niconico×AERAで共同のネット世論調査「ネットでのいじめなどに関する実態調査」




株式会社ドワンゴ及び株式会社ニワンゴは、両社が運営する日本最大級の動画サービス「niconico」と雑誌「AERA」との共同アンケート企画「ネットでのいじめなどに関する実態調査」を11月21日(木)21時16分に実施し、開始から約300秒間で12万2千24人から回答を得た。このアンケート結果を受け、12月4日(水)20時からは、AERA編集部記者が出演しての、アンケート結果解説番組も放送する。

■大勢で個人をたたく行為は正しいのか?
ネット上の個人叩きは、炎上と呼ばれ、ブログが一般化した2006年辺りから顕著になり始め、ブログの炎上だけでなく、日本のSNSの草分けであるmixi、世界最大のSNSであるFacebookでも個人の日記が炎上したり、Twitterでも未成年の飲酒・喫煙、暴力行為、違法行為の自慢写真の投稿などによって、アップした本人たちが袋叩きにあう状況になっている。Twitterでバカな行為を行っている人を探すことから「バカッター」と呼ばれるようになった。

また、今回の調査を行ったniconicoだが、提供している各サービスが徐々に一般の人々にも浸透してきており、プレアカと呼ばれる月額525円の有料会員数も着実に伸ばしてきている。特に若い人たちに人気のサービスで、今後もこのサービスが発展していくことを願って止まないところだが、niconicoの表側の非常に楽しい側面に対し、裏側のダークな側面もエスカレートしつつあるようだ。

■ネットサービスのダークサイド
たとえばniconicoで、一般人が活躍できるおもなサービスとして、静止画(書いてみた、描いてみた)、動画(踊ってみた、歌ってみた、創ってみた、作ってみた)、そしてユーザー生放送がある。大手で人気のユーザー生放送の配信者もコミュニティは数万人も人を集めており、その影響力が無視できないレベルになってきている。

コミュニティの人数が多いからといって、その配信者の言うことが正しいとは、限らないのに「大手=正義」という、いまいちわけのわからない状況になりつつあるようだ。「力こそ正義」とは、どこぞの世紀末覇者の物語に出てきたセリフだが、この理屈がまかり通っている部分があるようだ。

たとえば筆者が昔から仲良くしている大手コミュニティの配信者が、これまた超大手でなおかつ知り合いだった配信者の放送で真偽入り混じった、ねつ造情報を使ってプライベート(のような)情報を暴露されるという放送が行われたことがあった。本人をよく知っている筆者としては、本当のこともあれば、真っ赤なウソもあり、これが実に上手に織り交ぜられているのに驚いた。大手生主とは言っても一般人であり、その情報を当人の許可も得ずに周囲に漏らす行為は、明らかな名誉棄損にあたる。

■もはや個人では対処できない時代に
その件以降、被害を受けた側がユーザー生放送を行うと、根拠も裏取りもせずにねつ造情報を安易に信じ込んだ人たちが、わざわざ配信を見に行き誹謗中傷のコメントを大量に書きこんで、配信を荒らし、配信をできなくしてしまう行為が現在も続いている。本来楽しいはずのサービスが、配信する側の精神を蝕むサービスになってしまっていると言っても過言ではない。

そして、こうした被害を受けたと運営に相談したとしても「自分で解決しろ」と突っぱねられて受け付けてくれないことがほとんどだったりするのだ。「生主ひとり」対「多数の荒らし」と不利な状況のため、結局は対応できずに配信を行わなくなるか、コミュニティを削除するといった選択肢しかなくなっている。

niconicoが有料会員数を伸ばしてきたことによって、こうした騒ぎも増えてきており、サービスの一環として荒らし行為や誹謗中傷行為に、すばやく真摯に対応してくれる窓口を設ける必要が出てきたのではということを強く感じるようになってきた。

たとえば現在でも、先述した誹謗中傷を行ったユーザー生放送のタイムシフト動画がニコニコ動画にアップされたままになっている。YoutubeやFC2といった動画サービスでは、内容をチェックして即座に動画の削除を行ってくれたが、中傷を受けた本人が、該当動画の削除依頼を行ってもniconicoの運営側は、誹謗中傷にあたらないとしているのではなく、「本人確認ができないため削除できない」という理由で却下されるといった理不尽な状況が続いている。

■締め付けすぎるとユーザーが離れていくため裁量が難しい
こうした荒らし行為は、マナーやモラルを守ろうという呼びかけでは絶対になくなることはなく、ネットでいじめやいやがらせを受けた被害者は泣き寝入りするしかないのが実情だ。niconico側も誹謗中傷を行う多数のアカウント(しかも、無課金の一般アカウント)を野放しにしたまま、本来の顧客である月額525円を支払って配信をしている人の安全を守れないというのは、ネットのサービスとして正しいあり方なのか? といった点では大変疑問が残る。ただし厳格な運営をしてしまうと、ユーザーが離れて行ってしまうという問題も残るが・・・。

もちろん、こうした話はniconicoに限らずYoutube、mixiやFacebook、Twitterなどでも同様に他人に絡んで誹謗中傷を行ったり、個人情報を突き止めて、それを公に公開したり、学生なら通っている学校を調べて電話したり、といった「悪い(かもしれない)人を大勢でたたく憂さ晴らし」行為が行われている。

たたく側としては「悪いこと、道徳的にしてはいけないことを指摘して注意を促しているだけだ」という一見正論風な理屈になっているようだが、「アナタはそれを指摘できるほど、清廉潔白なのか?」「その人物の行為を叱責できるほど、仲の良い人間関係を持っているのか?」と言った点は完全に無視だ。

こうしたネットの炎上に参加している人でも、たとえば公共の場所で騒いで周囲に迷惑をかけている人物を直接注意できるか? といったらおそらく黙って通り過ぎる人がほとんどだろう。昔は子供が電車内で騒いでいるのを他人が叱る光景を、よく見かけたが、現在ではこうした行為を叱る大人は、ほとんど見かけなくなった。

これとは逆にネット上で騒がれていることの真偽を確かめもせずに祭りに参加する人は、どんどん増えてきている。こうした状況を変えていくための何らかの対応が必要だろうと筆者は考える。

以下は、今回行ったアンケート結果の抜粋である

「ネットでのいじめなどに関する実態調査2013/11/21」結果
(以下、アンケート調査結果より抜粋)

Q2)日常的な連絡ツールとして、最も多く使うものは何ですか?
1.固定電話で通話 :3.8%
2.PCメール    :10.3%
3.携帯電話で通話 :20.1%
4.携帯メール   :31.1%
5.ミクシィ    :1.1%
6.ツイッター   :9.5%
7.フェイスブック :1.8%
8.Google+     :2.4%
9.LINE      :16.3%
10.その他     :3.7%

Q3)その連絡ツールでやり取りをしているのはどんなグループやコミュニティですか?
(閲覧のみも含む)※複数回答可
1.家族                   :50.7%
2.仲の良い友達同士             :59.9%
3.学年同士やクラス、部活          :11.3%
4.学年を超えた学校全体           :2.9%
5.仕事関係                 :33.5%
6.PTAや地域コミュニティ           :2.5%
7.学習塾や予備校などの集まり        :1.4%
8.習い事、同好会やサークルなど趣味の集まり :9.5%
9.ネット上だけでの付き合いの集まり     :16.2%
10.その他                  :6.8%

Q5)ネット上でいじめや嫌がらせを受けたことがありますか。
1.ある     :13.6%
2.ない      :86.4%

Q6)そのいじめや嫌がらせは主にどのようなツールで起こりましたか?
1.PCメール        :9.4%
2.ネット掲示板      :39.5%
3.携帯メール       :2.9%
4.ミクシィ        :5.2%
5.ツイッター       :5.7%
6.フェイスブック     :1.9%
7.NAVERなどのまとめサイト :2.0%
8.Google+         :3.1%
9.LINE          :7.8%
10.その他         :22.5%


■ネットでのいじめなどに関する実態調査概要
・集計対象:「niconico」登録ユーザー3626万人
(参考:ユーザーの男女比率 男性67% 女性33%)
・実施日時:2013年11月21日(木)21時16分
・回答者数:122,024人

※回答のうち「回答しない」は無回答扱い。
※設問ごとに有効回答数は異なる。

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【ネット世論調査について】
ネット世論調査は、niconicoで動画を視聴している全ユーザーに対して、動画によってリアルタイム情報を同時に伝達する、従来の動画サイトにはない新しいシステム「ニコ割アンケート」を利用している。開始時刻になると視聴中の動画の再生が一時停止し、その視聴プレイヤー上に割り込む形で設問と選択肢が表示される。ユーザーはそれぞれの設問に回答し、その結果を送信。調査結果は、一定時間後に結果を表示する動画へのリンクがアナウンスされ確認できる。「ネット世論調査」は、不特定多数のユーザーが、同時刻にアンケートに参加するという調査形態であるため、これまでのネットを活用したアンケートとは異なり、組織的な投票が非常に困難になっているのがポイントだ。また、従来ネットでは、声の大きな少数派の意見がクローズアップされる傾向が見られたが、ニコニコ動画で視聴している数十万人全てのユーザーへアンケートを行えるため、リアルなネット全体の意見調査が可能だ。
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解析結果
回答結果(動画)

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