7年後の東京オリンピックの頃、ネット動画はどうなっているだろうか?【デジ通】




2020年の夏季オリンピックの開催場所が東京に決定した。1964年の東京オリンピックでは、東海道新幹線の開業、家電製品ではオリンピック観覧用にカラーテレビが爆発的に売れた。このようについ最近までオリンピックなどの大規模イベント前になると、最新のテレビを売るためのマーケティング活動が活発だった。

テレビ自体がまだ珍しかった時代ならともかく、そんな時代はとっくの昔に終わっており、次の2020年の東京オリンピックにあわせて4Kや8Kテレビが売れるかというと、そうそううまく行くとは思えない。

しかし、日本では2011年の地デジ化直前に駆け込みで販売されたテレビがあり、それから9年後となるとちょうど買い換え時期になる。その頃に販売されるテレビは、必然的に4Kや8Kテレビになっているため2020年頃になるまでには、4Kや8Kテレビがある程度売普及していると思われる。そして、その頃にはテレビそのものの利用方法が、今とだいぶ変わっているかもしれない。


■小さな試合まで網羅できるネット配信
オリンピックといった試合数の多い特大スポーツ大会では、放送の枠の関係から競技や試合によっては、テレビ放送がされないことはよくある。特にあまり人気のない視聴率の取れないスポーツなどだ。しかし、ネット配信ならチャンネル数などは関係なく、全ての競技の模様をライブ配信できるし、タイムシフトでの視聴も簡単だ。

テレビの放送も7年後のオリンピックまでには、4Kや8Kテレビのネイティブ解像度での放送も始まるだろう。それよりもはるかに自由度が高いインターネット関連の動画配信サービスは、これから7年間の間に大きく変わっていくだろう。

オリンピックは権利の問題などもあり、ネット配信にどれだけ対応するかは、まだ未知数といえるが、先日モスクワで開催された世界陸上では、主催者のIAAFのYouTube公式チャンネル上で公開されているオフィシャル動画でも楽しめるようになっており動画配信サービスが積極的に活用されつつある。

■いままで以上にエキサイティングになるネット配信サービス
YouTubeやUstream、ニコニコ動画は2005年から2007年にかけてサービス開始された。それから8年程度経過し、それぞれの動画サービスは当初より大幅に機能強化されている。他にも有料のビデオ配信サービスなどが続々と登場しており、ネットの動画関連サービスは2020年頃には、今では予想もできないほどエキサイティングな状況になっているだろう。

ネット動画はパソコンや、スマートフォン、タブレットで視聴されることが多いが、自宅では大画面のテレビで見たいという需要もあるので、テレビでのネット動画視聴も増えていくことになる。

ニコニコ動画などはテレビ自体にその閲覧機能を搭載した製品が増えているが、Chromecast、Apple TV、PlayStation Vita TVなどネット動画を視聴するための機器も続々登場しており、ネット動画はより手軽に視聴できるようになりつつある。

4Kや8Kといった放送の方式は、今後特定の方向に決まっていくだろうが、放送自体は周波数などの問題、国ごとの政策の違いもあり簡単にはまとまらないし、視聴には対応機器が必須となる。

日本では4Kや8Kテレビは国策のようになっており、放送規格自体は早めに決まるかもしれないが、肝心の機器は価格などの問題もあるので、徐々に浸透していくだろう。

いっぽうネット配信は動画をネットに流すだけなのでパソコンやスマートフォンなどはもちろん、Chromecastなどの簡易な機器での視聴も簡単に実現できる。タブレットやUltrabookはフルHD以上の高解像度があたりまえになりつつあり、4KはともかくフルHD以上の解像度視聴環境は早めに整いそうだ。

ただ、現状のネット動画の伸びは、高画質であることではなく利便性や動画自体の魅力によるものだ。おそらくこの傾向はこれからもそうだろう。今後ネット動画の関連機器やサービスが充実すればするほど、テレビの使用目的が今までのテレビ放送を受信した視聴から、ネット経由による配信番組の視聴に変わっていくのではないだろうか。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

デジ通の記事をもっと見る
CはCheapのC ? 本当の意味での廉価版にはなっていないアップルのiPhone 5c
Kindle Paperwhiteの前モデルユーザーは新モデルに乗り換えるべきか?
ThinkPadもYogaに! IFA 2013で発表されたASUS、Acer、Lenovoの新製品
魅力満載! IFA 2013で発表されたソニーと東芝のタブレット&コンパチノート
日本ではお買い得!電子書籍リーダーKindle Paperwhiteの新モデル登場

共有する

関連記事

【世界のモバイル】モバイルブロードバンド天国へ!海外で進む高速サービスにみる日本との格差

日本の携帯電話は世界でも最も進んだサービスを提供しているといわれている。ところが海外に目を向けてみれば、日本にはない便利なサービスが多く存在している。特に2006年から各国で開始されている「モバイルブロードバンド」は日本に…

【デジカメ調査室】これからの一眼レフは1000万画素がスタンダード

2006年は、一眼レフのブームや低価格化が進んだことにより各メーカーから数々のデジタル一眼レフカメラが発売された。その中でも脚光を浴びたのが、今回紹介するNikon「D80」とPENTAX「K10D」ではないだろうか。「D80」は、低価格の一眼…

【ケータイラボ】ワンセグ放送が見れる!BRAVIAケータイ「SO903iTV」

「SO903iTV」は、ワンセグ放送を視聴できるBRAVIAケータイ。ソニーとソニー・エリクソンが共同開発した高画質技術「モバイルBRAVIAエンジン」を搭載し、コントラストが高く、メリハリのある映像を表現できる。液晶画面は、携帯電話で最…

【ケータイラボ】au初のテレビ電話対応機種「W47T」

持ち歩いてさっと使う携帯電話にテレビ電話なんて必要なのかなぁと最初は思ったものだ。カップルや親子同士などではアリなんかなぁなどと思ったりもしていた。しかし、知り合いの聴覚障害者がテレビ電話機能を利用して手話で会話してい…

【デジカメ調査室】買うならどっち?初めてのデジタル一眼

昨年9月に発売されたCanonのEOS Kiss Digital Xと、同年12月に発売されたNikonのD40と、現在人気の2台のエントリーモデルを比較してみた。キヤノンのEOS Kiss Digital Xは、デジタル一眼レフブームの火付け役になったEOS Kiss Digital…