Bluetoothを使った交通情報システムが、 カナダ・カルガリーで稼働【サイエンスニュース】




Bluetoothは、電子機器用の無線通信規格だ。最近の携帯電話やスマホの通話などに用いられるヘッドセット、オーディオプレイヤー、ノートパソコンなどの多くはこの規格に対応している。通信距離は数m〜数十m程度と短いが、消費電力が少ないため、モバイル機器での利用に適している。主な用途はワイヤレスでの音声伝送やデータの転送などだが、カナダではBluetoothを応用した交通情報システムが稼働を開始した。

カルガリーの幹線道路、Deerfoot Trail(距離は約50km)には、道沿いに15箇所のBluetoothセンサーと、7つの電光掲示板が設置されている。ドライバーのBluetoothデバイスには、それぞれユニークなID(MACアドレス)が割り当てられており、道路に設置されたセンサーがこのMACアドレスを収集する。収集されたデータを元に、渋滞状況が計算され、所要時間を電光掲示板に表示する仕組みだ。プライバシー保護のため、収集されるのはあくまでもMACアドレスのみで、その他のデータは収集しない。カルガリー市によれば、Bluetoothデバイスを使うドライバーが増えれば増えるほど、システムの精度も向上していくという。

Bluetooth交通情報システムの運用時間は平日の午前6:30から午後6:30だが、システムの信頼性が確認されれば、運用時間が延長される予定だ。今後、カルガリー市では、Bluetoothのセンサーを26箇所、電光掲示板は15個に増やし、市内の通勤経路をカバーする計画である。ドライバーは掲示板に表示される所要時間を見て、リアルタイムに最適な経路を選べるようになるため、交通渋滞が減ると期待されている。

(文/山路達也)

記事提供:テレスコープマガジン

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