ゲーム機ビジネスの牙城を崩せるか? NVIDIAの携帯ゲーム機SHIELDが正式発表【デジ通】





NVIDIAが2013年1月に公開したAndroid搭載の携帯ゲーム機「Project SHIELD」の詳細が発表された。正式名称はProjectが取れて「SHIELD」となり、アメリカでの価格は349ドルで6月の出荷を予定している。5月20日から予約受け付けが開始される。

日本での発売日などは後日案内されるだろうが、以前案内されたように北米以外は順次販売されるため、早ければ夏頃、遅くとも年末までには販売されると思われる。そもそも、このSHIELDはゲーム機としてどのような位置になるのだろうか。■SHIELDは新しいゲーム機の枠となれるか?
現在、ゲーム専用機は、自宅内でプレイする据え置き型(PS3、Xbox 360、Wii、Wii U等)と外に持ち出せる携帯型(PSP、PS Vita、ニンテンドーDS、ニンテンドーDS Lite、ニンテンドー3DS、ニンテンドー3DS LL)に分かれている。そこにスマートフォンやタブレット、パソコンなどの基本的には別の用途で使うがゲームもプレイできる汎用型のガジェットがある。

さて、それではNVIDIAのSHIELDは、どの位置に来るのだろう?

SHIELDの見た目やサイズはXbox 360のコントローラーに液晶画面を付けたような感じと、一般的な携帯型ゲーム機よりは、大柄だが持ち運べないということもなさそうだ。バッテリー駆動できることを考えると、やはり携帯型ゲーム機と言えそうだ。

しかし、単なる持ち運びができるゲーム機ではなく、HDMI経由で大画面テレビにゲームの画面を表示することもできるし、GeForce系のGPUを搭載するPCからゲーム画面をSHIELDに表示して遊ぶリモートプレイにも対応しており、据え置き型のようにも使えるのだ。

搭載するOSは、Android 4.1 Jelly Beanなので、Androidの最新端末としてゲーム以外にGoogle Playから多くのアプリを落としてインストールできいるようになっている。。

CPUは最新のNVIDIA Tegra 4が採用されており、その性能は他の携帯ゲーム機以上の性能だと目されている。もちろん、最新のスマートフォンと比べてもかなり高スペックになる。NVIDIAはこの製品のアナウンスの中で「open platform gaming portable」と呼んいる。ゲーム機ながら、オープンな環境という、いままでにない環境になる。

従来のゲーム機は、ゲーム機本体を提供している会社のライセンスの元でソフトを開発・販売され、外部のソフトメーカーはゲーム機本体の会社にライセンス料を支払いゲームを販売している。しかし、SHIELDの場合、Androidを採用しているため対応ソフトの開発は自由、そしてNVIDIAにライセンス料を支払う必要がない。

一般のゲーム機は、場合によっては本体を赤字で販売し、一般に広く普及させ、ソフトを売り上げる利益で全体の収益を確保する。SHIELDの場合、ソフトは自由に開発できるため、NVIDIAは本体の販売だけで利益を確保するという、従来のゲームのビジネスモデルとは、大きく異なっている。

これをゲーム専用機のメーカー(SCE、マイクロソフト、任天堂)が、どう見るかといった点が興味深い。NVIDIAは、TegraZoneと呼ばれるAndroid向けのゲーム専用サイトを用意しており、Google Play以外でも、そこからダウンロードすることもできるようになっている。

本体もオープン、ゲームもオープンといったSHIELD、ゲーム専用機とは大きく異なるビジネス形態になっているが、ゲームを出すソフトウェアハウスは、Android向けのゲームを開発すればいいいわけで、すでにある環境を活用できるといった点では、開発環境を新しく用意しなくていいといった点でも、今後の展開が楽しみだと言えるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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