メタリックカラーでイメージを一新!機能美を追求したau向けVoLTE対応スマホ「INFOBAR A03」を写真と動画でチェック【レポート】


6代目INFOBARが目指したデザインとは?

既報の通り、KDDIおよび沖縄セルラーは19日、2015年春に発売予定の新モデルなどを披露する「au発表会 2015 Spring」を開催し、Android 4.4(開発コード名:KitKat)を採用したau向けスマートフォン「INFOBAR A03」(京セラ製)を発表しました。発売時期は2015年2月中旬以降順次を予定しています。

INFOBARと言えばフィーチャーフォン(ケータイ)時代に"デザインケータイ"の先駆けとして登場し、それまで道具としての価値のみが重要視されていた携帯電話にファッションとしての付加価値を与えるきっかけとなったシリーズで、これまでにフィーチャーフォンでは2機種、スマートフォンでは3機種が発売されました。

スマートフォンでの初代は「INFOBAR A01」で、初代のイメージを引き継いだ3色の物理キーと、直感的な操作を目指した独特のホームUI「iida UI」が話題となりました。スマートフォンでの2代目「INFOBAR C01」はINFOBARのコンセプトモデル(プロトデザイン)やその思想を最も強く反映したテンキー配置と縦長の本体が特徴。そして、3代目「INFOBAR A02」は正面の物理キーを廃し、「INFOBARらしからぬ」普通のスマートフォン的なデザインと、さらに進化・発展させたホームUI「iida UI 2.0」がシリーズの成熟を感じさせました。

スマートフォンシリーズの第4弾となる今度のINFOBAR A03は果たしてどのような進化と驚きを見せてくれるのでしょうか。INFOBAR A03の実機に発表会会場のタッチ&トライコーナーで触れる機会がありましたので、写真と動画とともに紹介します。

今回のINFOBARの最大の特徴はメタリックカラーです。

これまでINFOBARシリーズにはソリッドカラーと呼ばれる単色塗装が施されていました。ベタっとした単色によるタイルパターンは視覚的なインパクトが強く、携帯電話をデザインアイテムだと認識させるには十分な効果がありましたが、今回の6代目にしてついにその殻を破ったことになります。

これは携帯電話におけるデザインの持つ価値が特別なものではなく普遍的なものへと変化し、定着したことを示すのではないでしょうか。

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初代から6代目までのINFOBARが勢ぞろい!


本体カラーはINFOBARの代表的なカラーリングであもる赤が基調の「NISHIKIGOI」、青が基調の「POOL」、茶が基調の「MOCHA BROWN」、ピンクが基調の「SAKURA IRO」の4色。いずれもメタリックカラーとなっており、キラキラと輝く本体がこれまでのINFOBARとは一味違う次世代感を演出しています。

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ディスプレイの大きなスマートフォンでカラーリングの特徴を出すのはとても難しい


このメタリックカラーの基本となっているのはアルマイト処理と呼ばれるアルミニウム合金の酸化処理によるもの。いわゆる一般的な塗装と違い衝撃や摩擦などによって剥げる心配がないため、スマートフォンのような日常的に使用する製品にはとても向いている加色処理と言えます。有名なところでは「iPhone 6」などの本体にも使用されています。

このアルマイト処理による加色であるためにメタリックな光沢が生まれていることから、今回のINFOBARのカラーコンセプトが決定している訳ですが、そういった点からもデザインが単なる飾りではなく、製品の高耐久性や日常利用への高順応性を追求した結果であり、機能美の集大成と言えるでしょう。

なお、アルマイト処理が施されているのは背面中央のアルミニウム合金「GM55」を採用したパネルとなっており、上下のパーツや正面のキーなどは塗装によるもの。アルマイト処理と寸分違わぬ色を再現するのは至難の業だったとのことです。

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正面。端末上下に見えるトリコロールカラーとiida UIの存在がスマートフォン世代のINFOBARを特徴付けている


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背面。カメラやFelicaポートの部分のみ黒い。上下のパーツが樹脂製なのはアンテナなどを格納しているため


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下面にあるmicroUSB端子はキャップレス防水に。日常利用の利便性が向上した


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上面のイヤホンジャックもキャップレス防水


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左側面。microSDスロットやSIMスロット(nanoSIMカードサイズ)などはこちらにある


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右側面。右端に見えるのが電源キー。その隣のバーが音量調節キー


通算5代目、スマートフォンでは3代目である前作のINFOBAR A02では正面すべてをディスプレイとしたために3色に塗り分けられたキーが廃され、INFOBARらしさがなくなってしまったと嘆いていた人も少なくなかったということですが、今回、そのキーが静電容量式タッチセンサーキーとして復活しました。

丸く盛り上がった物理キーではないのが若干残念ですが、INFOBARを"INFOBAR"として認識させるには十分なデザイン性です。使用感も非常によく、ディスプレイにホームキーなどを表示させずに済むため、画面を大きく使用できるというメリットも復活しました。

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キーは触れると振動する


また今回のINFOBARの特徴となっているのが本体を包み込んでいるラウンドデザインです。

側面や上下面のRは美しい半円を描いており、一般的な楕円のラウンドデザインとは若干趣が違います。この綺麗な半円を生み出すためにディスプレイガラスと側面部分の樹脂は一体成型となっており、ディスプレイ面から背面までほとんど凹凸のない曲面となっています。

しかしここからがデザインのこだわり。単なる平面と半円の組み合わせではディスプレイ面を下にしてテーブルなどに置いた際にディスプレイが直接設置面となってしまうため、傷が付いたり時には割れたりしやすくなりますが、それを避けるために正面上下のパーツは0.2mmだけ盛り上がった成型となっています。

このわずか0.2mmによってディスプレイは直接設置されることを回避でき、万が一の落下などでも破損の危険性を下げているのです。

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側面及び角のRは大型化するスマートフォンを持ちやすくするというメリットもある


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本体上部の拡大写真。わずかにディスプレイ面の先端が盛り上がっているのが分かるだろうか


今回のINFOBAR A03のディスプレイは4.5インチフルHD(1080×1920ドット)液晶パネルが採用されています。前世代のINFOBAR A02では4.7インチ液晶を採用していたため、若干のサイズダウンということになりますが、この点については「女性ユーザーから大きく持ちづらい」という声が多く寄せられた(説明員)ことへの対応のようです。

端末の横幅を比較しても、INFOBAR A02が70mmなのに対してINFOBAR A03は68mmとわずかに小さくなっています。たった2mmの違いですが実際に手にとって見ると側面の丸みもありかなり手に馴染む雰囲気。

とはいえ、大きな画面が良いという声も当然少なくないため、ディスプレイサイズと本体の持ちやすさに関わる問題はまだまだ答えを模索している様子が伺えます。

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iPhone 6とのサイズ比較。iPhone 6が4.7インチ画面の横幅67mm、INFOBAR A03が4.5インチ画面の横幅68mm


iida UIも進化しています。INFOBAR A01で始めて採用されたタイルタイプのUI「iida UI」は、ホーム画面そのものがインフォメーションガジェットの集合体となる独特のデザインで、INFOBAR A02で採用された「iida UI 2.0」で柔らかなアニメーション効果なども追加され、機能性以外の特徴をより強める方向でアップデートされました。

今回採用されているUIではバージョン名が消え「iida UI」のみの表記に。2.0で採用されたアニメーション効果などは抑えられ、スッキリとした初代のイメージへ回帰。一方でアイコン配置のカスタマイズなどをより分かりやすくするなどの改良が加えられ、こちらも本体デザイン同様に機能美を追求したアップデートとなっています。

こちらの解説などは動画にてご覧ください。


【S-MAX】 INFOBAR A03 タッチ&トライ 【au発表会 2015 Spring】


INFOBAR A03の発売に合わせ、周辺アクセサリーやさまざまなイベントも企画しています。

まず、2015年2月11日から16日まで、auと伊勢丹新宿とのコラボ企画「DIGITAL LIFESTYLE 2015 TOKYO」が開催されます。こちらのイベントではファッションブランド「MUVEIL」とのコラボアクセサリーなどが販売されるほか、ウォルナット材を用いた充電スタンドやmina perhonen製作によるブックタイプケースなどをセットにした「au×ISETAN INFOBAR Special Package」も数量限定にて販売されます。

イベントではスマートフォンを利用したバーチャルリアリティ体験ができる「ハコスコ」を用いた企画やプレゼントがもらえるウォークラリーキャンペーンなども実施。デザイン重視の製品に重点を置くauらしい取り組みと言えます。

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ウォルナット製ウッドスタンドとmina perhonen製作によるブックタイプケース


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“MUVEILおばさん”の愛称で親しまれるMUVEILのグランマチャームもコラボ仕様に


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おばさんが持っているのはINFOBARかな?


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手軽にVR体験ができる「ハコスコ」


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このように覗き込むとスマホの画面に映し出されたバーチャル空間が目の前に広がる


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こちらは一般販売仕様のブックタイプケースとボールペンつきタッチペン


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デザインケースなども一般販売される


INFOBARは携帯電話の進化とともに生まれ、発展してきました。元々は「au design project(adp)」のコンセプトの1つであったものが、今や1つのブランドとして確立して認知されるまでになっています。

スマートフォンの性能向上とOSの成熟はすでに1〜2年前から必要十分な領域に達しており、いかに他製品と差別化するのかという非常に厳しい課題を突きつけられる中、あえてそのデザインコンセプトに変化を持たせたINFOBARのチャレンジは非常に野心的でもあり、機能美を追求する姿勢はインダストリアルデザインが持つ本来の意味を再確認させるもののようにも感じます。

携帯電話にファッション性を喚起したブランドの行き着いた先が、道具としての携帯電話の再確認だったというのはとても興味深いところです。

記事執筆:あるかでぃあ


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