iPhoneなどのiOS版ではRAWファイルのカメラロールへの書き出しも可能に!アドビのスマホなど向け無料カメラアプリ「Lightroom mobile」がRAW HDR撮影に対応



Adobeのカメラアプリ「Lightroom mobile」がRAW HDR撮影に対応!

Adobe Systems(以下、アドビ)は7日(現地時間)、iPhoneなどのiOSやAndroid向けに提供している画像編集およびカメラ撮影アプリ「Adobe Photoshop Lightroom」(以下、Lightroom mobile)の最新バージョンを公開し、新たに3枚のRAW形式の写真を撮影して自動的に綺麗な画像に仕上げる「RAW HDR撮影」(以下、HDR撮影)に対応したとお知らせしています。

アプリは部分補正以外の編集機能と写真撮影、カメラロールへの保存などは無料で行え、HDR撮影はiOS版ではVersion 2.7以降、Android版ではVersion 2.3以降で利用できます。

またiOS版では従来はRAW形式で撮影した場合には有料のクリエイティブクラウド(CC)のメンバーでなければRAW形式のまま取り出すことができませんでした。

Version 2.7以降では新たに「元の画像を書き出し」機能が追加され、iPhoneなどで撮影して他のアプリでRAW現像したり、クラウドストレージなどで他のパソコン(PC)などデータを同期することも可能となっています。

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Lightroom mobileアプリを起動して、縦画面では右下にあるカメラボタンを押すと撮影モードに。iPhoneの感圧機能「3D Touch」に対応していてONにしている場合には直接撮影モードで起動可能

Lightroom mobileは手軽にRAW現像(RAWファイルの読み込みや編集)ができ、Adobe Photoshop Lightroomと連携可能なスマホなど向けアプリです。2014年にiOS版がリリースされ、その後、2015年にAndroid版が提供開始されました。

さらにどちらでも機種によるもののRAW撮影にも対応し、iPhoneなどでは昨年9月のiOS 10のリリースに合わせて「iPhone 6s」および「iPhone 6s Plus」、「iPhone SE」、「iPhone 7」、「iPhone 7 Plus」、「iPad Pro 9.7」の6機種でRAW撮影に対応しています。またAndroidではGalaxy S7 edgeなどのAndroidのカメラAPIでRAW撮影に対応している機種で利用可能。

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縦画面では左下にある「AUTO」や「プロフェッショナル」の部分をタッチして「HDR」に変更するとHDR撮影が可能

今回追加されたHDR撮影は、シーンを自動的に認識して正確な露光範囲を決定し、3枚のRAWファイルを撮影して自動的に位置修正や合成、ゴースト除去、トーンマッピングを行うことでより綺麗な写真を撮影可能としています。

使い方はシャッターボタンの近くにある「AUTO」や「プロフェッショナル」となっているスイッチボタンをタッチし、「HDR」にすれば後は他の撮影と同じようにシャッターボタンを押すだけです。

HDRとRAWファイルの両方のメリットをすべて取り入れた16bit浮動小数点DNG形式を用い、Adobe Camera RawとLightroomに組み込まれたHDR技術と同じアルゴリズムを使って、同等の品質で処理されるということです。

また一般的にスマホなどで対応しているHDR撮影はJPEG形式での書き出しとなるほか、2枚の画像しか使わないため、照明の状況などによってすべての色調が再現できないことがあるとし、Lightroom mobileのHDR撮影は3枚にしたことでより広いダイナミックレンジの画像となるとしています。

なお、そもそもDNG形式のRAWファイルサイズが大きいこともあり、HDR撮影は保存に少し時間がかかるほか、連射には対応していません。

対応機種はiOSについてはRAW撮影と同じ6機種、Androidについてはマシンパワーが必要ということで「Galaxy S7」および「Galaxy S7 edge」、「Google Pixel」、「Google Pixel XL」の4機種のみ。Androidの対応機種はできるだけ早く追加できるよう取り組んでいるとのこと。

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RAW(DNG)形式で保存する場合は縦画面で上中央に表示されている「JPEG」を「DNG」に変更するだけ


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撮影したRAW(DNG)ファイルを右上の共有ボタンから「元の画像の書き出し」を選ぶとカメラロールに保存され、アルバムアプリなどで利用可能に

一方、iOS版ではRAW撮影に対応した時点で紹介したレビューでもiPhoneなどで撮影したRAWファイルはCC経由で他のPCなどで利用できるものの、単体での書き出しなどには対応していませんでした。

今回提供された最新バージョンにおけるHDR撮影以外の変更点として元画像を書き出しができるようになり、撮影したRAWファイルやCC経由で同期したデジタルカメラで撮影したRAWファイルなどをカメラロールに保存できるようになっています。

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カメラロールに保存すれば他のアプリ、例えば、Googleの画像編集アプリ「Snapseed」などでもRAW現像ができるようになります

これにより、他のRAW現像に対応するアプリで扱えるようになったほか、他のクラウドストレージサービスなどでRAWファイルを同期できるようになっています。その他の変更点については以下の通り。なお、その後、不具合修正などを行ったiOS版は2.7.1、Android版は2.3.2がリリースされています。

バージョン 2.7.0 の新機能
•Lightroom Mobile上の本物のHDR
•オリジナルのRAW画像をカメラロールへ直接書き出し
•画像のレーティング(評価)機能が向上
•クラウドとの同期機能が大幅に向上

新機能
•Lightroom Mobile上の本物のHDR。
•線形および放射状グラデーションを使用したローカル調整では、写真の特定の部分に露出、明るさ、透明度などの調整を選択的に適用できます。
•各種バグの修正とパフォーマンスの向上。

記事執筆:memn0ck


[Image] QRコードアプリ名:Adobe Photoshop Lightroom
価格:無料
カテゴリ: 写真

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