UQコミュニケーションズが下り最大220MbpsのWiMAX 2+対応″ヤ倍速″な製品などの発表会を開催!ノーリミットを継承する″ギガ放題″と合わせてモバイルに「ギガヤバ革命」を【レポート】



UQが下り最大220Mbpsを3月に開始!CAと4×4 MIMOの「ヤ倍速」と使い放題の「ギガ放題」で「ギガヤバ革命」を

UQコミュニケーションズ(以下、UQ)は15日、高速通信サービス「WiMAX 2+」(TD-LTE方式互換)に対応した新サービスおよび新商品を披露する「WiMAX 2+ 新サービス・新デバイス発表会」を開催し、下り最大220Mbpsに対応したモバイルWi-Fiルーター2機種と、据置型でははじめてWiMAX 2+に対応した下り最大110Mbpsのルーター1機種、WiMAX 2+用新料金プラン「UQ Flat ツープラス ギガ放題」などを発表した。

発表会には同社代表取締役社長の野坂章雄氏が登壇し、新しく発表された新サービスや新デバイスのほか、現在のモバイルデータ通信サービス市場の課題とこれまでのUQのテーマである「ノーリミット」の継承、さらには今後のUQのエリアや高速化の計画などが語られた。

ここでは発表会のプレゼンテーション(プレゼン)および質疑応答の模様を写真を交えて紹介する。

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UQの野坂氏。UQ社長としては現KDDI代表取締役社長の田中孝司氏に続く2代目


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プレゼンの題目。まずはこれまでのUQから


野坂氏は冒頭「今年は戦後70年。当時は50bitしか扱えなかったが、現在は個人が50bitではなく、1Gbyteを気楽に持ち出せるような時代が近づいてきた。UQのコンセプトはこのような大容量の通信を気軽に持ち歩くことにある。」と紹介し、本日のトピックスを示した。

まずはこれまでのUQを振り返りながら、現在のモバイル市場における課題について説明し、野坂氏は「UQでは2009年に40Mbpsでモバイル実現し、画期的な"ノーリミット"の使い放題によるサービスを6年間行ってきた。これはモバイル市場をリードしてきたという自負がある。また、料金も月額3,696円で提供し、今やこの価格はモバイルデータ通信サービスのベンチマーク(基準)となっている。」とした。

続けて同氏は「一昨年、新しく20MHzをもらいまた、1年前に下り最大110MbpsのWiMAX 2+を開始した。現在は日本国内のモバイルデータ通信市場でシェアが50%を超えており、2年連続で顧客満足度No.1をもらっている(J.D. パワー、オリコン、RBB TODAY)。」と紹介した。

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さらにモバイル市場全体としては「2014年前半は新しい料金プランが携帯電話から発表された。細かくは違うが、大体1GBで1,000円くらい。超過したら追加チャージするという仕組みだ。なんとかこれらのデータ通信量制限を開放したいと思った。また、2014年後半は格安のMVNO(仮想移動体通信事業者)が増え、非常に安いが、ただし、1GBとか2GBとなっており、データ量が少ない。使い放題も登場してきているが、速度制限があったり、速度が十分でなかったりする。これらの速度制限から開放したい。一方、固定通信の光ファイバーは家の中でしか使えない、引っ越してもすぐに使えない、コードが邪魔といった問題がある。配線といったものから開放したい。」といった問題を指摘し、現状、モバイルではさまざまな制約があり、それらの"ストレス"から開放したいという思いが強いとした。

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野坂氏はここで新しい取り組みとして「『Gbps』と『GB』を実現するサービスを提供する『ギガヤバ革命』を開始する。」ことが紹介された。

まず、キャリアアグリゲーション(CA)を導入する。20MHzと20MHzを束ねて下り最大220Mbpsを実現する。

さらにモバイルでは世界初でUQが商用化する4×4 MIMOも導入する。これまでもマルチアンテナ技術では2×2 MIMOが導入されていたが、4×4 MIMOは送信側(基地局)と受信側(デバイス)にそれぞれ4本ずつのアンテナが必要であり、野坂氏は「膨大な演算量を最適化や1チップ化、4本のアンテナ実装などが必要なため、デバイスの開発が非常に難しい。」と語り、今回、NECプラットフォームズが高い技術ハードルを克服して開発したということだ。

なお、WiMAX 2+のCA対応に伴い、現在提供しているデータ通信サービス「WiMAX」は現在の下り最大40Mbpsから下り最大13.3Mbpsに来春より順次切り替わるとしています。

サービスWiMAX 2+WiMAX
CA対応エリア
(来春以降)
帯域幅40MHz(20MHz+20MHz)
下り最大220Mbps
上り最大10Mbps
帯域幅10MHz
下り最大13.3Mbps
上り最大10.2Mbps
現行エリア帯域幅20MHz
下り最大110Mbps
上り最大10Mbps
帯域幅30MHz
下り最大40Mbps
上り最大15.4Mbps


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新商品のヤ倍速に対応したモバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W01」と「Speed Wi-Fi NEXT WX01」の2機種、ヤ倍速には非対応ながらWiMAX 2+としては初の据置型Wi-Fiルーター「URoad-Home2+」が発表された。これらの3機種については個別に記事を公開しているので以下を参照して欲しい。なお、モバイルWi-FiルーターのSpeed Wi-Fi NEXTの2製品は価格が公式Webストア「UQ WiMAXオンランショップ」では2年契約の「UQ Flat ツープラス」もしくは「UQ Flat ツープラス ギガ放題」に加入しておトク割提供時で単体で2,800円(税抜)、クレードルセットで4,800円(税抜)、URoad-Home2+は同じ条件で価格が2,800円(税抜)。

UQコミュニケーションズ、WiMAX 2+のCA対応モバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W01」を発表!1月30日発売ながら下り最大220Mbpsは3月のファームアップで利用可能に - S-MAX
UQコミュニケーションズ、世界初の4×4 MIMO対応モバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT WX01」を発表!CA非対応ながらWiMAX 2+で下り最大220Mbpsを実現 - S-MAX
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これらのWiMAX 2+に対応した新料金プラン「UQ Flat ツープラス ギガ放題」を導入することが発表され、利用料は月額4,380円、月当たりのデータ通信量上限はなしの"ノーリミット"だという。なお、4,380円は2年契約時で、基本料金が月額5,880円、2年契約による割引が-1,000円/月、さらにおトク割が-500円/月(2年契約時のみ)となり、実際は2年契約にて4,380円となる。価格はすべて税込表示とする。

また、旧来のUQ Flat ツープラスも月当たり7GB制限が付き、月額3,969円で提供を続け、UQ Flat ツープラス ギガ放題ははじめの3ヶ月は月額3,696円で提供され、その後も両方のプランを行ったり来たりできるとのこと。ただし、変更は翌月適用となるため、月ごとにプランを変更するようなイメージとなる。

なお、料金プランについては「UQコミュニケーションズ、WiMAX 2+対応の新料金プラン「UQ Flat ツープラス ギガ放題」を2月20日に提供開始!月間通信量上限のない"ノーリミット"で月額4380円に -S-MAX」に詳しくまとめたので参照して欲しい。

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キャンペーンも拡充される。まず、昨年11月から実施されている既存の「WiMAX」からWiMAX 2+への乗り換えを促進する「WiMAX 2+史上最大のタダ替え大作戦」についてSpeed Wi-Fi NEXT W01やSpeed Wi-Fi NEXT WX01、URoad-Home2+も対象となる。

さらに2015年2月19日(木)までに購入して、UQ Flat ツープラスに加入すると、2月20日以降にUQ Flat ツープラス ギガ放題にプランを変えても2年間使い放題で月額3,696円(税抜)で利用できる「W01先行予約キャンペーンも実施される。

その他、W01がWiMAXに対応しないため、当初、WiMAX 2+のエリアが十分でないこともあるとし、W01ではau回線による「4G LTE」に対応した「ハイスピードプラスエリアモード」を利用するための「LTEオプション」の月額1,005円(税抜)も2015年5月末まで無料で利用可能だ。

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UQがこうまでしてWiMAXからWiMAX 2+へ移行を促すのは将来的に完全にWiMAXで利用している周波数帯をWiMAX 2+で利用したいためだ。そのために"お引っ越しプログラム"を提供している。これはUQだけのためではなく、WiMAXやWiMAX 2+を利用するユーザーにもメリットがある。野坂氏はプレゼンの中で何度か高速道路に例えてWiMAXおよびWiMAX 2+の仕組みを紹介していた。

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ここまで説明した野坂氏は「『ヤ倍速』と『ギガ放題』で決まり。」と明言した。最後に、WiMAX 2+のエリアについて説明し、「現在、WiMAX 2+対応基地局を約20000局設置しており、今年3月末までに約22000局まで設置する予定。これにより、WiMAXと同等のカバーエリアになる計画で、ようやく全国エリアという意味では完成かなと思っている。」とし、さらに質疑応答では「次のステップは30000万局で、今後1年以上かけてさらなるエリア拡大や屋内・地下などに対応していく。」とした。

また「ヤ倍速のうち4×4 MIMOは3月開始し、エリアは一気に全国対応する。これまでも4×4 MIMO対応基地局を設置してきた。」とのこと。さらに「CA対応エリアは全国順次エリア化。2015年2月12日からCA基地局化開始。」ということだ。

エリアおよび今後の高速化計画についても「UQコミュニケーションズ、下り最大220Mbpsに対応したWiMAX 2+の「ヤ倍速」を3月より提供!4×4 MIMOは3月に全国で、CAは2月12日に栃木県から順次エリア化ーー2016年には440Mbpsも - S-MAX」に詳細をまとめたので参照して欲しい。

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栃木県真岡市周辺からCA対応基地局を導入予定。2015年2月12日より。栃木県在住者のみが応募できるパイロットモニター( http://www.uqwimax.jp/220monitor )を実施。応募期間は2015年1月16日(金)10時から2月9日(月)まで、モニター期間は2015年2月下旬〜3月31日(火)まで。詳細は「UQコミュニケーションズ、WiMAX 2+におけるキャリアアグリゲーションを用いた下り最大220Mbpsを先行で試せるパイロットモニターを実施!2月下旬から栃木県在住の抽選で50名のみ - S-MAX」にまとめている。

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最後にUQのキャラクターを務めるガチャピンとムックが登場し、「ヤ倍速×ギガ放題=ギガヤバ革命」をアピールし、ガチャピンが着ていた服に既存の110Mbpsを示す"110"と書かれていたが、会場で生着替えをし、220Mbpsを示す"220"と書かれたものになった。

220に着替えたガチャピンとムック、野坂社長の3人でフォトセッションが行われ、その後、質疑応答が行われた。なお、質疑応答では野坂氏のほか、執行役員技術部門長の要海敏和氏も加わった。

質疑応答では先日、NTTドコモが撤廃した「直近3日間で1GB」の制限について問われたのに対し、直近3日間で3GB以上の通信をした場合には速度制限を実施することもあると回答。しかしながら、制限された場合でも動画視聴などができる程度(目安として700kbps以上)の制限となるという。

この他、以前にWiMAXのときに販売していたWiMAX内蔵パソコン(PC)のような製品を出すことはないのかといった質問には「いつ出るといった詳細はまだ言えない。」としながらも「あるベンダー(メーカー)と交渉中」であることが示された。

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記事執筆:S-MAX編集部
写真撮影:2106bpm


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