リスク・オン相場再始動!中小型株で勝負 注目銘柄を斬る【ビジネス塾】
日経平均株価が約2カ月ぶりに終値で1万4500円台を回復するなど、株式市場には明るさが戻ってきた。これに伴い小型株にも資金が流入、高値保ち合いから上に放れるもの、リターン・リバーサル狙いで底値圏から大きく立ち直るものなどが目立ってきた。今回はリスク・オン相場となってきたことから、買い頃と思われる中小型株を取り上げてみたい。
■注目銘柄1 ジャストシステム
ジャストシステム<4686>は、言わずと知れたワープロソフト「一太郎」、日本語環境「ATOK(エイトック)」の開発元。米マイクロソフト社の「ワード」などに押される形で、2000年代に入ってからはインターネット接続(プロバイダ)事業のソネット<3789>への譲渡など、事業の整理を余儀なくされてきた。
だが、ここへきて、学校向け学習ソフト「ジャストスマイル」や他社からのOEM供給製品(日本IBMの「ホームページ・ビルダー」など。現在はジャスト社が開発)が軌道に乗ってきた。2013年3月期経常利益は、2011年3月期の2倍になった。とくに「ATOK」には根強い支持者がおり、スマートフォン(高機能携帯電話)への対応も進んでいる。「国産ソフトメーカー」の老舗としての健闘に期待したい。
■注目銘柄2 ワコム
ワコム<6727>は、ペンタブレット・CAD関連のパソコン周辺機器を開発する企業。30年の歴史を持ち、アート系ソフトの利用者には身近な企業だったが、市場の狭さに悩まされてきた。
だが、マイクロソフトのパソコン用OS(基本ソフト)のWindows 8が指やペンによる操作に最適化されたことで、富士通<6702>製ノートパソコンや韓国・サムスン電子製のタブレット端末などにワコムの技術が採用されるなど、一般ユーザーにも近い存在となりつつある。ワコム独自にも、手書き入力に加えマルチタッチ・ジェスチャー操作ができるタッチパッドなどの開発を進めており、一定の支持を集めている。最近の様相は、同社の蓄積してきたノウハウに、コンピュータの使用スタイルが追いついてきた感さえあり、今後も独自の技術開発に期待したいところだ。
■注目銘柄3 ユーグレナ
ユーグレナ<2931>は、微細藻類ミドリムシの大量培養技術の開発に世界で初めて成功、これを使った機能性食品や化粧品を販売するとともに、水質浄化やバイオ燃料の生産を研究しているベンチャー企業だ。経済産業省が実施する「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業」の補助金も受け、ミドリムシの生産設備を増強する。また、初の海外拠点としてバングラデシュに事務所を開設、国内企業やNGO(非政府組織)と連携し、深刻な栄養問題の解決をめざして食品の普及を進める。ボラティリティは大きいが、将来にかけてみたい企業の代表格といえる。
以上今回は3社を紹介したが、魅力的な中小型銘柄はまだまだある。安倍首相の弁ではないが、まさに「日本は買い」であろう。
(小沼正則)
※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。
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