半分あきらめていた並行輸入品のトラブル 海外サポートへの連絡で急転直下の神対応へ【デジ通】


先日、サンディスクのメモリーカードが故障し、輸入仕様(並行輸入)パッケージのため日本でのサポートが受けられず、海外サポートに問い合わせを行い返品プロセスまで進んだところまでレポートした。

海外のサポートによる対応ということで、うまく行けば海外からの返品、そうでないならば、間違いなくサポートを断られると思っていた。ところがところが、信じられないことに最初断られた日本で返品を受けることができるようになったのである。メモリーカードメーカーで最先端を行くと謳うだけあって、さすがのサンディスク、まさかの神対応である。

筆者が神対応を受けることができたからといって、皆が受けることができるかもわからない。そもそも並行輸入品を購入した段階で自己責任なわけだし、同じような状況に陥っている人が大勢いるとは思えない。ただ、日本での正式なサポートが受けられないのは承知したうえで、できる限りのことは試した方がいいだろうというのが結論だ。
通常、日本のサンディスクがサポートするのは国内の正規パッケージ品だけだ。これはメモリーカードだけに限らず、CPUなんかもリテールとバルクで対応が異なったりすることから、正規品以外は正式に対応することはないと保証書などに明記されている。

前回説明したようにトラブったのは、正規品の1/3程度の価格で購入した海外仕様の並行輸入品だ。この場合日本での公式サポートの対象外となる。ダメもとで日本のサポートに連絡したところ、案の定、断られたため、仕方なく海外のサポートに問い合わせたわけである。英語でのやり取りとなるが、このやりとり自体は非常に順調だった。

サンディスクの海外サポートサイトから、状況を書き込んで送信、おおよそ半日後には返事が来た。基本的な操作からWindowsのレジストリエディター(regedit)を操作する方法まで試した。それでも読み書きできないことがわかったため、数回のやりとりの後、RMA(Return Merchandise Authorization)という返品プロセスまで進んだ。

返品処理は台湾で行うというようなことがメール内に書かれており、住所などを英語で返信すると、返品のレビューまで2営業日かかるという連絡が来てから、ぱったりと返事が止まってしまった。

このため「ああ、やっぱり返品対応は無理なんだろう・・・」と思っていたのだが、おおよそ5営業日後に「日本仕様の製品を返品する」という連絡が来た。「住所などの連絡先を日本語で返信しろ」という要求があり、その通りに返信した。その後、今まで対応していた海外サポートから、一度は断られた日本のサポートへと引き継がれるというウルトラC級の神対応に驚いてしまった。「サンディスク△(さんかっけ〜:さんカッコイイ)」である。

海外サポートは、英語メールによくある無駄な挨拶文などのないビジネスライクな文章だったが、日本のサポートから届いたのは、「弊社の製品をご利用いただきまことにありがとうございます」的な日本のビジネス文章で、このメールを読んだ時にはっきりと日本の公式サポートからのメールであることがわかるものだった。

このメールを読んだ時に、英語でのやり取りの緊張感から解放されたと同時に、どっと疲れがやってきたのも事実だ。そのメールには、日本のサポート窓口へ故障した製品などを送れとあったので、製品を送るとおおよそ3日後には日本のサポートから日本仕様の正規品となって戻って来た。

「安いからと並行輸入品に手を出したら、不具合が発生、当然日本でのサポートを断られたので海外サポートに問い合わせたらまさかの神対応」と、巨大掲示板のスレッドが立ちそうな話だ。以上が非正規ルートで製品を購入したにも関わらず最終的には日本の公式サポートを受けることができた、というウソのようなホントの話の顛末だ。

なぜこのような対応になったのかは、サンディスクにこの件を取材していないためわからない。繰り返すが筆者がたまたま幸運だっただけで、同じ対応をしてくれるとは限らないことに注意してほしい。

今回のメモリーカードに限らず、海外仕様品などを購入し同じような状況になっている人は、頑張って海外サポートに問い合わせてみることをおすすめしたい。英語でのやり取りというハードルはあるが、ひょっとすると正規品の1/3の価格で購入した並行輸入のメモリーカードが無償で直るかもしれない。

今回の件で「何も心配せずに最初から最後まで公式対応を行ってくれる正規品のありがたさ」を実感したのも事実である。お金に余裕があるのなら、正規品を購入しておくと、あとでトラブルが起きた時にスムーズに対応してもらえるということは理解しておいてほしい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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