オールドタイプのアナタへ 快適テキスト入力のハードウェアキーボード付き端末のススメ【デジ通】




スマートフォンやタブレットといった新世代のガジェットが普及する前の小型の携帯端末(いわゆるPDA)は、ハードウェアキーボード搭載が一般的だった。いまではガラケーと呼ばれる携帯電話はもちろん、小型の端末ではあたりまえのようにハードウェアキーボードが搭載されていた。

最近ではタッチパネルが普及し、画面上に表示するソフトウェアキーボードでほとんどのことができるため、ハードウェアキーの需要は減りつつある。フリック入力に慣れたユーザーだとQWERTYキーボードは、むしろ扱いにくいという感覚になっているのかもしれない。

こうした点で新旧を比べるとソフトウェアキーボード派がニュータイプ、筆者のようなハードウェアキーボード派はオールドタイプに属すると言える。しかし、本格的なテキスト入力ではハードウェアキーボードの方がやはり効率が良い。そこでハードウェアキーがついて文書入力ができる小型の携帯端末を調べてみた。オールドタイプなら使い方次第で、スマホ以上に活用できるかもしれない。





■文書入力だけならポメラ
文書入力に特化した小型端末では、キングジムのポメラの実用度は圧倒的だ。日本語変換にATOKを搭載し、キーボードのサイズやタッチ感も一般的なノートパソコンに近く、テキスト文章を入力するだけなら何ら問題の無い端末だ。他の端末との連携はmicroSDカードやUSBケーブル、QRコードなどを使うのが基本だ。

キングジム 「ポメラ」

■進化を遂げつつある最近の電子辞書
以前からハードウェアキーボードが付いているのにあまり活用されていなかった製品がある。それが電子辞書だ。電子辞書には豊富な辞書機能に、ハードウェアキーボードが付いている。これを活用すれば結構高性能なテキスト入力ツールになりそうだが、そんなマニアックな要求に応えてくれる製品は、いままでほとんど存在しなかった。

最近になってそれを実現した製品がいくつか登場している。それがシャープの「Brainシリーズ」やセイコーインスツルメンツ(SII)の「DAYFILER」だ。

シャープのBrainの一部モデルには「テキストメモ」機能がある。BrainのOSは公表はされていないがWindows CEで、辞書の追加だけではなく、アプリケーションソフトも追加できる。

この「テキストメモ」は富士ソフト製のアプリケーションで別売りもされているが、PW-A9300やPW-A7300にはプリインストールされている。データはUSBやmicroSDカードを経由して他の機器と連携できる。

シャープ 電子辞書「ブレーン」

SIIのDAYFILERはOSにAndroidを採用しWi-Fi機能も搭載する。ただOSはSIIでカスタマイズされているので、一般のAndroid端末のようには使えないが、テキストエディタはプリインストールされており、テキスト入力や辞書機能からのコピーなども比較的簡単にできる。Wi-Fi経由でWebブラウザなども利用できる。

ただ、Google Playには対応していないので、Android用のアプリを入れるのはある程度の知識がいるが、EvernoteやDropboxを入れることも可能なので自動データ連係も可能だ。

SII 電子辞書「DAYFILER」

本体が小型軽量かつキーボードの使い勝手が良いのはポメラだが、OSにAndroidを使用しWi-Fi機能も備えたSIIのDAYFILERは今後の進化に期待できる。しかし、電子辞書の問題点は、キーボードが電子辞書用に特化しているという点だ。

大きさの問題以前に、電子辞書では句読点やスペースなどは利用しないため、機種ごとに異なるがキーボードがかなり簡略化されている製品が多いのだ。そのためパソコンライクなキーボード操作は難しい。現在のモデルでもある程度割り切れば使えないことはないが、キーボードもよりパソコンライクな文字配列とキー数を持つモデルの登場を望みたいところだ。

スマホやタブレットに対する差別化として、そういったテキスト入力機能を持たせれば、ハードウェアキーボードが付いているという理由で、スマホやタブレットに追加する形で購入してくれる人が増えるかもしれない。こういった小型のデバイスを駆逐するのではなく、うまい具合にスマホやタブレットと共存できる道を探るのも非常に重要なことであろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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