コスパ最強の「ZenFone 5」 ちょっぴり残念なイマイチポイント



shimajiro@mobiler

ASUS JAPANから日本国内にて今月8日に発売されたSIMフリーのASUSTeK Computer(以下、ASUS)製スマートフォン(スマホ)の「ZenFone 5(型番:A500KL)」。購入後に使いはじめてから約2週間が経過するので、これまでの間で感じたことをレビューとして紹介する。

一言で言えば3万円前後(16GB版)で買えるSIMフリースマホとしては非常にコストパフォーマンスが高く、国内だけでなく海外でも使えるSIMフリーモデルを格安で運用したいという場合にオススメできる一台だと感じた。

ZenFone 5はコストパフォーマンスが高いだけでなく、製品全体もスペックのバランスが良い。例えば、ディスプレイの解像度はHD(720×1280ドット)に抑えられており、昨今のハイエンドモデルと比べれば見劣りするものの、ディスプレイの解像度と処理速度は反比例の関係にあるので、ZenFone 5のCPUスペックなどを考えるとこれはこれでバランスが良く、スマホにそれほど高解像度を求めないユーザとしては必要十分とも言える。

ただし、少々不便を感じることがあるのは以下の3点だ。
1)無線LAN(Wi-Fi)の5GHz帯に非対応
2)カメラが全体的にコントラストのキツい不自然な絵になる
3)ハードウェアキーが暗所でも光らないので、暗い部屋の中などでは使いにくい

Wi-Fi側が5GHz非対応である点は自宅のWi-Fiを5GHzのみに設定していたり、モバイルWi-Fiルーターを5GHzのみの設定にしている場合にZenFone 5からは5GHz帯のWi-Fiに接続することができないためやや不便といったところ。5GHz帯を利用していなかったり、Wi-Fiを使っていない場合には関係のない話である。

一方、ZenFone 5のアキレス腱とも言えるのがカメラだと思われ、ZenFone 5の発表会ではカメラが高性能であることが紹介されていたけれど、実際に使ってみるとZenFone 5のカメラははお世辞にも「良い」とは言い難いというのが率直な感想だ。

例として同じくSIMフリースマホとして購入した「iPhone 6 Plus」と同じ絵を撮影してみたので紹介しておく。

02
iPhone 6 Plusで撮影


03
ZenFone 5で撮影


ZenFone 5の方が葉がかなり赤みがかっているのと、芝生の色や空の色が潰れてしまっている。また、山口県の唐戸市場で売られている寿司を撮影した画像は以下のようになった。

04
05
唐戸市場で売られている寿司を撮影


一見すると悪くなさそうにも見えるけれど、これも本来の色からはやや遠く、全体的に色がどぎつく映る印象を受けた。

そんなわけでカメラ性能はイマイチという点はZenFone 5を使ってみると実感できるけれど、逆に言うとカメラ以外には大きな不満はなく、スマホをコストパフォーマンス重視で使いたい方にはかなり有力な選択肢になると言える。

実売価格が3万円前後のZenFone 5を「格安スマホ」と言うかは少々悩ましいけれど、いわゆる格安スマホと言われる類いのスマホと比較すると、内蔵メモリー(RAM)が2GB搭載されていることや前述の通りディスプレイ解像度がそれほど高くないことによって動作が「もっさり」を感じることは少なく、概ね快適に操作することができる。

その他、地味に嬉しいのは、SIMカードを入れ替えても再起動しない点で、海外でプリペイドSIMを購入して利用する際には再起動なしにネットワーク接続することができそう。ただし、現時点では海外で試したことはないので、いちおう「できそう」に留める。

個人的には国内の家電量販店やWebサイトで気軽に入手することができるコストパフォーマンスの高いSIMフリースマホとして、ZenFone 5そのものにはとても期待しているし、ZenFone 5の国内投入をキッカケにして楽天モバイルやNifMoなどの仮想移動体通信事業者(MVNO)が新規参入するのは、大手携帯電話会社(MNO)が音声通話定額を中心とした「新料金プラン」に対抗する流れとして頑張って欲しい。

とはいえ、同じようなスペックの機種をZenFone 5に近い値段で作ること自体はASUS以外のメーカーでも可能ではあると思うので、今後はASUS以外のメーカーも同価格帯でコストパフォーマンスの高いスマートフォンの投入に期待したいところだ。




記事執筆:shimajiro@mobiler


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ZenFone 5を使いはじめて2週間のレビュー - 操作感はサクサクだけどカメラがイマイチ | shimajiro@mobiler

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