敗者は去れ? 再挑戦を認めるか認めないかで荒れるクラウドファンディング「studygift」
筆者がこの騒動を見て最初に思ったのは「見事に決まった炎上マーケティング!」という感想だ。これ絶対うまく行っていると思う。なにしろ集まった金額が、もう97万5千円と、5月18日にサービスインして、あっという間に目標額87万1566円の109%という金額を集めた手法は見事というしかない。
わずか数日でここまで集めるとは良くも悪くも、“相当話題”にならないと無理だろう。人命がかかっている臓器移植の募金集めといったことですら、いまでは目標額が集まらずに失敗するようなケースもある。そんな中でこうした見返りを求めない篤志家を集めるようなサイトが静かに立ち上がったのなら「ふ〜ん、まあ頑張りな!俺は絶対金出さないけどなwww」という感想だけでスルーされるのが落ちだ。某痛いニュースあたりのまとめ記事になってDAT落ちするくらいの話題にしかならなかったろう。
これ、最初の勢い、いわば打ち出し時の初速が相当の勢いでないとかなりの無理ゲーになってしまったと思う。このサービスを考えた人は、おそらくその辺まで考慮して炎上マーケティングを仕掛けたんだろうと思う。
しかし、それに見事に釣られた「正義感バリバリの善人連中」のみなさまが大声で批判を展開したもんだから、反対意見の人たちが修造バリに熱くなって「俺達、応援しちゃうZE! ほら5千円だYO!」ってガンガンお金が集まってしまったように見える。学費を求めている人への批判が強ければ強いほど、その反作用も同様に強くなった結果があの金額と思えばいいのかもしれない。
まず話をシンプルにすると
1)経済的事情その他で学生生活が続けられないという人がいました。
2)それなら俺らが何とかしてあげるよ!という人達と出逢いました。
3)サポートの手段がネットでお金を集めるクラウドファンディングでした。
上記の結果立ち上がったのが学費支援プラットフォーム「studygift」。その第1号として選ばれたのが「坂口綾優さん」(以下、坂口さん)だ。目標額の75%までが支援で残りは自腹とか、メルマガ発行や株主総会と称した報告会、企業サポートの場合はロゴシールを使っているPCに貼ったりといった特典などがあったようだが批判が集まったのは坂口さんにほぼ一極集中。
これ、むしろ批判をするならサポートの仕組みを作ったstudygift側でしょ? どういった経緯があるのかは別にして学生を続けられなくなってしまった坂口さんにしてみれば、何とかして再開できる手段があるなら、その手段を取るのは当然のことだ。もちろん、それと同時に親に相談したり、もっと条件のいい仕事を探すといったことも並行して行っているだろう。
「何ぬるいサービスのサイト立ち上げてるんだよ!」「敗者は黙って去るべきだろ!」「いまの日本じゃ、失敗したらやり直しきかねーんだ!余計なことすんじゃねー!」というようなstudygift側への批判はほとんどなく、支援を求める坂口さんが叩かれるように叩かれるように“狙って”サイトを作成しているとITライフハックを運営している筆者には見えるんですけど、どうなんだろう?
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