自前のSIMをそのまま流用し、海外で現地SIMとして利用できる「KnowRoaming」【デジ通】


海外でスマートフォンを利用する際、なるべく通信費を安く上げたいのであれば、プリペイド式などの現地のSIMカードを入手するのが大原則だ。空港のカウンターなどにSIMカードの販売業者が出店してれば、そこで開通まで手続してすぐに使えるようにできる。

しかし、飛行機の到着時間によっては、お店が営業時間外の深夜や早朝に空港に到着するようなこともある。こうなると空港におけるSIMカードの入手は難しくなってしまう。また、短期間で様々な国を訪れるような場合、地域ごとにSIMカードを入手したり、別のカードへの差し替えが必要になる。特にnanoSIMは、小さいために交換するのに非常に面倒だったりする。

こうしたSIMカードの問題を解決できるのが「KnowRoaming」だ。自分の国で使っているSIMカードを入れたままで、現地の電話番号を入手できる。もちろん通話やデータ通信も費用を抑えて利用できるようになる製品だ。

KnowRoamingのパッケージ内容

KnowRoamingのサービスを利用するには、自前のSIMカードに貼り付けるシート状のデバイスが必要となる。このシート状のデバイスを既存のSIMカードの上に貼り付け、専用のアプリを使って設定を行う。貼り付けるデバイスは、オンラインで価格29.99ドルで販売されている。送料は5ドルなので、利用するための初期投資に4000円ほど必要になる。専用アプリは、App Storeや、Google Playから無料で入手可能だ。

必須なのがSIMロックフリーのiPhoneやAndroid端末だ。自前のSIMの上にシート状のデバイスを貼り付け、SIMロックフリーの端末に挿入する。そして、専用アプリで設定するだけで現地のキャリアと通信できるようになる。ほとんどどの国に行ってもアプリ上で設定するだけで、現地のキャリアを通じて通信できるので費用を抑えることができるというわけ。

利用できる国や地域は200以上と十分、簡単に現地キャリアの電話番号を入手し、そしてデータ通信も比較的低価格で利用できる。今まで必要だった現地のSIMカードを入手し、カードを入れ替えたり、国際ローミングで高い料金を支払う必要はなくなる。

薄いシート状のデバイスをはがした状態

シート状のデバイスをSIMカードに貼り付けるための器具は、製品に添付されている。nanoSIMやmicroSIMのような各種サイズにも対応しており、SIMカードへこのデバイスを貼り付けることは簡単にできるようになっている。

このシート状デバイスは非常に薄く、筆者のiPhone 6やAndroid端末に入れても物理的に干渉するような問題はなかった。

複雑なのはアプリを使った設定で、筆者はこのサービスを提供しているメーカーの人に教えてもらいながら設定した。初めてということもあったが設定に5分以上かかった。具体的にはユーザー登録以外の、電話関連の設定が少々難しく戸惑ってしまったのである。アプリ内にも説明はあるが、初めての場合は、説明書を見ながらの設定が必須になる。正直誰でも簡単にできる、というわけではない。スマホ初心者には相当荷が重いだろう。

アプリや説明書は現時点で英語のみの対応になるが、今後マルチランゲージ対応する予定があるとのことなので、本製品の複雑な設定に不安があるという人は、日本語対応後の利用をおススメする。

このように設定は少々複雑ではあるが、これまで海外では、SIMカード交換が必須だったが、本サービスを利用すればSIMカードはそのままで現地の番号での通話やデータ通信がリーズナブルに利用できる。特に、短期間で複数の国を移動する予定があるなら、KnowRoamingを契約しておくことをおススメしたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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