日本の文化を新しく提案! 秋の花火をプロデュースの「ラブコモンズ」を直撃




10月12日に開催され、5万人を動員した「北区花火会」。今回は、秋の空を彩った5000発の花火をプロデュースしたユニット「LOVE COMMONS (ラブコモンズ)」に話を聞くことができた。

ラブコモンズは芸術家・筒井はじめと元内閣府官僚の大前孝太郎により結成さているユニットで、様々な社会貢献活動に参加し、その過程で出会う物事や感情をアート素材にしてアートするユニットとして、各界で注目を集めている。北区花火会の開催は今年で2回目。社会物理と地域経済の共同研究を行い、社会で最も大切なものは子供であるという理論にたどり着き、その理論のもと活動を行っているということだ。

■新しい楽しみ方の提案をラブコモンズとしてできたら面白い
なぜ秋に花火なのだろうか?

「老若男女問わず、誰もが楽しめるコンテンツを考えたとき、一番に出てきたのが花火でした。花火といえば、夏の風物詩。日本の文化として親しまれている花火だからこそ、新しい楽しみ方の提案をラブコモンズとしてできたら面白いだろうなと思いました」と大前氏は話す。実際、会場では花火だけではなくファッションショーも開催され、来場者を楽しませていた。

筒井氏は「世界星君というマスコットキャラクターを登場させ、ラブコモンズらしい花火会づくりを目指しました。実は北区花火会が東京で最後の花火なんです。『東京で最後の花火』って響きも気に入っています」と花火へのこだわりを話す。

北区花火会

規模も大きくなった2回目の花火会だが、2回目だからこそ気が付いたこともあったという。大前氏はより来場者への配慮に力を入れたと言う。

「安全対策・雑踏対策に気をつけました。今年は有料席の席数も増やしたことや夏の台風の影響もあり、来場者数の増加を見込して警備には細心の注意をはらいました。地元警察と警備会社の方達と昨年混雑した場所、混雑が予想される場所に足を運び何度も打合せをさせていただいた結果、予想されていた場所もスムーズに人が流れ、問題が起こる事もなく無事に終えることが出来ました。花火が打ち上がるたびに聞こえる歓声や笑顔、終了後でも空を見上げ続けている方なんかも見かけたりして、あぁ、今年もやってよかったな、と。加えて来年に向けての課題や改善すべき点がはっきり見えたことも大きいですね」。

■子どもたちのエネルギーが原動力のひとつになる
大人から子どもまで楽しめるという理由で花火を選んだラブコモンズだからこそ、子どもたちへの思いは特別だ。

「子どもたちのエネルギーが僕らの原動力のひとつになるというか。社会を動かすのは大人ですがこれからの社会をつくる子どもたちに日本サイコー!みたいに思ってもらえたらクールですね」と筒井氏は話す。さらに「農林水産大臣の林芳正さんがお越しいただけるということで急遽、間際にスピーチをお願いしたらすんなりOKしてくれたり、なんてこともありました」と笑うが、二人の思いの強さと会場の雰囲気のよさを象徴するエピソードだろう。

この花火会、もちろん今年で終わりではない。二人に今後について話してもらった。

「今年も沢山の人が力を合わせることで、関係者の方々、来場してくださったみなさまの大輪の笑顔に出会うことが出来ました。夜空に咲く花火も美しいですがそれ以上に美しいものに出会うことができました。ゆくゆくは日本を代表する花火会にしていきたいと思っています」。(筒井)

「ぼくの知り合いで、旦那さんが長い期間体調が思わしくなかったのですが少しよくなったんで、気晴らしに奥さんと娘さん2人を連れて見にきてくれたんです。その翌週に体調が再度急変して、とても残念なことに旦那さんが亡くなってしまった。奥様は『花火の時、主人はとても綺麗だと喜んでました。家族4人という意味では最後の花火になりましたけど、私たちにとってかけがえのない花火でした。来年も3人で伺おうと思っています』という話をお聞きして、来年もより良いものにしていかなければ、と心に刻んでいます」。(大前)

来年の花火会はもちろん、彼らの活動に今後も注目していきたい。

■LOVE COMMONS (ラブコモンズ)
2011年6月、芸術家・筒井はじめと元内閣府官僚の大前孝太郎により結成。
社会物理と地域経済の共同研究を行い、社会で最も大切なものは子供であるというひとつの理論を組み立てる。様々な社会貢献活動に参加し、その過程で出会う物事や感情をアート素材にしてアートするユニットとして、各界で注目を集める。東京最後の秋花火「北区花火会・ファッションショー」プロデュース。
日本の豊かさを世界に還元する企画として「ラブコモンズジャパン」を設立し、世界中の孤児院にオリジナル文房具セットのプレゼント展開中。その他にアーティスト支援活動として「ラブコモンズショーウィンドー」を行っている。
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