なぜこんなに面倒なの? ネット時代のサービス解約手続き【デジ通】


いまではインターネットでは、ほとんどの物が買えるし、確定申告など行政手続きなどもインターネットを通してほとんどのことが出来るようになりつつある。様々なサービスの加入やコース変更などもインターネット経由で行えるなど、非常に便利な世の中になりつつあるが、一部のサービスでは解約がややこしく面倒な仕組みになっており「どんだけ解約させたくないんだよ!」、「解約できたら誰が二度と加入するか」と思えるサービスもある。

一方、そんなことが出来るなら止めることは無いと思わせるようなサービスもある。たとえ解約でも顧客を逃さないような取り組みは、サービスを提供する側にとって非常に重要だ。■面倒な解約手段
最近では3Gや4G回線などを使用したモバイルルーターも種類豊富になり、バッテリ駆動時間や速度含め快適に利用できるようになってきた。それまで、外出先などで高速なインターネット回線を使うには街中に設置されたホットスポットサービスが便利だった。個人的な利用範囲では、NTTコミュニケーションズが提供する「HOTSPOTサービス」が便利だったので何年間も利用していた。

海外でのローミングでも活用できたが、ここ数年、モバイルルーターでのどこでも利用できる環境の方が便利になったため、ホットスポットサービスの活用機会が無くなったのでこのサービスをやめることにした。

解約方法を調べるとWebサイトにある解約用の用紙を印刷して、手書きで書いて、サービスセンターに郵送するしか手段が用意されていなかった。携帯電話を解約する際は、たいていどこにでもある近所のキャリアのショップに出向き日割り計算(解約月は割り引かれたりするが)などを行えばすぐに手続きが完了する。いっぽうHOTSPOTの場合、用紙を郵送してサービスセンターで解約手続きが行われなければ解約が出来ない。

利用料金の日割り計算もない。書類を郵送してからまったく音沙汰もなしで突然解約されるということになる。実際、筆者は2012年2月後半に書類を郵送したが、まったく音沙汰がなく3月になってから解約が認められたので、3月分の使用料金も払ったことになる(その分の使用料は戻ってこない)。

原稿執筆時点(2012年5月)では、ようやくインターネットや電話での解約ができるようになったようだ。HOTSPOTの解約で郵送での面倒な手続きを利用したユーザーの多くは、「解約するのがこんなに面倒なら、今後機会があっても、他社のサービスを使おう」とまず間違いなく思っているだろう。かくいう筆者もその一人だ。

アカウントをホールドできるHulu


■使わない時に料金発生を止めることができるアカウントホールド
Huluという映画やドラマを有料で配信するサイトがあるが、しばらく見ている暇がなかったので、こちらもとりあえず解約しようとした。すると、解約ではなく「アカウントホールド」という仕組みが用意されていることを見つけた。アカウントホールドは1週間単位で12週間までアカウントを文字通りホールドしておける機能で、その間支払いも停止する。アカウントホールドはいつでも解除できるし、その間にやめることもできる。

とりあえず、料金を支払う必要がないならギリギリまでアカウントをホールドし、暇になったらまた視聴できるようにすればいいということで、解約する必要がなくなってしまった。解約しなければ、ユーザーとしてはいつでも有料サービス利用を再開できるし、サービス提供側も一度辞められてしまっては、サービスに再入会させるのに非常に苦労するだろうという。その両方を満たせるアカウントホールドは、なかなか優れた仕組みだと思う。

入会は簡単だが、解約が面倒だったり、料金の支払いを止めるにはやめるしか手が無いという方法ではなく、いくつかのオプションを用意して、ユーザーに解約以外の方法を選べるようにするというのもサービスという点では重要だろう。

HOTSPOT
Hulu

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。


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