安心・安全がスマホの未来を開く!京セラがau向け初の子ども向け「miraie」とシニア向け「BASIO」のスマホについて商品説明会を開催【レポート】
子供にとって安全で便利なスマートフォンとは何か |
京セラは2月23日、au向けに発売しているスマートフォン「miraie(ミライエ)」と「BASIO(ベイシオ)」の2機種について、都内の事業所にて商品説明会を開催しました。
シニア層や小中学生を対象としたスマートフォンの分野ではドコモやソフトバンクがいち早く対応機種を発売し一定の需要を得てきた中、auは若干出遅れた感がありましたが、この冬に発売したmiraieとBASIOで各社に並んだ形となります。
端末開発を担当した京セラは、以前からシニア向けのスマートフォンとして高級感のある「URBANO(アルバーノ)」シリーズを手掛けており、シニア向けの独自UIの実装なども早くから取り込んできたメーカーであるため、今回の端末開発はごく自然な流れとも思えます。miraieやBASIOの開発にはどのような経緯や意図があったのでしょうか。
◯子供のスマホ利用は不可避。だからこそ安全な環境を提供したい
京セラの資料によれば、現在小学校高学年が携帯電話を持っている割合は約4割弱から5割弱程度で、更にそのうちスマートフォンを利用している割合は約2割から3割程度となっており、小学生がスマートフォンを所有する割合はその是非にかかわらず年々増加しているのが実状です。
一般的にもスマートフォンの利用増加に伴い、ゲームの遊びすぎなどの端末依存やSNSでのトラブル、個人情報の漏洩など様々な問題が起きていますが、これらの現象が小学生の間などにも起きつつあるのが現状です。
これらのトラブルから子供を守るため、スマートフォンの利用時間を制限したり、家族や学校などでスマートフォンの正しい使い方を子供と話し合いながら考えていくという取り組みが行われ一定の効果を挙げていますが、メーカーやキャリア側からも更にアプローチする必要があると考えて作られたのがmiraieです。
miraieでは有害サイトへのアクセス制限やauスマートパスのアプリ利用には保護者の承認を必要とするなど、様々なセーフティを用意。更に電話帳に掲載されていない人からの電話やメールをブロックする「電話帳制限」やスマートフォンそのものの利用時間も制限するなど、より強力な利用制限も可能です。
またmiraieではスマートフォンの「使い方」にも安全への配慮が行われているのが特徴です。
「うざい」や「死ね」など、人とのコミュニケーションを取る上で相応しくない言葉をメールやSNSで入力すると端末側が「ちょっとまって!」と入力に注意を促す「あんしん文字入力」機能を搭載。これらの言葉が利用された場合履歴が残るようになっており、親がチェックを行うことも可能になっています。
このほか、昨今問題となっている「歩きスマホ」についても端末側が検知して注意を促す機能が盛り込まれたり、フィーチャーフォン時代にも子供向けケータイなどに採用されていた防犯ブザー機能は更に進化し、防犯ブザーを作動させるとカメラが自動的に写真を撮影し位置情報と共に親へ発信する機能が搭載されるなど、多機能なスマートフォンらしいセキュリティ性能も特徴となっています。
端末自体の頑丈さも子供向け端末では重要な要素です。京セラはこれまでにもURBANOシリーズなどで高い対衝撃性能をアピールしてきましたが、miraieでも同社の技術を存分に発揮。ディスプレイガラスには割れにくい強化ガラス「Dragontrail X」を採用し、ベゼル部分を高くすることで万が一落とした場合などでもディスプレイガラスが直接床などに当たるのを防いでいます。
また本体側面は僅かに盛り上がったプラスチック製のバンパー構造となっており、ここでも落下時の故障を極力防ぐ設計がなされています。
子供にスマートフォンを使わせないという選択肢も当然ありますが、社会にスマートフォンが普及し、子供たちの世界にもスマートフォンが浸透していくことはもはや不可避となっています。そのような中で、メーカーとして何が出来るのか、キャリアとして何を提供できるのかという部分に、このmiraieは真摯に取り組んでいるように思えます。
◯利用者の立場に立ったら汎用性よりも利便性が採用された
一方、BASIOが目指すのはシニア層へのスマートフォンの普及です。
前述したように、京セラはこれまでにもスマートフォンの操作に慣れていないシニア層に向けたホームUIなどを開発してきました。端末自体も極力シンプルでベーシックな設計としながら、URBANOシリーズなどではデザイン面でも高級感を出すことで常に一定の評価を得てきました。BASIOはそういった流れを更に明確にし、より安全で使いやすく特化させた端末といえます。
BASIOで最も特徴的なのは正面下部に配置されたハードキーです。
一般的なAndroid搭載スマートフォンの場合、ここには左から「戻る」キー、「ホーム」キー、「マルチタスク」キーが配置されていますが、BASIOでは汎用性よりも利便性を重視して「電話」キー、「ホーム」キー、「メール」キーが配置されています。
敢えて一般的な仕様を捨て、スマートフォンに慣れていないシニア層が使いやすい端末に特化しているのが同社のURBANOシリーズなどとの差別化としても非常に面白い点といえます。
これらのキーは電話やメールなどの着信があると光って知らせてくれる機能があるほか、端末がスリープ状態であっても電話キーを押すだけでロック画面の解除などを必要とせずに電話が利用できるなど、使いやすさでもこだわりが見えます。
またアプリでも「ウェブブラウザ」といった言葉に馴染みのないシニア層でも分かりやすいように「インターネット」と書き直されるなど、一般的な仕様ではなく利便性を最優先させているのが分かります。
miraie同様、強化ガラスの採用や耐衝撃性を高めた筐体デザインを採用しているのはもはや同社のお家芸。防水・防塵といった性能も含め、頑丈で壊れないというのも安心への取り組みの1つといえます。
◯「たまたまです」の言葉の裏
子供向けとシニア向けという両極端な端末がほぼ同時に発売されたことについて、京セラは「たまたまです。技術やサービスが整った結果」だと説明しますが、確かに他キャリアの同様の端末と比較してもサービスの深さや多機能さ、端末の完成度などは高いように思えます。
特にmiraieに搭載された数々の制限機能は、全てを使用した場合非常に強固な監視端末となりますが、これらの機能は管理者(子供の保護者など)によって段階的に解除が可能であるため、子供の成長や理解度に合わせた利用が出来る点は見逃せません。
京セラは「親子が一緒にスマホの使い方を学ぶ機会の提供」という言葉をキーワードにmiraieの商品説明を行いましたが、ネットリテラシーやスマホを利用するマナーについて大人の社会でも問題化して久しい昨今、大人も子供と一緒にその利用方法について考えていけるような端末に仕上げてきたことには大きな意味があるのではないでしょうか。
またBASIOについてもただホームUIを見やすく変更しただけというものではなく、ハードから設計を見直すという大胆さがとても印象的です。汎用的な仕様を捨てることは、ともすれば利用者のスマートフォン離れすらも起こしかねない難しい判断ですが、敢えてその大胆な変更に踏み切った同社の本気度は、少なくとも「たまたま」といった偶然的ものではないように感じます。
記事執筆:あるかでぃあ
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