しょせん安物?はたまたリーズナブル?期待の格安スマホ「ZTE Blade Vec 4G」が実用的に使えるかキャリアスマホと比較検討してみた【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】


格安スマホは本当に使える?

NTTレゾナントがオンラインショップ「goo SimSeller」で販売している「ZTE Blade Vec 4G」と「OCN モバイルONE」のセットは、安価なSIMフリーのスマートフォン(スマホ)と格安SIMがセットで税込19,800円という価格で話題です。

国内でも徐々に拡大してきているSIMロックがかかっていないSIMフリーのスマホの中でも格安で、ZTEが提示している希望販売価格は税別29,800円ですが、キャンペーン価格ながら税込19,800円は本当に大丈夫かと疑ってしまうレベルです。

そこで、今回の連載「スマホのちょっと深いとこ」では、ZTE Blade Vec 4Gのスペックや実際にメインとして使った時の使い勝手を紹介しており、前回は実際に購入してパッケージを紹介しましたが、今回はこの“格安”が特に問題ないのか、やはり何かの罠なのか、気になる点を携帯電話会社(キャリア)が販売するスマホと比較しながら検討してみましたので紹介します。

【スペック比較:安いなりに低スペック】

ZTE Blade Vec 4Gのスペックを見てみましょう。比較対象にするのは2014年夏モデルの「GALAXY S5」(筆者が購入して使っているのはau版「GALAXY S5 SCL24」)です。

 ZTE Blade Vec 4GGALAXY S5
価格19,800円(税込)
※OCN モバイル ONE
SIMカードとセット販売
※ZTEの希望販売価格は
29,800円(税別)
48,600円(税込)
※auオンラインショップでの
通常価格(各種割引前)
OSAndroid 4.4.2Android 4.4.2
画面5.0インチ
720×1280ピクセル
5.1インチ
1080×1920ピクセル
CPUMSM8926
1.2GHzクアッドコア
MSM8974AC
2.5GHzクアッドコア
メモリー(RAM)1GB2GB
内部ストレージ16GB32GB
外部ストレージ非対応(microSD非対応)対応(microSDXC:最大128GB)
カメラ背面:800万画素
前面:100万画素
背面:1600万画素
前面:210万画素
無線LAN(Wi-Fi)IEEE802.11b/g/nIEEE802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth対応(Bluetooth 4.0)対応(Bluetooth 4.0)
GPS対応対応
NFC/
おサイフケータイ
非対応/非対応対応/対応

ZTE Blade Vec 4GのカタログスペックをGALAXY S5と比較すると、確かに安いなりにスペックダウンしていることがよくわかります。5インチディスプレイのピクセル数はフルHD(1080×1920ピクセル)ではなくHD(720×1280ピクセル)、CPUもメモリーもストレージも見劣りします。Wi-Fiは5GHzを使用するIEEE802.11acやIEEE802.11aに非対応で、NFCやおサイフケータイ(Felica)にも対応していません。「だから安い」ということですね。

ただ、現行最新モデルのようなハイスペックを誰もが必要としているわけではありません。スペックはそこそこでいいからとにかく安くしたいという人にとって、ZTE Blade Vec 4Gのスペックは必要充分と言えるのではないでしょうか。

【シンプルなAndroidスマートフォン】

スマホの使い勝手を決めるのはアプリです。安いとはいえZTE Blade Vec 4GはAndroidスマホであることに変わりなく、GmailやGoogle マップなどの各種Googleアプリ、アプリ配信マーケット「Google Playストア」からダウンロードするサードパーティーのアプリなどが利用可能です。WebブラウザーはGoogle Chromeが利用できますし、FacebookやTwitterなどのようなアプリももちろん正常に動作しました。パズドラはBGMや効果音の音量が不規則に変化する事象が見られましたが、ゲーム自体の実行には支障がありませんでした。安物だからできないことは意外となく、アプリの利用に関して致命的な問題はありません。

zte2_001
WebブラウザーはGoogle Chromeが問題なく利用可能(写真=左)、パズドラは動作するもののBGMや効果音の音量が不規則に変化(写真=右)
zte2_002
Facebook メッセンジャーも問題なし(写真=左)、Bluetooth 4.0対応なのでスマートウォッチ「Android Wear」も使えます(写真=右)

たださすがにハイスペックキャリアスマホと同じというわけにはいかず、スクロールや画面切り替えなどのアニメーションで、若干カクつく(フレームレートが落ちる)ことがありました。どの程度気にするかは人によると思いますが、価格を考えれば我慢せざるを得ないところでしょう。

【安さゆえの限界はあるが十分「使える」】

本記事ではZTE Blade Vec 4Gのスペックを紹介しました。筆者は購入からずっとこの機種をメインで使っていますが、通勤時間のWebサイト閲覧とソーシャルネットワーク(SNS)が主な利用目的の筆者の場合、この機種で特に不満を感じることはありませんでした。最新ハイスペックスマホと同じ使い勝手を望むのは無理がありますが、格安スマホとして十分実用的と言えるのではないでしょうか。

記事執筆:えど(吉川英一)

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