オリンピック開催決定!上昇継続の内需株で勝負 注目銘柄を斬る【ビジネス塾】
アベノミクスから始動して以来、日本経済は着実な回復基調にある。当初は、「円安効果」で輸出関連企業が恩恵を受けたが、設備投資意欲の回復、消費の活性化などを受け、内需にも点火、関連銘柄が堅調に推移している。
加えて今回は、2020年のオリンピックの東京開催が決定。恩恵を受ける太平洋セメント<5233>と、直接の恩恵はないが、上昇トレンドを形成し、直近でも年初来高値を更新しているサンドラッグ<9989>に注目してみたい。
■オリンピック関連の太平洋セメント
太平洋セメントの業績が好調に推移し、2013年4〜6月期は最終約20億円の黒字転換を果たした(前期は約53億円の赤字)。この時期の黒字は6年ぶりで、回復を強く印象づけるものとなっている。
7月の国内のセメント販売量が前年同月比で11.2%増(約411万トン)となるなど、需要は7カ月連続で増えている。10%以上の伸びは4月以来だ。背景は東北の復興需要のほか、関東圏で高層マンションの建設が増えていること。さらに4月からセメントを値上げしたことも業績に若干反映した。
復興需要と都心マンション需要は当面続く可能性が大で、業績は底堅い。懸念があるとすれば、中国・南京市の工場が閉鎖を命じられたこと。「大気汚染」が理由だが、同社は当局に命令撤回を求めているが、閉鎖となれば中国での生産能力が3〜4割低下するため、早期の決着が求められる。中国のセメント需要が回復しつつあるだけに、この問題さえ落ち着けば、一段の好業績への期待が膨らむ。
株価はオリンピック開催決定で一段高。年初来高値圏を大きく更新し、いよいよ500円台の大台乗せに期待がかかってきた。
■ドラッグ業界2位のサンドラッグの押し目狙い
ドラッグ業界2位のサンドラッグ。2013年4〜6月期の純利益は前年同期比で19%増(約38億円)と、この期としては過去最高になった。
背景は、猛暑で日焼け止めや殺虫剤といった季節商品の打ち上げが好調だったことと、子会社のディスカウントストア「ダイレックス」で医薬品を強化した効果だ。このディスカウントストアは2009年に買収し、九州、中四国を中心に郊外型で展開しているが、今後は北陸地区などへの出店を強化する計画だ。
7月からは、新たにコンビニエンスストア型の店舗の出店も始めた。まずは都内の住宅地や商店街の空き店舗を中心に展開する。化粧品の比率を下げて高齢者が来店する際のハードルを下げたり、面積が大きい場合は弁当などコンビニ的な品ぞろえを行ったりなど、工夫する予定。
先行き不安を言われることが多い国内小売市場だが、サンドラッグは、高齢者を含め、まだ開拓の余地があるという認識だ。品揃えや店員の専門性、店舗の快適さなどを軸に店づくりを進め、需要掘り起こしを進める戦略である。
同社株は連日、史上最高値を更新中。高値保ち合いから放れてきたところであり、一段高が十分期待できそうだ。
(小沼正則)
※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。
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