禅(Zen)をカスタマーサービスに!Zendesk 日本法人を設立へ


ヘルプデスク業務を安価に構築!音声通話をサポートした「Zendesk」の魅力』でも紹介したように、Zendesk(ゼンデスク)は、顧客サービスに関わるあらゆる窓口からの問い合わせやコミュニケーションを一元管理できるシステムが特徴のカスタマーサービスツールだ。

導入企業に合わせてカスタマイズを行なうことも可能となっており、たとえば企業のカスタマーサポート部門とマーケティング部門で対応状況や顧客情報を共有できたりと、この手のサービスツールでは珍しくマルチチャンネルに対応できたりと、画期的とも言えるカスタマーサービスを提供している。

そのZendeskが2013年3月12日、「Zendesk日本法人設立」の記者発表会を開催した。発表会では、来日した米Zendesk CEOミッケル スヴェーン(Mikkel Svane)氏 による挨拶に加え、Zendesk ジャパン カントリーマネージャー 國村 寛 氏によるZendeskの紹介や日本展開に向けた事業戦略説明などがあった。
■禅(Zen)をカスタマーサービスに - 米Zendesk CEOミッケル スヴェーン 氏
発表会は、まず米Zendesk CEOミッケル スヴェーン(Mikkel Svane)氏による挨拶から始まった。

同氏は開口一番、日本語で「こんにちは、みなさん。花粉症、大丈夫ですか?」と話し、来場者を沸かせた。
米Zendesk CEOミッケル スヴェーン(Mikkel Svane)氏


その後は英語によるスピーチに切り替わったが、日本語の同時通訳が行われていた。同氏は、
「本日のニュース速報を申し上げます。2013年2月28日、Zendeskは日本法人を立ち上げ、株式会社となりました。」と、日本法人設立を高らかに宣言した。

そもそもZendeskは、東京都(人口約1300万人)の半分以下、人口600万人に満たないデンマーク王国がルーツだという。名称の由来だが、「禅(Zen)をカスタマーサービスに」という意味合いが込められている。

音声によるコールセンターへの電話、電子メール、ソーシャルメディア(SNS)、ライブチャット、ホームページに組み込んだライブコミュニケーションに対応できるほか、CRMソリューションのセールスフォース・ドッドコムやWordPressなどとも共存できるという。

このZendesk 、5年前の利用者は全世界で100社程度だったが、ところが5年間で2万5000社以上に導入されるようになったというから驚きだ。現在世界140か国で展開されており、日本へは2012年5月より日本語版の提供を開始し、100社以上の導入実績を誇る。


同氏は、日本のサービス精神が世界的にも有名であることを話したのち、
「日本には長いカスタマーサービスの歴史があります。Zendeskを日本に持ってきたのは自然の流れであると言えます。また米国に比べ、日本の顧客がソーシャルメディアを問い合わせ窓口として利用する可能性は、倍以上と推測しています。」と、米国市場と日本市場の違いについて語ってくれた。

同社は現在、日本市場の拡大に全力を尽くしているが、2013年には、さらに7人のスタッフを採用するとのことだ。


■サーポートをスムーズに行える - Zendesk ジャパン 國村カントリーマネージャー
引き続き、Zendesk ジャパン カントリーマネージャー 國村 寛 氏からZendeskの説明があった。

國村カントリーマネージャーは、
「日本語のウェブサイトから無料トライアルにご登録いただいて、まずはお試しいただけます。」と、無料トライアルで手軽にZendeskを体験できることを強調していた。
Zendesk ジャパン カントリーマネージャー 國村 寛 氏


同氏によると、パスワードのようなありがちな取り合わせについては、あらかじめテンプレートを作ることによって、顧客へのカスタマーサーポートをスムーズに行うことができるとのこと。

その良い例としてプレゼンでは、顧客からカスタマーサービスへのパスワードの問い合わせについてのデモンストレーションが行われた。
カスタマーサービスへのパスワードの問い合わせについてのデモンストレーション


■カスタマイズできるZendesk
発表会では、実際にZendeskを活用している企業のゲストスピーカーが実際の使用感を語ってくれた。Zendeskは、デフォルトのままで使えるが、先述したように企業ごとにカスタマイズして使うことができるのが大きなメリットだという。

Sansan株式会社は、2012年より、同社の名刺管理サービスで企業向けの「Link Knowledge」、個人向けの「Eight」のカスタマーサポートにZendeskを利用しているとのこと。

同社 サポートグループの 綱島 芳紀 氏は、
「Zendeskを導入して検索性が飛躍的にあがりました。Zendeskをカスタマイズすることで、顧客が問い合わせをする前に、容易に解決方法にたどり着き自己解決することが増えた。」と、Zendeskをうまくカスタマイズしたことで、今までよりもサポートがスムーズに行えるようになったことを語ってくれた。
Sansan株式会社 綱島 芳紀 氏


セレゴ・ジャパン株式会社は、英語を手軽に学習できるサイト「iKnow」を運営しており、FacebookやTwitterを利用したカスタマーサポートを行っている。

同社 QA・テクニカル・サポートの高橋 功 氏は、
「顧客の声をピックアップできる素晴らしいチャンネルでないかと感じています。たとえば、Twitterでつぶやく顧客は、ダイレクトにサポートを必要としている顧客ではありませんが、弊社ではそういった、ちょっとした声をリアルタイムにピックアップできるチャンネルではないかと感じています。」 自社サービスに対する顧客のちょっとした不満のつぶやきを集め、それらを改善していくことで満足度を上げて行くわけだ。

「また、ユーザーの方が使い慣れたTwitterやFacebookでコミュニケーションを取れるというのは、ユーザーの方にとっても非常にメリットがあるのではないかと感じています。」と、Zendeskと既存のサービスを組み合わせたカスタマーサポートについて語ってくれた。
セレゴ・ジャパン株式会社 高橋 功 氏


Zendeskは、従来のカスタマーサポート向けのツールとは一線を画した「かゆいところにも手が届く」まさに日本的な和風サービスが組み込まれたサービスだ。今後の日本での事業拡大を図ることで、より優れた顧客満足度の高いカスタマーサービスを提供できるよう、より一層のイノベーションに引き続き取り組んでいくとしている。

現在使っているカスタマーサポートツールに不満を感じているのであれば、まずはZendeskを無料体験してみるとよいだろう。

Zendesk日本語版

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