期間限定クリスマスセール中の2in1のWindows 10タブレット「HUAWEI MateBook」はどんな製品なのかじっくりと紹介!4K動画編集にも使える?【レビュー】


Windows 10タブレットPC「HUAWEI MateBook」をチェック!

華為技術日本(以下、ファーウェイ・ジャパン)が開催したブロガーイベントにて日本国内でもHuawei Technologies(以下、ファーウェイ)製「HUAWEI P9 lite」をはじめとするSIMフリーのスマートフォン(スマホ)が好調であることが紹介された。そんななファーウェイ初となるWindows 10搭載タブレットPC、それが「HUAWEI MateBook」(以下、MateBook)だ。

約12インチQHD(2160 x 1440ドット)IPS液晶とタブレットとして大型ディスプレイで、かつ高精細なので別売りのキーボードも購入し、2in1でノートPCライクに使うにも十分だ。

またCPUはインテルの第6世代「Core m3-6Y30」または「Core m5-6Y54」プロセッサー、内蔵メモリー(RAM)は4GBまたは8GB、内蔵ストレージは128GBまたは256GB、512GBのM.2 SSDというバリエーションがある。

家電量販店で購入できるのはCore m5-6Y54を搭載したモデルで、一番安価なCore m3-6Y30モデルは公式Webショップ「ファーウェイオンラインストア」にて75,500円(税込)で購入可能。さらに、製品の特長として側面に指紋センサーを搭載し、生体認証である「Windows Hallo」に対応する。

オプションにはカバーになるキーボード「HUAWEI MateBook Portfolio Keyboard」(以下、MateBook キーボード)や2048段階の筆圧検知に対応する「HUAWEI MatePen」(以下、MatePen)、HDMIディスプレイポートやUSBポートを持つ「HUAWEI MateDock」(以下、MateDock)がある。

今回はCore m搭載で実力が気になるMateBookとオプションの使用感をじっくりとレポートしていく。

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Windowsタブレットといえば、CPUが発する熱の関係上、デザインに排熱のためのエアーフローを盛り込むとどうしても厚みのあるものとなっているように思う。一方で、発熱が少ない「Atom」搭載機はなんでもできるWindows PCであるにもかかわらずパフォーマンス的に妥協する必要があった。
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MateBookは、消費電力が低くAtomよりもパフォーマンスが高い「Core m」を採用し、廃熱に縛られない自由なデザインを実現している。薄さ6.9mmのメタルボディは、Windowsタブレットとは思えない質感の高さをもつ。
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PCとして丁度良いサイズの12インチディスプレイと約640gという軽さだが、AndroidタブレットやiPadなどを利用していると、タブレットとしては大きく重く感じるかも知れない。これに関しては、実物でその大きさ重さを実感して欲しいところだが、MateBook キーボードと合わせてノートPCとして使ってみれば、それほど大きくはないと感じるだろう。

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今回試用したMateBookはCore m5-6Y54、8GB RAM、256GBのSSDを搭載するモデル。SSDは79,9GBと157GBのパーティションに別れている。
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Cドライブのベンチマークは、シーケンシャルリードが546.1MB/s、シーケンシャルライトが252.8MB/sと高速で、eMMCのAtomとは違い高速SSDが使えるCoreシリーズは良いなと思える点でもある。
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デジカメで撮影した写真の取り込みや、RAWデータの現像も試してみた。USB 3.0接続のカードリーダーであれば取り込みが速い。RAW現像に関してはアドビの「Photoshop Lightroom CC」を使ってみたが、処理の重さは単純にデータの大きさ(画素数)がそのまま反映されている。1600万画素程度であれば実用的だが、2400万画素以上となるとレスポンスが悪くなる。あらかじめプレビューを作成しておいて、それに対して処理を行うなど工夫をする必要がありそうだ。

続いて、パフォーマンスが必要な動画編集はどうだろうか?今回は、スマートフォンで撮影した4K30p(長さ1分10秒)の動画をペガシスの「TMPGEnc Video Mastering Works 6」で、H.264形式でx264によるエンコード、インテルのQSV(Quick Sync Video)を利用してのエンコード、出力をFHD(1920×1080ドット)にリサイズするエンコードを行った。
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古いデスクトップPCだがCore i7-2600と16GB RAMとの比較を行ったところ、4K出力においてはMateBookが40分、デスクトップPCが26分と性能差がそのまま現れた。

QSVによるエンコードではMateBookが2分58秒、デスクトップPCが3分7秒と逆転し、CPUの世代の差が出る結果となった。

FHDエンコードではMateBookが7分37秒、デスクトップPCが6分29秒と約1分差だ。8GBのRAMを搭載してるということもあり、QSV対応対応の動画編集ソフトを利用すれば一番時間が掛かるエンコード時間を短縮できる。これなら、外出先からでも数分の動画なら編集してYouTubeに投稿する、なんて使い方も可能だ。

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MateBook キーボードは、MateBook用の上品なカバーとして利用できるマストアイテムだ。とはいえ、キーボードにこだわりすぎたのか、MateBook キーボード単体の重さが約500gもあり、MateBook本体と合わせると約1.14Kgとなってしまう。
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そのこだわりのMateBook キーボードだが、キートップに硬さを持たせているため打鍵感がしっかりしている。キーピッチも広く窮屈で打ちづらいということはなかった。しかしながら、カバータイプであるため剛性感がなくたわむことが最初は気になってしまった。

これも慣れるとそうでもなくなるのだが、最初のうちはキーボードのたわみに合わせるべく、キーを正確に押そうとして必要以上にキーを押す力が入ってしまっていたようだ。
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もう一点、ファンクションキーがメディアコントロールキーとなっており、IMEの変換などでは「Fn」キー併用をする必要がある点が不便だと感じた。

タッチパッドは広くて使いやすい。マルチタッチにも対応しているのでWindows 10の様々なジェスチャー操作を利用可能だ。

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MatePenは、ペン先が柔らかく書きやすい。利用するソフトにもよるが、極端な遅延がなくごく普通に絵を描くことができた。また、MatePenがあればマイクロソフトの「OneNote」などの手書きメモなども使いやすい。

Windows 10には小さな文字表示のボタンがあるなど指によるタッチ操作向けではない部分もあるが、MatePenならこうした操作も問題なく行えるため、マウス代わりのデバイスとして重宝する。
123Windows Inkは定規など便利な機能が搭載されている

今年8月の「Windows 10 Anniversary Update」からは正式にペン機能をサポートされ、手書きによるメモが簡単に取れる「Windows Ink」など機能を持つようになった。MatePenは今後さらに使い道が増えるのではないだろうか。

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MateBook本体には充電端子を兼ねたUSB Type-C(USB 3.1)コネクタが1つだけあるのだが、そのコネクタを利用して外部ディスプレイやUSB機器などが接続できるMateDockが用意されている。
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MateDockにはGigabit EthernetポートとUSB 3.0のポートが2つ(1つは給電対応)、ACアダプターを接続するためのUSB Type-Cコネクタ、HDMI、VGAコネクタがある。

Wi-Fiでは速度が出ない、安定しないという場合などはGigabit Ethernetポートが役立つ。ベンチマークで比較してみたところ、テスト環境のWi-Fiルーター経由では下り25.70Mbps、上り27.39Mbpsと振るわなかったが、Gigabit Ethernet接続では下り315.67Mbps、上り662.37Mbpsと10倍以上の高速通信が可能となった。
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「Speedtest.net by Ookla」による速度計測、上がWi-Fi接続、下がGigabit Ethernet接続


MateDockはそのほか、プロジェクターにVGAで接続して、MatePen後部のレーザーポインタでプレゼンするなどビジネス用途にも応用可能だ。

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最後に指紋センサー機能について。外に持ち出して使う際に必須とも言えるWindows ログインのためのパスワード入力だが、MateBook右側面の指紋センサーにタッチするだけで面倒なパスワード入力をすることなく簡単にログインできる。指紋センサーなら公共の場での利用で気になるパスワードの盗み見ができないためセキュリティー的にも安心だ。
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現在ファーウェイオンラインストアでは期間限定のクリスマスセールを開催中で、MateBookとMateBook キーボードのセットが75,384円(税込)となっている。スペックはCPUがCore m3-6Y30、4GB RAM、128GB SSD。ビジネスにも使えるMateBookだが、年末年始の旅行のお供に、ネット動画を高画質・高音質で楽しめるオススメの1台だ。

記事執筆:mi2_303


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