3万円で新品が買える時代 中古PCを買う意味はあるか? 【デジ通】


Windows 95で爆発的に普及が加速したパソコン。昔は高価な機器で20〜30万は当たり前だった。Windows 98時代になると10万円を切るモデルが出始め、以降パソコンの価格は年々下がってきている。日本ではOfficeソフト付きが人気だったり、国内メーカーのハイスペモデルが売れているため、海外に比べると販売価格はいまだに高いが、それでも値下がり傾向には変わりはない。

新品パソコンの価格はメーカーや機種にもよるが、5万円から15万円程度が中心だ。一方、中古品は物にもよるが5万円前後で売られている物が多いようだ。5万円前後で新品のパソコンが買えるなら、中古品の需要なんかなくなるんじゃないかと個人的には思っていたが、それなりに売れているようだ。新品が値下がり続ける中で中古パソコンはお得なのだろうか?

■中古PCに含まれる問題点
中古製品は誰かが利用した後のパソコンで、どんな使われ方をしたのかわからない。中古品販売業者はOSやソフトなどを再セットアップし、本体のクリーニングをするなどしている。動作確認は取っているはずなのでパソコンの機能自体には問題ないが、新品と比べると古い分スペックも落ち、キーボードに使用感があったり、細かな傷などが付いている場合もある。

その中でも、NECのリフレッシュPCなどは、新品を提供したメーカー自体が中古として再生するため、品質は高く維持されている。また、中古で心配な保証期間も長いなど、製品自体はもちろん、アフターサポートも安心だ。

中古販売店では、安い物は2万円程度から販売されているが、そこそこ使えそうな比較的新しい製品は4万円前後から販売されているようだ。当然、発売された当時の価格に比べると圧倒的に安いが、新品を3万円程度で購入できることを考えると微妙なところだ。

■昔と違ってハイスぺモデルが急激に安くなることはない
2〜3年前のスペックでもミドルレンジ以上の製品なら、十分実用に足る性能を発揮してくれる。2年前に25万したPCが5万円で買えるというのなら、中古を購入するという手もあるが、10万円程度の値段が付いていることが多く、その10万円で買えるPCを見回すと、直販メーカー製だと、中古PCよりスペックが良かったりするようになってきた。

例えば、新品の日本HPの「Pavilion Sleekbook 14b-107AU」は配送料など込みで、新品が32,970円で購入できる。これはCPUがAMD E1-1200 APU (1.4GHz)で若干スペック的に弱いため、もうすこし今風なスペックのモデルをピックアップすると「Pavilion g6-2301AU」となり、こちらはAMD A8-4500M APU (1.9GHz)を搭載し価格は送料込みの価格は53,130円となる(価格は記事執筆時点)。

日本HPの新品より安い中古品も当然ながら存在しているが、中古品でもそこそこ使える仕様で探すと、これと同等かもしくは値段が高くなる中古品も少なくない。

例えば、前述のNECのリフレッシュPCは、品質自体が高く、マイクロソフトのOffice付きも多い。そして何より日本の国内メーカー製という安心感という付加価値が付いている分それほど安いわけではない。それなら誰も触れたことのない新品のPC、それも直販メーカー製を買ってしまうほうが安上がりだったりする。

■スペック等の判断を自己責任できないなら新品を買うべき
もちろん新品と中古のどちらがいいかは、本人の価値観によるところも大きいし、何を重視するかによっても変わってくる。

新品の価格が下がれば中古の価格も下がる。ただ中古品はいつ、どのモデルがいくらで売られているかはそのとき次第で、狙って買えるということは少ない。店頭などで並んでいる中古PCをみても、PCのスペックに関する知識が無いとその機種がその価格で妥当かどうかの判断は難しい。

掘り出し物的な中古PCもあるので、言下に中古は良くないというつもりはないが、新品と中古のどちらが得かは購入する人が何を重視するかによって変わってくる。せめて、購入する前に新品も含めしっかりと情報収拾を行い、スペックや付属ソフト、保障内容をしっかりとチェックした上で判断することを忘れてはいけない。

情報収集やスペックに関する知識がない人は、粗悪な中古PCを掴ませられないためにも素直に新品を購入することを強くおススメする。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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