香港映画界が生んだ“世界の巨匠”に迫る 『映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』公開決定


 香港を代表する映画監督・ジョニー・トー(杜蒞峰)。黒社会(香港の裏社会)を舞台に、犯罪組織の非情な権力闘争を描いた監督作『エレクション』はカンヌ国際映画祭のパルム・ドール候補となり、彼自身も2008年のヴェネツィア国際映画祭、2011年のカンヌ国際映画祭の審査員をつとめるなど、世界的に評価されている巨匠監督である。クエンティン・タランティーノも「最も好きなアジア人監督はジョニー・トー」と発言しており、彼の熱狂的ファンであることを公言している。

 このように世界的に高い評価を受けながらも、トー監督は徹底して香港・中国での映画製作にこだっている。その理由はいったい何なのか。そんな映画監督ジョニー・トーの映画観に正面から迫ったドキュメンタリー作品『映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』の公開が決定した。

 本作では2003年から8年もの歳月をかけ、ジョニー・トー監督の撮影現場やスタジオなどで取材を敢行。トー監督の他、彼の映画に欠かせない存在であるリッチー・レン、サイモン・ヤム、アンソニー・ウォン、レオン・カーフェイ、ルイス・クーといった俳優陣、スタッフ陣らへのインタビューも収めている。また彼の代表的作品『エグザイル/絆』『ザ・ミッション 非情の掟』『エレクション』などの名作や、本年度アカデミー賞外国語映画賞の香港代表となった最新作『奪命金』など、多くのメイキング映像も登場。おもに彼の“フィルム・ノワール”(犯罪映画 )に関する側面を捉えた作品となっている。

 監督はフレンチ・フィルム・ノワール文化の中で育ったフランス人映像作家、イブ・モンマユー。彼はジョニー・トー以外にも、三池崇史監督や宮崎駿監督など、さまざまな映像作家に密着したドキュメンタリーを手がけている。
 本作公開と同時に、ジョニー・トー監督の最新作『奪命金』も公開となる。より「ジョニー・トーの世界」を感じたい方は、2作品合わせて鑑賞したいところだ。



『映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』は2013年2月16日より 新宿K’s cinema、シネマート心斎橋よりロードショー 全国順次公開
『奪命金』は2013年2月9日より 新宿シネマカリテにて全国順次ロードショー

映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて - 公式サイト
『奪命金』 - 公式サイト

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