ボカロを教育現場に!ヤマハが学校の音楽教育にボカロ付き教材を提供


ヤマハは、主に小中学校をはじめとする学校の音楽教育現場に向けたICTを活用した音楽教育ソリューション「Smart Education System」の提供を開始すると発表した。

その第一弾製品として、Windowsパソコン・タブレット端末用の授業モデルパック付きデジタル音楽教材「ボーカロイド教育版」の提供を2017年2月7日(火)より、「ギター授業」「箏(こと)授業」の提供を3月上旬より開始する。

昨今、学校教育現場のICT(Information and Communication Technology)化が急速に進んでいると同社。政府は、昨年6月に閣議決定した「日本再興戦略2016」で、「全ての教科の課題発見・解決等のプロセスにおいて、各教科の特性に応じ、ITを効果的に活用する」ことを謳っており、2020年までに、子ども一人につき一台の端末を整備することや、ICTを活用して指導できる教員の割合を100%にすることなどを目指すとしている。特に今後は、教育現場にて電子黒板やパソコン、タブレット端末といった教育向けハード機器やネットワーク環境が整備され、これに伴い「デジタル教材」などの教育向けソフトのニーズも高まることが予測される。

同社はこうした環境の中、ヤマハだからこそ提供できるICT音楽教育ソリューション「Smart Education System」の構築に2014年より取り組んできたとのこと。これまで、15校もの協力のもとで実証授業を続け、学校関係者の方々との度重なる意見交換を通じて、教育の現場において有効に活用できるICTソリューションのノウハウ・知見を蓄積してきました。そしてこのたび、その成果の第一弾として、主に小中学校の教育現場を対象とした、授業モデルパック付きの3つのデジタル音楽教材「ボーカロイド教育版」「ギター授業」「箏授業」の提供を開始する。

「ボーカロイド教育版」は、当社が開発した歌声合成技術「VOCALOID」を小中学校の音楽授業を想定し改良したもので、思い浮かんだ歌詞やメロディーをどんどん入力して、試行錯誤を重ねながら直感的な操作で曲をつくることができる音楽ソフト形式のデジタル教材。

教材には、独自の「授業モデルパック」が付属しており、これに沿って授業を行うことで、子どもたちはメロディーづくりを体系的に学びながら、楽しんで創作に励むことができるようになっている。

この教材を使ったこれまでの実証授業では「子どもたちの想いを歌という形にする中で対話的な学びができた」「今まで学んだ音楽的な要素をもとに歌をつくるのでより深い学びにつながった」など、子どもたち自らが考えて能動的に学んでいくスタイルに高い評価を受けていた。さらに「創造性」と「論理性」を同時に育むことができることから、2020年に小学校で必修化される予定の「プログラミング教育」の観点からも注目を集めていた。

「ギター授業」「箏授業」は、限りある音楽科の授業数の中で少しでも多くの楽器に触れ、様々な音楽に親しみを持ってもらうことを目的に開発した、動画をベースにしたデジタル教材だ。専門家による充実の解説・模範演奏動画を多数収録しており、単に再生するだけでなくアングルを切り替えたり、再生テンポを変えたりしながら演奏ポイントを視覚的にしっかりと確認しながら学習できるようになっている。

いずれの教材も、特に「器楽」の授業を想定した「授業モデルパック」が付属しており、楽器演奏が苦手な指導者でも無理なく効率的に教えられるようになっている。この教材を使った実証授業では、直感的に操作できるシンプルな機能性や、演奏に必要な要素を網羅した構成に対して高い評価を受けていた。また、「箏授業」については、現行の「学習指導要領」に「3学年間を通じて1種類以上の和楽器の表現活動の実施」が謳われているなかで、和楽器の中でも学校授業で一番使用されている「箏」に特化した初のデジタル教材として発売される。

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