KDDI、国内初のLTE-Advanced向けアクティブアンテナシステムにおける指向性制御技術を実装した屋外実験を実施
指向性制御技術を導入したAAS屋外実験を実施!今後割当予定の3.5GHz帯などで活用へ |
KDDIとKDDI研究所は29日、LTE-Advanced向けの無線機内蔵小型アンテナ「アクティブアンテナシステム(Active Antenna System、以下、AAS)」において、電波を強める方向と弱める方向を制御し、カバーエリア形状を自在に制御できる機能(以下、指向性制御技術)を実装した屋外実験を実施したと発表しています。
AASに指向性制御技術を実装しての実験は国内初であり、これにより、他の基地局との干渉を抑え、より快適な高速通信の実現に貢献するとしています。なお、アンテナの開発は電気興業も含めた3社で実施したとのこと。
AASは同一筐体に複数のアンテナと小型無線機を搭載した基地局装置であり、従来の非一体型装置と比べて、カバーエリアが拡大するほか、基地局設置の省スペース化、消費電力や基地局設置コストの削減等が可能となり、今後割り当てが予定されているLTE-Advanced用の3.5GHz帯などといった高い周波数帯に用いることで効果が高いとされ、4G以降の将来のモバイルネットワークでの活用が期待されているということです。
KDDI研では2012年3月に従来型アンテナと同等サイズまで小型化したAASを試作開発し、2013年3月には世界標準のインターフェースであるAISG(Antenna Interface Standard Group)に対応した指向性制御技術を考案し、AASに関する特許4件を出願しているほか、KDDIはLTEの国際標準化プロジェクトである3GPPにおいて、AASの標準化に関する提案を複数提出しており、国際標準仕様の策定に貢献しているとのこと。
今回、KDDIとKDDI研は2014年3月より、栃木県栃木市において、AASの指向性制御技術の有効性を検証するため、AASをマクロセルに用いた屋外実験を実施。その結果、従来の基地局装置と比較して、マクロセル内のスモールセルエリアでのダウンロード速度が約1.6倍となることを実証したほか、消費電力を約50%低減できることを確認したとしています。
記事執筆:memn0ck
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