総務省が「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」を発足!第3回を1月24日開催――各社の通信速度広告はどうしたら適正に消費者に届くのか?
各社間で公平なモバイル通信の速度広告はされるようになるのか!? |
携帯電話なども含む通信事業の日本における監督管理を行う総務省は、近年頻繁に起こっているスマートフォンなどで利用される通信速度についての広告展開についてのクレームや問題について、計測や表現の方法について解決するべく「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」を発足しました。
すでに昨年11月より、研究会では会合が開かれており、どのような方法を用いれば各社の通信速度を適正に評価でき、消費者に告知できるかについて議論が交わされています。
今後、3月まで全5回の会合が行われる予定で、直近では第3回会合が明日1月24日(金)に実施されます。そこで、今回は、どういった目的で研究会が発足し、なにを決めようとしているのかを紹介したいと思います。
この「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」が発足するきっかけとなったのは、通信キャリア各社の速度表示広告や計測について問題が表面化されてきたため。
近年記憶に新しいのは、2012年11月のイーモバイルでの通信速度広告についての処置命令を受けています。
また、KDDIも2013年5月に消費者庁より不当景品類及び不当表示防止法 第6条の規定に基づく措置命令を受けています。
また、最近では各キャリアとも「つながる」や「つながって、しかも速い」、「○○駅では世界最速」などの広告展開を行っていますが、これらはあくまでも理論上の最大値や数度の実測の結果であって、実際には回線の混雑具合や条件により差がでてきてしまうのが常です。
したがって、通信速度は「ここでは下りで100Mbps」が出て高速だけれども、少し歩くと「あれ、ここだと10Mbpsも出ないや」ということになってしまいます。
つまり、広告では高速通信できるエリアということなのに、実際に利用する自宅や会社では思ったほどの速度で利用できないという不利益が生じてしまいます。
第1回目と第2回目の会合はすでに終了しており、第1回目では各通信事業者の通信速度計測の方法や考えを、第2回目はサードベンダーでの通信速度計測や考えを講じています。
今回開催される第3回では、広告事業者により、掲載する基準や考え方を講じる予定となっており、今後どのような計測が良いのか、切り分けはどうするのか、広告表示はどうするのかのガイドラインを考えていき、消費者にわかりやすい通信速度広告表示を検討していくそうです。
なお、総務省では第1回目と第2回目の議事要旨を公開していますので、興味がある人は目を通してみてはいかがでしょうか。
また、当ブログメディア「S-MAX(エスマックス)」もメディアパートナーになっているAndroid情報サイト「AppComing(アップカミング)」では、インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会について総務省へ訪問取材を行っており、非常に詳しくレポートしています。
・【特集】総務省「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」(1)背景と検討事項・海外動向・通信事業者ヒアリング |AppComing
・【特集】総務省「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」(2)調査会社ヒアリング・諸外国事例追加調査報告|AppComing
・【特集】総務省「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」(3)訪問取材レポート |AppComing
・【特集】総務省「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」(4)取材後記〜優良誤認がなく利便を損なわない実効速度表示のありかた〜|AppComing
通信速度の広告による優良誤認。つまり、「広告では非常に高速なインターネットができそうな気がしたけれども、実際に使ってみたらそうではなかった。」という不利益は、モバイルインターネットが高速化されていくにつれて今後さらに増える可能性があります。
そこで、我々消費者も正しい知識を身に着けて、「モバイルインターネットはどうなのかな」「屋外でのパケット通信は速度が変わりやすいんだな」と認識を深めていきたいものです。
また、通信事業者も公平でわかりやすい表示を行っていき、誇大広告や現在激化しつつある電波エリア、速度についての広告合戦についても見直して欲しいなと思います。
記事執筆:ホセ(布施 繁樹)
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