絵師たちよ、いま外出のとき「VAIO Z Canvas」ではかどる資料収集と楽々お絵かき体験


2月半ばに『「私は帰ってきた!!」新生VAIOの第1弾パソコン発表─「VAIO Z」「VAIO Z Canvas」』という記事で紹介した。タブレット「VAIO Z Canvas」を実機を入手し、使い倒すことができたので紹介しよう。

実際に使ってみて大きく違うと実感できたのは「デスク作業からの解放」だ。カメラと一緒に持ち出すもよし、単体でスケッチブック代わりに使ってみるもよし、まさに使い方は無限大と言える。

2月16日の発表会での言葉。

2月16日の発表会での言葉。

1.圧倒的なレスポンスを持つ「道具」
2.一日中、どこでも完璧な仕事ができる「道具」
3.ユーザーの新たな可能性に応えられる「道具」

上記は発表会で「VAIO Z」に対して述べられた言葉だが、筆者はVAIO Z Canvas(以下、VAIO)にも同じ事がいえるのではないかと実機をいじり倒してから感じた。

まず使ってみた感想は、「何これ、液タブ(液晶ペンタブレットのこと)とノートPCが一緒になったみたい!」だ。専用スタイラスペンのレスポンスも早いし、Adobe CCシリーズやCLIP STUDIOといったタッチパッドによるジェスチャ対応製品なら、二本指でのズームイン・アウトやキャンバスの回転も可能なため、完全にキーボードから手を離した状態でも作業ができる。

■便利ボタンがついたスケッチブックとして使ってみる

Maruman製のLサイズ (356X268mm)クロッキー帳と大きさを比べてみた。どちらもB4サイズのかばんに収まる

Maruman製のLサイズ (356X268mm)クロッキー帳と大きさを比べてみた。どちらもB4サイズのかばんに収まる


筆者所有の12インチ Macbook Proと比べる。大体同じ大きさで、重量もほぼ同じだがパフォーマンスはVAIOが優れている

筆者所有の12インチ Macbook Proと比べる。大体同じ大きさで、重量もほぼ同じだがパフォーマンスはVAIOが優れている

筆者が常用しているクロッキー帳のかわりにVAIOを使ってみた。この場合のVAIOが優れている最大の点は「戻る」ボタンがあることと、線画から彩色までがVAIOひとつで完結していることだ。

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外に出てVAIOで写生。写真を探して資料にするのもいいが、外に出て実物をそのまま描いてみるのも新鮮で楽しい

外に出てVAIOで写生。写真を探して資料にするのもいいが、外に出て実物をそのまま描いてみるのも新鮮で楽しい

紙と鉛筆ならではの質感や描き心地は当然ないものの、背景やキャラクターまで全てデジタルで絵を完成させるなら問題ないだろう。何かネタが思い付いたり、写真を撮りたくなったらすぐにVAIOひとつでメモを取り、写真を撮れるのがうれしい。

先ほど述べたように最大の利点は「戻る」ボタンがあること。線をミスしたり、気に入らない線をよく消す筆者からしてみれば、とても嬉しい。写真のように抱えた状態での作業も、どこかに座って膝に置いた状態での作業にも対応できる。ただ重量が通常のノートPCとほぼ同じであるため、長時間保持して作業するのは難しいだろう。サンワ製タブレットケースのように首や肩から提げられるケースが欲しいかも。あるとさらに持ち運びが便利になりそうだ。

■寝ても座ってもハイクオリティなお絵描きが可能
おそらく、BAMBOOやintuos、Cintiqといったペンタブレットや液晶ペンタブレットのユーザーのほとんどが、どこかに座った状態で作業をしているだろう。

しかし、あまり長く座っているとだんだん飽きてきたり、疲れてしまうこともしばしば。ちょっとゴロ寝して操作したい時、ペンタブではPCの画面が見えなくなるし、液晶ペンタブではそもそも重量的な問題で持ち運びが面倒くさい。

そんなときでもVAIOがあれば、ゴロ寝しようが床にあぐらをかこうが自由に作業ができる。

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VAIOを使っているとき、筆者が実際にとった姿勢

VAIOを使っているとき、筆者が実際にとった姿勢

寝ながらの作業はともかく、机に直接置いての作業は紙での作業に似た感覚があって作業しやすかった。VAIO本体裏側にはスタンドが付いており、これを立てればノートPCのようにも使える。

スタンドは耐久性に優れる上に微妙な傾きも調整できる。まずは一度スタンドを完全に立て、そこから少しずつ傾けていく。自分の描きやすい高さ、傾きに合わせて調整でき、本体を持ち上げるとスタンドが元の全開状態に戻る。

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スタンドを立てて、少しずつ押し込むようにして傾きを調整する

スタンドを立てて、少しずつ押し込むようにして傾きを調整する

右上(画像左)のタッチ機能切り替え、左上(画像右)のショートカットキー表示切り替えボタン。必要になったらすぐアクセスできる場所にあり、「Ctrl+z」をキーボードまで探しに行く時間も惜しい〆切前にはとてもうれしい

右上(画像左)のタッチ機能切り替え、左上(画像右)のショートカットキー表示切り替えボタン。必要になったらすぐアクセスできる場所にあり、「Ctrl+z」をキーボードまで探しに行く時間も惜しい〆切前にはとてもうれしい

本体上部に付いているこのボタンたち、押しながら使ってみるとなかなか有用だ。右手をいつも画面に付けて作業するために、起きてしまう誤タッチを防げたり、使いたいショートカットキーを登録しておけたりと、かゆいところに手が届く便利さだ。

本体との接続はワイヤレスで行われる。使わないときには合体させれば自動で給電してくれる。キーボードと本体は内臓の磁石でピタッとくっつくぞ。またキーボードにはmicroUSBのコネクタがあるので、独立給電も可能だ。

本体との接続はワイヤレスで行われる。使わないときには合体させれば自動で給電してくれる。キーボードと本体は内臓の磁石でピタッとくっつくぞ。またキーボードにはmicroUSBのコネクタがあるので、独立給電も可能だ

キーボードについてだが、本体と完全に分離させられるため、片膝に本体、もう片方にキーボードを置いたり、机の手前と奥に本体とキーボードを置いてみたりと、作業中の机のレイアウトも自由自在。ショートカットキーを押すのに楽な置き方を探す楽しみもある。キーボードのバッテリーも長持ちするので長時間動作も余裕でこなす。

本体との接続はワイヤレスで行われる。使わないときには合体させれば自動で給電してくれる。キーボードと本体は内蔵マグネット脱着が可能。またキーボードにはmicroUSBのコネクタがあるので、独立給電も可能だ。

■ペンと画面の相性は?実際に一枚描いてみた
専用スタイラスペンを画面に走らせる。レスポンスが良く、誤動作は使用中には見られなかった

専用スタイラスペンを画面に走らせる。レスポンスが良く、誤動作は使用中には見られなかった

さて、ここまで使用する場所との関係について述べてきたが、実際の使用感も述べておかねばということで感想だ。実は筆者、液晶ペンタブやペンタブ、iPadを使用したことはあるものの、実際にタブレットPCと呼ばれるものに触れたのは、今回が初めてだ。

二本指でズーム機能を使ったり、キャンバスを回転させてみる

二本指でズーム機能を使ったり、キャンバスを回転させてみる

しかしいざ使ってみるとあら不思議、直感的な操作ができるし、紙に直接描いているような感じがした。ディスプレイ表面がツルツルしていてペンが滑りやすいと感じたが、これは好みの分かれるところだと思う。

筆者はもう少し滑りにくいマットな質感が好みだ。液晶についた指紋が気になるユーザー向けに純正で保護フィルムの販売があるとうれしい。

CLIP STUDIO PROを使用して一枚描いてみた。何十枚とレイヤーを重ねているが、読み込みと保存の速度も速く、描画処理もしっかり追いついてくれる

CLIP STUDIO PROを使用して一枚描いてみた。何十枚とレイヤーを重ねているが、読み込みと保存の速度も速く、描画処理もしっかり追いついてくれる

さすがにメモリーをぎりぎりまで圧迫するような使い方(複数アプリの起動)をするとパフォーマンスは落ちるものの、資料収集のためのWebブラウジングとAdobe Illustrater、CLIP STUDIOていどの起動であれば快適に動作していた。

「VAIO」の文字が映えるスタイラスペン。表面はマットで手に吸い付くような感じ

「VAIO」の文字が映えるスタイラスペン。表面はマットで手に吸い付くような感じ

スタイラスペンは細身で握りやすく、ペン先も硬さが2種類ある。VAIO側の設定で機能を変更できる2つのボタンは、親指で押すと使いやすい。重さは電池込みで約20gと軽すぎず、重すぎず数時間使い続けても手が疲れにくい。

VAIO自身が「モンスター」と呼んだこのマシンだが、今年5月の発売に向けてさらなるブラッシュアップを重ねているとのこと。価格は20万円台後半を見込んでおり、メモリや内臓SSDのカスタムも可能。Irisグラフィックスを搭載した画面は優しく豊かな発色で目に優しい。いままで液晶ペンタブの購入を考えていた筆者だが、VAIOの魅力に惹かれて購入を検討中。新生VAIOが、このマシンと共にどのような発展を遂げるのか、目が離せない。

(記者:今藤祐馬)

※本記事は通常記事です※
■VAIO Z Canvas
■VAIO株式会社

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