焼き付きが怖い有機ELユーザー大歓喜!?Android 5.0 Lollipopが導入したステータスバーやナビゲーションバーの背景色設定機能を解説【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】


従来黒一色だったステータスバーがAndroid 5.0ではカラフルに

Googleの新機種「Nexus 9」「Nexus 6」にプリインストールされ、既存の「Nexus」シリーズにも順次配信開始されているAndroid OSの最新バージョン「Andorid 5.0(開発コード名:Lollipop)」では、画面上部のステータスバーがアプリによって違う色になることにすぐ気づきます。これは、Googleが提唱する新しいデザイン手法「Material Design」の一環です。

ステータスバーの背景は従来固定(多くの場合は「黒」)で、発光時間の差により焼き付き現象が発生する有機ELではステータスバー部分が焼き付きやすいことが悩みの種でしたが、Android 5.0のステータスバーはこの問題を軽減するかもしれません。

今回の連載「スマホのちょっと深いとこ」では、Android 5.0で導入された新しいステータスバー設定について紹介します。

【Android 5.0とアプリとステータスバー】

ステータスバーに背景色が設定される条件は「特定のアプリを」「Android 5.0で実行する」ことです。Android 5.0だからといってすべてのアプリで自動的にステータスバー背景色が設定されるわけではありません。

GmailやGoogle ドキュメント、Google Keepなど、Google自身が提供するアプリの多くはすでにステータスバー背景色に対応しており、Android 5.0の機種で実行すると、ステータスバーにアプリのテーマカラーに準じた背景色が適用されます。

android5_001
Android 5.0(写真=左)ではステータスバーが赤色になる。写真=右はAndroid 4.4

Google以外のアプリ対応はこれからといった状況ですが、Twitterの公式アプリはすでにステータスバー背景色に対応しています。

android5_002
Twitter公式アプリはAndroid 5.0のステータスバー背景色に対応(写真=左)

【ステータスバー背景色はテーマカラーで設定、動的に変更も可能】

アプリの内部的な話をすると、Android 5.0においてステータスバー背景色はテーマカラーの一部として定義されています。具体的には「colorPrimaryDark」に設定された色がステータスバー背景色の初期値になるようになっています。

またステータスバーだけではなく画面下部のナビゲーションバー(ホームボタンや戻るボタンが画面表示される領域)の背景色も「navigationBarColor」で設定できます。ステータスバー背景色と併せて設定することで、アプリ画面全体で統一的なデザインを提供できます。

android5_003
画面各部の色指定が定義されている(Googleのドキュメントより)

アプリ開発者はGoogleが提供する枠組みを利用することで、比較的容易にMaterial Designを実現できるようになっています。以下の図は赤系のテーマカラーを設定した簡単なサンプルです(ソースコードはこちら)。ステータスバーやナビゲーションバーに赤色の背景色が設定されています。

android5_004
赤系のテーマカラーを設定した例

さらにステータスバーやナビゲーションバーの色は動的に変更することも可能です。サンプルではボタンを押すと緑系や青系の色にステータスバーやナビゲーションバーを変更することができます。

android5_005
ステータスバーやナビゲーションバー背景色を動的に変更できる

【デザイン面とは別に、有機ELユーザーに福音】

今回はAndroid 5.0で導入されたステータスバーやナビゲーションバーの背景色について紹介しました。従来これらの領域は常に同じ色(多くの場合黒一色)だったため、発光時間によって画素が劣化する有機ELではこれらの領域が焼き付きを起こしやすく、機種によってはステータスバーを一時的に非表示にするなどの対策が取られている場合がありました(このあたりの事情は過去記事もご覧ください)。

Android 5.0で導入されたこれらの背景色は、画面全体のデザイン性を高めるのが本来の目的ですが、画面の発光時間を均一に近づける意味で有機ELの焼き付き対策に有効に機能する可能性があります。Android 5.0を搭載するGoogleの新機種「Nexus 6」は画面が有機ELですが、このような意味で焼き付きのことはあまり心配しなくてよいのかもしれません。

記事執筆:えど(吉川英一)

■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
Using the Material Theme(Android Developers)
今回作成したサンプル(GitHub)
鮮やかな画面の代償?有機ELの宿命“焼き付き問題”に対して「GALAXY S5」に施されたSamsungの細かすぎる対策の数々【レビュー】 - S-MAX
連載『吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」』記事一覧 - S-MAX
今日の気分はバリいくつ?

共有する

関連記事

【知っ得!虎の巻】テキパキ仕事ができる!スタートメニュー設定で効率アップ

Windowsでは、まず[スタート]メニューを開いてそこから選択して操作を行うことが多く、Windowsでの基本的な操作となっている。この[スタート]メニューを開くと、利用頻度の高いプログラムのアイコンが表示されるほか、コントロール…

【知っ得!虎の巻】ポップアップが邪魔!表示させない設定は?

デスクトップやフォルダの中、あるいは[スタート]メニューの中にあるデータファイルやフォルダのアイコンにマウスカーソルを重ねると、ポップアップが表示されて、そのファイルやフォルダの説明を見ることができる。ショートカットア…

【知っ得!虎の巻】同じアプリケーションのグループ化を解除!タスクバーをわかりやすくしよう

アプリケーションを起動したり、フォルダを開いたりすると、デスクトップにウィンドウが開く。これらの起動しているウィンドウは、タスクバーにボタンとして表示され、現在起動しているウィンドウとしてタスクバー上で確認できるように…

【気になるトレンド用語】Google、Yahoo!に挑む「百度」の表と裏

インターネットで一番利用するサービスといえば“検索”ですね。検索サイトは、調べたい単語を入力するだけで、膨大なインターネット上にある関連サイトや関連ニュースなどの情報を調べてくれるとても便利なサービスです。先日マイクロソ…

【IT革命児】就職したいIT企業の上位!Googleの教祖「ラリー・ペイジ」

世界的に有名な検索サイト「Google」は、1998年9月、ラリー・ペイジ(現製品部門担当社長)とサーゲイ・ブリン氏(現技術部門担当社長)の2人によって共同で設立された。以来、サイトのターゲット検索を中心に事業拡大を続け、今では世…