画素
電池容量3300mAh3500mAh3500mAh
Sペン

サイズは約162.5×74.8×8.6mm、質量は約195g、本体色はMidnight Black(ミッドナイトブラック)およびOrchid Gray(オーキッドグレー)、Maple Gold(メープルゴールド)、Deepsea Blue(ディープシーブルー)の4色展開。なお、前面のディスプレイの周りは各色ともに黒だ。

各色ともに背面は光沢仕様となっているが、メープルゴールドのみがメタリック感が協調され、他はフラットな色合いとなっている。側面などの本体素材はGalaxy Note7でも採用されていた折れ曲がったりしにくい高強度なアルミニウム7000(アルミニウムに亜鉛とマグネシウムを添加した合金でいわゆる「超々ジュラルミン」)とのこと。


Galaxy Note8の背面写真



Galaxy Note8は現時点では4色展開



純正のフリップなどのさまざまなケースも販売予定

これまで前面にあったホームキーに内蔵されていた指紋センサーはGalaxy S8・S8+と同じく背面のカメラ部分に搭載され、Galaxy S8・S8+はレンズのすぐ横にあったものの、Galaxy Note8では間にカメラなど用のLEDフラッシュライトが間にあるため、多少は指紋センサーを触ろうとしてレンズに触ってしまうといったことは減りそうです。また指紋センサーをなぞって通知を表示する機能なども引き続き搭載。

外観は前面から見るとほぼGalaxy S8・S8+と同じようなデザインで、同じように前面だけでなく背面も湾曲させているものの、Galaxy Note7もそうだったように角のR(丸み)がGalaxy S8・S8+よりも小さくなっており、側面はかなり平らな印象を受けます。

そのため、Galaxy S8・S8+のほうが握りやすさを重視している一方、Galaxy Note8ではより大きいため、手の上に置いても挟む感じで持っても安定するようになっているように思われる。また重量バランスもうまく調整されているためか、質量の割には特段重いという印象は受けない。もちろん、Galaxy S8・S8+と持ち比べれば確実に重いが。


Galaxy Note8の上部側面にはSIMカード・microSDカードスロットやサブマイクなどが配置



Galaxy Note8の下側面には3.5mmイヤホンマイク端子やUSB Type-C端子、通話など用メインマイク、外部スピーカー、Sペン収納部分が配置



Galaxy Note8の左側面には音量上下キーとBixbyボタンが配置



Galaxy Note8の右側面には電源/スリープキーが配置

注目の背面のデュアルレンズカメラは、メインの通常の広角レンズカメラはGalaxy S7シリーズから続いて搭載されているF1.7・77°レンズの1/2.55インチ約1200万画素デュアルピクセルCMOS(1画素サイズ1.40μm)となっており、もう1つがF2.4・45°の望遠レンズカメラでデュアルピクセルではない1/3.6インチ約1200万画素CMOS(1画素サイズ1.0μm)を搭載した。

これにより、iPhone 7 Plusや「ZenFone Zoom S」などのように望遠レンズに切り替えると光学2倍相当の写真が撮影できるようになっており、Galaxy Note8では両方ともにSmart OISに対応しているため、光学2倍ズームにしても手ブレしにくくなっている。


Galaxy Note8のリアカメラ部分



Galaxy Note8のカメラファインダー画面

また前面のフロントカメラはF1.7レンズの約800万画素CMOSを搭載。フロントカメラは顔認証にも利用し、虹彩認証「Iris Passport」はフロントカメラの横にあるIrisセンサーで行う。


Galaxy Note8の虹彩認証もGalaxy S8・S8+のように暗いところでも利用可能

バッテリー容量は3300mAh(取外不可)で、ワイヤレス充電(WPC/QiおよびPMA)に対応し、無線と有線の充電ともに「Quick Charge 2.0」といった急速充電に対応。充電やデータ通信には端子の表裏がないUSB Type-Cを採用。

チップセットは10nmプロセスで製造されたサムスン電子製64bit対応のオクタコアCPUを搭載し、投入する国・地域によって異なり、サムスン電子製「Exynos 9 Octa(Exynos 8895)」(2.3GHz×4コア+1.7GHz×4コア)またはQualcomm製クアッドコアCPU「Snapdragon 835(MSM8998)」(2.35GHz×4コア+1.9GHz×4コア)となります。内蔵メモリー(RAM)は6GB(LPDDR4)、内蔵ストレージ(UFS)は64GBまたは128GB、256GBを搭載。


別売りの純正ワイヤレス充電機にGalaxy Note8を置いたところ

Sペンは本体右下側面に収納可能で、軽く押すと飛び出してくるタイプ。性能的にはGalaxy Note7と同じで、Galaxy Note5と比べるとペン先が細い約0.7mmやフレッシュレード(スキャン頻度)が1.5倍の360Hzとなり、筆記・描画感覚がより自然に描け、4096段階の筆圧検知によって絵の具のように色を混ぜ合わせたりすることが可能になっている。

また側面にあるボタンを押せば消しゴムになり、Alway On Displayにて素早く手書きのメモを残せる「スクリーンオフメモ」も100ページまで利用でき、新たに手書きした文字をGIFアニメーションとして保存して共有できる「Live Message」機能が追加された。

なお、これらのペン入力技術は引き続きワコムと技術協力して開発したとのことで、防水を活用して水中でもペン入力ができるため、例えば、雨が降っているところでのメモなどという紙では難しいシーンでの利用も可能となった点でより紙とは違った使い方ができると思われる。


購入状態ではSペンを抜きと専用メニューが表示される



Sペンの入力しているところ。メモだけでなく、人によっては絵画のような絵も描ける



Galaxy Note8でスクリーンオフメモを試しているところ



他にも新機能としてより手軽に利用できるなぞったところが翻訳できる機能なども追加

OSはAndroid 7.1.1(開発コード名:Nougat)を採用し、発売後に最新バージョン「Android 8.0(開発コード名:Oreo)」へのOSバージョンを提供予定。常時画面を点灯する「Always On Display」にも対応し、新たに縦長かつ大画面を活かして2つのアプリを1つのアイコンにまとめると、ワンタッチでマルチウィンドウで同時に起動できる「App Pair」機能が追加。Bixbyの対応言語もまだ少ないが、ようやく英語には対応している。日本語対応は未定。


Galaxy Note8でBixbyを試しているところ



Galaxy Note8の端末情報を表示したところ

その他の仕様では、2.4および5.xGHzデュアルバンドやVHT80、MU-MIMO、1024QAMに対応したIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth 5.0 LE(最大2Mbps)、NFC Type A/B、MST(磁気式決済)、位置情報取得(A-GPS・GLONASS・BeiDou・Galileo)、ANT+、加速度センサー、気圧センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー(電子コンパス)、近接センサー、磁気センサー、心拍センサー、環境光(RGB)センサー、圧力センサーなど。

ネットワークでは国や地域、携帯電話会社によって異なるものの、LTE UE Category 16によってキャリアアグリゲーション(CA)や4x4 MIMO、256QAMに対応し、下り最大1Gbpsおよび上り最大150Mbpsで利用可能。デュアルSIM対応モデルも用意され、3G・4GのDSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)にも対応。SIMカードはnanoSIMカード(4FF)サイズに。


Galaxy S8・S8+では日本における展開はなかったSamsung DeX用アダプター



Galaxy Note8でSamsung DeXを試しているところ



従来のGear VRは利用できないため、新たにGalaxy Note8で使えるGear VRが発売予定

最後にハンズオンムービーを掲載しておく。Galaxy Note8ははじめに投入されるアメリカや台湾、韓国などの1次販売国・地域では9月15日(金)に発売され、価格はアメリカのT-Mobile USでは930ドル(約101,000円)とアナウンスしている。またすでに紹介しているように日本での販売については現時点では明らかにされていないが、日本法人のサムスン電子ジャパンによる公式WebサイトにはすでにGalaxy Note8の日本語ページが掲載されており、掲載された機種は従来はほぼ販売されることから投入される可能性はかなり高いと思われる。日本での正式発表や国内での実機展示なども早く行って欲しいところだ。期待して待ちたいと思う。







記事執筆:S-MAX編集部
写真撮影:佐野 正弘


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