これは気づかなかった!古いノートPCがWebテレビに格安で変身する裏技


最近の液晶テレビの進化は目覚ましく、地デジ化が完了したと思ったら、今度はインターネットに接続できる「Webテレビ」や「スマートTV」といった新テレビも登場してきた。

Webテレビは、インターネットをテレビで利用できるため、テレビ画面でホームページを見たり、メールが見られたり、動画サイトを楽しめたりするので、今までのテレビにない面白さと便利さがある。

とはいえ、最新のWebテレビともなると、10万円くらいの出費は覚悟しなければならないため、かなり予算的の苦しい。

そこで、少し冷静に考えてみた。
以前、知り合いに、HDMI端子を備えたノートPCがあれば、Webテレビのような使い方ができる裏技があると聞いたことがあったのを思い出した。
さっそく部屋の中を見渡すと、パフォーマンスが低くて、今は使ってないHDMI端子を備えた古いノートPCがあったので、裏技を使ってWebテレビを格安で実現してみた。

この裏技は、ノートPCのハードディスク(HDD)を高速なSSDに交換して、液晶テレビにHDMI経由で接続するという意外と簡単なものだ。これだけで、最新のWebテレビよりも快適なWebテレビシステムが構築できるという。

名付けて、「Webテレビを格安で実現する裏技」だ。

■ポイントはSSDで古いノートPCを高速化だ
最初に、今回使用したアイ・オー・データ機器のSSD「SSDN-SVシリーズ」について、簡単に紹介しておこう。

「SSDN-SVシリーズ」はSerial ATA接続の内蔵2.5インチSSDだ。衝撃や振動に強く、かつ軽量のため、ノートPCを持ち歩く人に最適だ。また、読み込み、書き込みが高速で、Windowsやプログラムの起動を大幅に短縮できるというメリットもある。
アイ・オー・データ機器のSerial ATA対応内蔵2.5インチSSD「SSDN-SVシリーズ」

●起動速度が高速化
SSDの最大の魅力は、リード・ライトがHDDに比べて大幅に高速化される点だ。HDDはディスクを回転しヘッドを移動させてデータへアクセスする構造なのに対して、SSDはフラッシュメモリーで瞬時にデータへアクセスする仕組みをとっている。

今使っているノートPCがHDDを内蔵したマシンなら、HDDを「SSDN-SVシリーズ」に交換することによって、劇的に高速化できる。

具体的には、処理待ちで無反応に陥るようなことも少なく、Windowsパソコンであれば、起動速度を高速化できる。

●大幅な省電力化を実現
SSDは、HDDと異なりモーターを使ってディスクを回転させる必要がないため、非常に省電力だ。一般的なハードディスクと比較して実消費電力は約32%に抑えることができ、ノートパソコンのバッテリー駆動時間を延ばすことも期待できる。

●衝撃に強い
SSDは駆動部分がないため、衝撃に強いのだ。
「SSDN-SVシリーズ」のパッケージと添付品


■Webテレビを格安で実現 その1- OSを外付けハードディスクにバックアップしよう
ノートPCのHDDをSDDに交換した場合、OSとアプリケーションソフト(アプリ)を再インストールする必要がある。今回使用したエプソン「Endeavor NJ3300」はOSにWindows 7を使用しているので、OSに標準の「バックアップ」を使用すれば、HDDの中身をOSごと外付けのハードディスクに転送することができる。

必要となるのは(1)交換用のSSD(2)一時作業用のUSB接続ハードディスク(3)CD-Rメディア1枚だ。

バックアップは、Windowsの[スタート]メニューから「コントロールパネル」−「システムとセキュリティ」の中にある「バックアップの作成」を選択後、画面の指示に従っていくだけでよい。まずは現在のOSをまるごと(2)一時作業用のUSB接続ハードディスクに保存する。
「バックアップの作成」を選択する

次に(3)CD-Rメディアで「システム修復ディスク」を作成しておこう。これは先の手順の最後に作成するかどうかを聞かれるので迷わず「はい」だ。

今回はバックアップ先として外付けのハードディスクを使用したが、DVD-RWや、ネットワーク上の共有フォルダにバックアップすることもできる。


■Webテレビを格安で実現 その2- HDDをSSDに交換しよう
ノートPCのHDDの内容を外付けハードディスクに保存できたら、早速、ノートPCのHDDをSDDに交換だ。「Endeavor NJ3300」の場合、本体の裏蓋を開けるだけで、SSD換装することができるのでかなり簡単だ。
「Endeavor NJ3300」は、この部分にHDDが内蔵されている

「Endeavor NJ3300」は、本体の裏蓋を開けるだけで、SSD換装することができる

ここで、お約束の注意がある。ノートPCを分解すると、メーカー保証期間内であっても、無償保証の対象外となる。ノートPCの機種によっては、SSDに交換するために、ノートPC本体を完全に分解する必要がある機種もあるので、本体を破損したり、トラブルが発生したりしないように、十分に注意して自己責任において実行して欲しい。

万が一、ノートPCのトラブルが発生しても、ITライフハック編集部や、アイ・オー・データ機器ではサポートは行ってないので注意しよう。

もし、SSD換装に自信がない人は、アイ・オー・データ機器のハードディスク交換サービスに頼む方法もあるので参考にして欲しい。

ドライブを入れ替え後、外付けハードディスクをつないで「システム修復ディスク」からパソコンを起動すれば、外付けハードディスクに保存したバックアップイメージからシステムを復元してくれる。新しいSSDの場合には、パーティションをフォーマットしてから、システムを復元すればよい。


■SSD交換でパソコンを家電化! これだけWindows起動が爆速化される
ところで、古いノートPCはHDDをSSDに交換することによって、どれくらい高速化されるのだろうか。

ここでは、機種は異なるが、XPパソコンを使用して、Windowsの起動時間をストップウォッチで測定してみた。計測は、電源を入れてからスタートメニューが表示されるまでの時間とした。


測定結果を見れば明らかだが、起動時間は3倍も高速化された。この起動速度が、パソコンをWebTVのような家電機器にしてくれる秘密だ。

マシン環境
CPU:Core 2 Duo 2.10GHz
メモリ:1GB
OS:Windows XP Professional

※表示の数値は、上記測定環境で得られた結果となる。必ずしも同様の結果が得られることを保証するものではない。


■ノートPC+液晶テレビ=最強Webテレビ
SSD換装によって、古いノートPCはどれだけ使えるようになったのかを、実際に検証してみた。

ノートPCを液晶テレビにHDMI経由で接続すると、ノートPCの画面が表示される。パソコンのWebブラウザを使えば、ホームページを液晶テレビで見ることができる。
ホームページを液晶テレビで見ることができる

Webテレビの中には、USB接続のキーボードやマウスを使えない機種もあるが、ノートPCであれば、問題なく使うことができる。

Webブラウザを使えば、Gmailを使用して、絵文字のメールを送受信することも可能だ。
Gmailを使用して、絵文字のメールを送受信することも可能だ


つかった製品はこちら
Serial ATA対応内蔵2.5インチSSD「SSDN-SVシリーズ」


古いノートPCが自宅に眠っている人は、ノートPCのHDDをSSDに交換することで、高速なノートPCとして生まれ変わらせることができる。

そのままPCとして使ってもよいが、HDMI経由で液晶テレビと接続すれば、WebブラウズやWeb検索、メール、動画再生、Facebook、Twitterなど、最新のWebテレビ以上のことができる。小さな文字が見えづらい年配の方でも、大画面でインターネットを楽しめるわけだ。


液晶テレビが安くなったとはいえ、インターネットが楽しめる最新のWebテレビとなると、10万円くらいの出費は覚悟しなければならないだろう。それが、古いノートPCを再利用することで、SSDN-SV64なら実売で1万円前後、SSDN-SV128なら1万9,000円前後で入手することができる。

Webテレビを格安で実現したい人は、この記事を参考に古いノートPCをSSD化して、Webテレビ代わりに活用してみては如何だろうか。

アイ・オー・データ機器

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