映画「おしん」特報が遂に公開、父親役に稲垣吾郎が決定
「おしん」とは?
1983年、橋田壽賀子原作で、NHK朝の連続テレビ小説として放送され、社会現象となるテレビドラマ。今から約100年前に、山形県の寒村に生まれ、苦難を強いられても決して負けることなく生きる女性・おしんの姿は日本全国を感動に与え、平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%を記録した(この記録は未だ破られておらず、テレビドラマの歴代最高視聴率記録となっている)。さらに、日本のみならず、これまで世界86の国と地域でも放送され、多くの人々に感動を与えた。放送開始から30年。記念すべき今年に、「おしん」の物語が新たな装いを得て、スクリーンに登場。本作は「おしん」の少女時代に焦点を当て、いまだに日本の原風景が残る山形県の厳しくも雄大な自然の中で、数々の困難にぶつかりながらも、家族を想い、ひたむきに、愛らしくおしんが成長していく姿を描く。
撮影は気温が常にマイナスとなる厳冬期、気象庁の統計開始以来新記録となる積雪や、吹き荒れる突風により雪が舞いあがり、ホワイトアウトするなど厳しい環境の中、山形県全域で実施。宮崎県出身で、本作が本格的なデビュー作品となる主演・おしん役の濱田ここね(8)は、極寒の山形県での撮影に単身で臨み、初めて見る雪の中で草鞋にボロの着物で歩いたり、手がちぎれるかと思うばかりの川の冷水に手をつけ洗濯をするなどの過酷なロケも懸命にやり遂げ、壮絶なシーンの数々を乗り越えて、心根から「おしん」になった。
テレビドラマ版であまりにも有名な名場面、最上川を筏(イカダ)で下るおしんの姿は、本作においても鮮烈な印象を残すシーンとして描かれており、決死の覚悟で奉公へと出発する彼女の身を案じながらも涙で見送ることしかできない母親・ふじ役の上戸彩が、そしてテレビ版ではその母親・ふじ役で出演していた泉ピン子が、本作では奉公先である加賀屋の大奥様役として登場している。
さらに、この特報では父親・谷村作造役を稲垣吾郎が演じることが明らかに。谷村家の大黒柱として、おしんや上戸彩演じる妻のふじにきつく当たるシーンや、奉公先より勝手に戻ったおしんに対して厳しく叱責するなどの激しいシーンなどもあり、ドラマ版で同役を演じた伊藤四朗に対して当時、視聴者からクレームが殺到したほどの役となっている。
稲垣自身、ドラマ版放送時10歳だったが、両親が観ていて記憶に残っている作品であり、現代にも通じるテーマの本作への出演は、ドラマ版との比較もありプレッシャーのかかる難役だが、今の世代の自分が演じられることに光栄だと出演を快諾。『おしん』の作品世界にお客さんをすんなり引き込みたいという意向で、役作りは本人自ら提案して作り上げ、長髪姿から一変して無精ひげに短髪姿と見せたことのない一面を披露。多忙なスケジュールの中で、他キャストとともに極寒の山形ロケを敢行している。共演経験のある上戸彩との夫婦役はもちろん、見せ場でもある奉公先から帰ってきたおしんを厳しく叱責するシーンでは、おしん役の濱田ここねに「お芝居をする稲垣さんは普段テレビで見ているSMAPの稲垣さんとは全然違って凄い迫力ですごいと思いました」と言わせる熱演を見せており、早くも完成に期待が高まっている。以下、稲垣の現場コメント。
――「おしん」は両親から叱られるネタだった
稲垣:僕はちょうど「おしん」の記憶がある世代で、ドラマの放送時は10歳でなんとなく覚えています。「おしんがこれだけ頑張っているんだから、あなたも頑張りなさい」という風に、両親に怒られるネタに使われていました。――新しい僕が満載!「おしん」ではみたことのない僕を見て頂けると思います。
稲垣:これまではエリートやシティボーイを演じる事が多く、「おしん」の作造は真逆の設定。無精ひげ、日焼けメイク、初めての方言、貧しい設定など、すべてが初めてのチャレンジになります。特に髪型は自ら提案しています。僕は髪が長くてくるんとはねている固定のビジュアルイメージがあると思うのですが、ガラッとビジュアルを変えた方が作品世界にお客さんを引き込むことができると思いました。僕も普段の自分を忘れて役に没頭できるのでやり易いです。――記録的な寒さの中、山形での撮影
稲垣:記録的な降雪でスタッフの方々は大変だったと思うのですが、この環境が作品世界に誘ってくれるので感謝しています。最上川で撮影した、おしんが奉公に出る別れのシーンは本当に凄い大ロケーションです。僕は個人的にも庄内が大好きです。――おしん役のここねちゃんは太陽のような存在
稲垣:おしん役のここねちゃんに初めて会った時は現代の格好をしていたので、おしんのイメージがぴんとこなかったんですけど、撮影で庄内に入って衣装を着てメーキャップをして現場に居るここねちゃんの姿を見たら、おしんそのものでなるほどなという感じがしました。とにかく過酷な状況下の撮影で一生懸命頑張ってるここねちゃんの姿は見ると胸がしめつけられる思いで、僕らも初心に戻って頑張らなきゃという気持ちあにさせてくれるし、小さいけど座組みの座長で太陽みたいな存在です。――上戸彩と兄弟から夫婦に
稲垣:母親役の上戸さんとはドラマ『流れ星』で兄弟役で、今回夫婦役って凄いですよね。でも何か縁があるのかなと思いますね。しかも今回彼女は母親役。この時代にも不思議とハマっていて、新しい上戸さんが観られると思います。――どんな時代にも通じるものがある
稲垣:おしんの健気に頑張っている姿は感動するし、どんな時代にも通じるものがある。どんな世界を生きている人間にも通じる。海外でもこの作品が評価されているのはそういうところにあると思いますし、人が生きる意味では普遍的な作品なのかなと思います。今の時代に必要な作品だと思ったし、携われることを光栄に思っています。・映画「おしん」公式サイト