iPhone 7・7 Plusで話題の「総務省指定」刻印について高市総務大臣が今後は画面表示のみも検討中とコメント



iPhone 7シリーズの「総務省指定」の記載は次機種以降では画面表示を検討中!

発売されたばかりのAppleの新しいスマートフォン(スマホ)「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」は防水・防塵やステレオスピーカー、新しいホームボタンなどに加え、日本向けモデルでは非接触IC機能「FeliCa」に対応し、決済サービス「Apple Pay」が10月より利用可能になる予定です。

これにより、これまでフィーチャーフォン(従来型携帯電話)やAndroidスマホなどの「おサイフケータイ」のように改札やレジでiPhone 7やiPhone 7 Plusをタッチするだけで決済できるようになります。一方でその影響で背面に「総務省指定」という刻印(型式指定の表示)が記載され、一部で見た目としてダサいなどと話題になっています。

そんな総務省指定刻印ですが、先日9月20日に行われた閣議後記者会見にて高市早苗総務大臣が型式指定の表示を画面表示できる制度の導入を検討しているとコメントしました。

 iPhone7に表示されている文字でございますが、これは、電波法に基づく表示でございます。iPhone7は、お財布ケータイのような機能に加えまして、スイカなどのICカードを読み書きする機能を持っています。これが電波法の技術的条件を満たしていることから、総務大臣がその型式を指定したものでございます。何ら問題のあるものではございません。
 ただ、現在、総務省では、「電波政策2020懇談会報告書」の御提言を踏まえまして、型式指定の表示をスマートフォンの画面で表示できる制度の導入について、現在、検討中でございます。

総務省|高市総務大臣閣議後記者会見の概要(平成28年9月20日)より

iPhone 7およびiPhone 7 Plusの背面に記載されている総務省指定の刻印は、それぞれFeliCaの通信が3mの距離に置いて電界強度が500μV/mより大きい場合の「誘導式読み書き通信設備(周波数13.56MHz)」に当たると見られるため、総務省から表示が義務付けられていることに従っていると思われます。

一方、フィーチャーフォンやAndroidでは型式指定の表示がなく、FeliCaマークのみのために500μV/m以下に該当するものと見られ、その場合は総務省から型式指定を受ける必要がなく、型式指定の表示も必要ありません。

Q. 誘導式読み書き通信設備(周波数13.56MHz)は免許などが必要ですか。

A. 無線設備から3mの距離において、その電界強度が500μV/m以下のものであれば免許はいりません。それ以外は総務省から型式指定を受ける必要があります。

よくあるご質問|TELEC 一般財団法人テレコムエンジニアリングセンターより

これに対し、閣議後記者会見にて高市総務大臣が総務省にて「電波政策2020懇談会報告書」における提言を踏まえて、型式指定の表示を画面表示(電子式表示)できる制度の導入について検討中していることを明らかにしています。

すでにiPhone 7およびiPhone 7 Plusも工事設計認証などのいわゆる「技適マーク」と一緒に型式指定の表示を電子表示していますが、現在の制度では本体にも表示する必要があるため、本体背面にも刻印されたものと見られます。

そもそもiPhoneもAndroidなどと同様に500μV/m以下であれば表示義務はないわけですが、非接触IC機能のチップ自体は海外版も日本版も同じ「NFC Type A/B/F」に対応した部品となっており、世界共通仕様にするに当たって出力が大きくなっているのかもしれません。

NFC Forumでは来年にもNFC Type FとNFC Type A/Bの仕様の共通化も予定しており、そうなるとAndroidでも500μV/mを超えるようになってくるかもしれませんし、できれば早急に画面表示でOKな制度にして欲しいところです。

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記事執筆:memn0ck


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