業績好調で東証一部上場も達成! amazon.co.jpで中古車が1クリックで買えるネクステージ


6月に「1クリックで車(中古車)が買える! Amazon.co.jpで中古車販売開始」という記事で株式会社ネクステージがamazon.co.jpと協力し、中古車のオンライン販売を開始したことをお伝えした。これによりネクステージは日本のAmazonにおける初の中古車販売事業者となった。

Amazonでは、様々な商品が販売されているが、それと同じ様に中古車をオンライン販売するという大胆な試みが始まってから、およそ4か月、以降どのように進んできたか気になっている人もいると思う。ネクステージのその後について紹介しよう。

■消費増税の影響が響き中古車販売台数が振るわない現状
消費税8%化によって、各業界に駆け込み需要が発生、パソコンなどのIT系機器も増税前に売り切れが続出するなど、にわか景気に沸いたのは記憶に新しい。以降、消費税8%導入の影響は大きく、IT関連機器に限らず様々な製品の販売が低下した。

例えば日本自動車販売協会連合会が発表した2014年7月の中古車販売台数は、前年同月比7.2%減の30万5339台となり、消費税増税後4か月連続のマイナスとなった。こうした逆風が吹く中、カーコンビニ倶楽部が中古車の個人間売買支援事業を開始したり、中古車個人売買のマッチングサービス「mieruCAR」が開始されたり、と中古車販売業界においても各社が生き残りをかけた数々の新しい試みが生まれてきた。

そうした流れにより、ネクステージは、先述したように今年の6月にamazon.co.jpで中古車のオンライン販売を開始した。Amazonでは初の中古車販売事業者となり、ITライフハックでもニュースとして取り上げた以外にも非常に多くのメディアの注目を集めた。中古車販売の概要は以下、

■ネクステージ中古車販売概要
1)低価格での中古車販売(33万、44万、55万円の3価格での固定価格)
2)返品可能(納車から1週間以内、手数料3万円のみ※沖縄・離島は別途配送料)
3)東海・関東・関西地方 自宅への配送無料(※他地域および離島は別途配送料)
4)消耗品を新品に交換(タイヤ、ブレーキ、バッテリーなど8つのパーツ)
5)保証範囲は新車の保証に準拠(全車1年間の保証付き)
6)掲載前整備の実施(Amazon「カー&バイク用品ストア」に載せる前に整備完了)
7)車種:セダン、スポーツカー、ミニバン、コンパクトカー、軽自動車(以降拡充)
8)Amazonと共に中古車販売の取引・運用ルールを共同して構築
※税金・保証料・他諸費用を含み、エリア限定で送料サービス
※使用ニーズ(通勤、業務使用、初めての車など)に応じたラインナップ

■ワンクリックで注文し実車の配送まで
amazon.co.jpで希望する車をワンクリックで購入(金額は33万、44万、55万)。購入決裁の確認が取れ次第、自動車登録に関する書類のやり取りがスタート。必要な書類が整った時点で購入車をネクステージPDI(整備工場)より出荷。配送業者により購入者の自宅へ車を直接届ける。

■中古車販売市場低迷の中でも売り上げ好調を維持し、東証一部上場も達成
このAmazonでのサービスは非常に好評だったようで、同社は7月には中古車販売だけでなく、新車販売にも進出することを決定。7月には新車ディーラー運営事業も開始し、宮城県仙台市泉区にSUV専門店で東北エリア3店舗目となる「ネクステージ仙台店」を8月30日にオープンするなど順調に店舗拡大を続けて来ている。さらに9月には東京証券取引所マザーズから東京証券取引所市場一部へと株式市場変更を行うなど、好調な業績を背景に躍進中だ。

そんなネクステージだが業界トップを目指し2020年ビジョンを発表した。

■ネクステージの掲げる2020年ビジョンとは?
最後に同社の掲げる2020年ビジョンを紹介しよう。同社の商売の基本は

「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしを追求する

ことである。

これにより「クルマを購入する時」「クルマを利用する時」「クルマを手放す時」の全ケースにおいて、ユーザーの利便性にイノベーションをもたらし、新しい業界のスタンダードを確立できる企業を目指すとしている。そして、その結果として下記の数値目標の実現を達成する。

■2020年までにネクステージが達成する目標
・店舗数200店舗
・品揃え20000台
・売上高2,000億円

現状の好調な業績と同社の戦略を見る限り、この目標の達成はそう難しくないだろう。2020年は東京オリンピックの開催年となる。そのときにネクステージがどういった飛躍を遂げているのかは、あと6年後に判明することになる。

■Amazonネクステージ中古車販売ページ
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