「生きようという強いメッセージを伝えたい」 河村隆一が待望のニューシングル「七色」をリリース【前編】
歌手の河村隆一さんが新曲「七色」をリリース。最近はバンドLUNA SEAのボーカルとして全国ツアーも成功させ、個人でのコンサート活動も精力的に行っているものの、シングルのリリースは久しぶりということもありファンならずともどんな思いが込められた曲か興味津々です。そこで発売直前の新曲について思いを語ってもらいました。
「七色」は東海テレビ・フジテレビ系で放送された昼ドラ「白衣のなみだ」のエンディングテーマなので耳にした人も多いでしょう。これは谷村志穂さんの小説「余命」が原作のヒューマンドラマ。生きるということを題材にしたドラマへ、隆一さんはどのような思いを持って楽曲制作をしたのでしょうか。
■生かされた人が毎日をどうやって生きるのか
「僕たちは東日本大震災を経験して、たくさんの人の命が一瞬でなくなるという様子を目の当たりにしました。今回は東北で大きな被害が出ましたが、たまたま東北にいた人もいるし、反対にたまたま旅行に出かけていて直接的な被害を受けなかった人もいるかもしれない。その不公平が運命なのかもしれないけれど、亡くなった人たちのためにも生き残った人間がいかに人生を全うするかということが大切だと思うんです。今回の楽曲は『白衣のなみだ』を受けて作ったもので、ドラマの内容は人の生き死にと関わっています。生き残った人、生かされた人が毎日をどうやって生きるかを一番のテーマにしました。ドラマを見て悲しいと思うのではなく、生きようという強いメッセージを伝えたい」。
ドラマの中で水野美紀さん演じる主人公は医者としての葛藤と成長、自身の妊娠と出産、そして乳がんと様々な出来事に向き合います。医師として、また女性として「生と死」に向き合う彼女を応援する曲は、私たちにも強いメッセージを投げかけています。
いきいきと生きるということは、当たり前のようで簡単ではないのかもしれません。隆一さんはこれを「夢を持つこと」に置き換えて話してくれました。
■夢を見ることができる社会を取り戻してあげたい
「夢って願っても全員が叶うわけじゃない。でも、叶わなくてもその努力してる時間に生きているっていう実感を得られるものだと思います。ところが、今の子どもたちは夢を見ることが簡単じゃなくなっている。今の生活よりも明るくなると考えられず、夢を見ることが現実的ではないと思っている子が多いように感じます。僕は大人の立場としてもう一度、子どもたちが夢を見ることができる社会を取り戻したい」。
隆一さんがティーンエイジャーのころとは社会が大きく違うと感じるそうです。
「僕らの時代は大きい家に住みたい、かっこいい車に乗りたいというステータスがあった。でも今はきっと違う。1980年代をティーンエイジャーとして過ごして、バブルの日本も見てきた。10億円、50億円と稼ぐ人が出てきて億万長者という言葉がなくなった時代だったんだけど、夢を叶えようとしていた人が溢れていた気がします。もちろん夢に破れる人もたくさんいるんだけど、夢を追いかける大きなエネルギーを知っているので今の子どもたちにもっと夢を見てもらいたいですね」。
「七色」の歌詞の中にこんな一節があります。
七色のその羽根は どこまでも 連れていってくれる
世界の果ても 恐れたりしない 想いは トワ…
はっきりと明るい兆しを実感できず、毎日なんとなく過ごしている人が多いかもしれません。隆一さんが現代の日本へ投げかける言葉に子どもだけではなく、大人もドキリとさせられます。
次回は、音楽を通じて力強いメッセージを発信する隆一さんに曲の持つパワーについて伺います。
■リリース情報
「七色」
5月29日 in stores
DVD付き仕様(1890円)・CDオンリー仕様(1260円)の2タイプ
リリースイベント開催!
その他詳しくは河村隆一オフィシャルHPをチェック