インタビュー:マックG監督「リメイクしたい日本のアニメは『AKIRA』かな」


 美女をめぐり、2人の男が“職権乱用”バトルを繰り広げるアクション・エンタテインメント大作『Black & White/ブラック&ホワイト』(4月20日より公開)。『Mr.&Mrs.スミス』や『ナイト&デイ』に続くスタイリッシュでロマンティックなアクション映画との呼び声が高い本作を、『チャーリーズ・エンジェル』『ターミネーター4』のマックG監督が手掛ける。そこで、本作で意識したこと、出演者の魅力から自身の恋愛について聞いてみた。

――キャストや職業を変えるなどして、本作の続編を作る予定はありますか?

マックG監督(以降、監督):まだOKは出ていないですが、実はクリスと同じキャラクター設定で続編を作ろうという、続編の話は出ています。

――日本のカルチャーがお好きなようですが、リメイクしたい日本のアニメや映画に取り上げてみたい日本文化はありますか?

監督:「AKIRA」かな。ワーナーで話があがってるみたいだけどね。

――今回は2人の対決ですが、監督がそこに加わって3つ巴だったら、どんな作戦で2人からローレンを奪いますか?

監督:僕はすごくブレイクダンスが得意なんです。だから、素晴らしいブレイクダンスを彼女に見せて、彼女の気を引いて、僕よりクリス・パインとトム・ハーディの方がハンサムだということを気づかせないようにします。

――この作品はテンションの高いアクションが満載ですが、同時に男女の三角関係を描いたクラシックコメディのようなテイストもありますよね。どのようにこれらのバランスをとったんですか?

監督:やはりこのジャンルは僕としても一番好きなジャンルなので、そのバランスをとりたいという風に思いました。過去の作品でいえば『トゥルーライズ』とか『Mr.&Mrs. スミス』に似たものを作ることが出来れば、という風に思って挑戦しました。

――監督は、映画だけでなく「CHUCK」や「ニキータ」など多くのドラマにも関わっていますが、ドラマ製作が本作に与えた影響はありますか?

監督:今テレビ業界というのは、ひとつのルネッサンス時期にきていると思っています。映画よりもはるかに脚本が良かったり、凄い監督が出てきたり、面白い俳優が出てきたり、すごく注目している媒体です。そういった意味では、いろいろな面白い作品が出てますし、テレビシリーズで目が離せない面白い作品が出ていると思います。

――監督が体験した“This means war”と思うような男女の修羅場があれば教えてください。

監督:僕自身の経験として、たまたま好きになった女性が友人を好きだったという経験を何度もしているんです。一度たりとも、僕の方に振り向いてもらったことはありません。僕は、子供時代背が低くて小さかったんです。その反面、色んなイマジネーション豊富な子供だったんですけど、たまたま僕の友人はみんなイケメン揃いで、女性はそっちの方にいってしまいました。

――リース・ウィザースプーンは、現代の米国映画界を代表する女優のひとりですが、彼女がここまで人気を博している理由はどこにあると思いますか? 撮影現場でそういう風に感じことはありますか?

監督:彼女はとにかく頭が良いですし、才能豊かで、美しいですよね。だけど、彼女の素晴らしい点は、自分の美貌に頼っていない。演技力だったり、キャラクターをうまく演じることで人々を魅了している。そこが素晴らしいと思っているし、彼女の魅力だと思っています。

――この作品には、「スタスキー&ハッチ」や「白バイ野郎 ジョン&パンチ」といった70年代後半から80年代前半にかけての刑事ドラマのようにバディ(主人公が二人一組で活躍する映画ジャンル)の匂いを感じます。実際に、FDRが留守電に吹き込むメッセージには「ジョン&パンチ」のタイトルもありましたよね。監督ご自身は、そういうものを意識しましたか?

監督:僕自身、バディ映画の“相棒”という関係というのはすごく好きなんです。ただ、テレビよりも映画に影響を受けているので、TVシリーズというよりは『48時間』や『リーサルウェポン』といった作品に影響されているという方が近いと思います。それと、クリス・パインとトム(ハーディ)なんですけども、これが凄く息の合った相棒というものを演じてくれていると思うし、彼らは“彼らの年代(同世代)”で一番伸びていく俳優たちだと思っています。

――冒頭のベースジャンプ(スカイダイビング)にはじまり、カーチェイスや銃撃戦といったアクションがふんだんに盛り込まれていますが、今だからいえる大ピンチだったシーンや印象深いシーンはありますか?

監督:やはり最後のシーンはすごく危険でした。車が横転しながら彼らに向かってくるという時に、最後の最後まで彼らを映していて、ぶつかる寸前に彼らをその場から逃がさなければならなかったのです。また今回、リースはアクション映画が初めてだったにも関わらず、スタントマンに任せず、ほとんど全部自分で演じてくれました。骨折したり指を切ったりも事もあったんですが、男性陣に負けないくらい頑張ってくれたと思います。

――「THE OC」や「CHUCK」といったテレビシリーズは別として、本作は『チャーリーズ・エンジェル』や『ターミネーター4』のようにベースとなるものがありませんよね。その分、制作の自由度が増したと思いますが、それを実感したことはありましたか。

監督:オリジナル作品というのは、難しいことだと思います。どうしてかと言うと、昨今は本当にリメイクが多くて、小説、コミックなど話題になっている作品が多いですよね。オリジナルということは、いかに早く観客にこの作品の内容を理解してもらって、物語の展開に持ち込めるかが重要なので、そういった意味ではクリエイターとして大変なわけです。だけど、本作に関しては、このアイデアが大好きだったし、面白いと思っていたので、アクション満載でハートフルな作品に仕上がったと思います。

――本作は、GWのデートムービーとして評価が高いですが、どう思われますか?

監督:僕もそう思います。この作品は、男性も女性も楽しんで頂ける映画なので、そういった意味では一番好きなジャンルです。やはり「どちらかが好きじゃなくて」という作品よりかは、男女どちらにも楽しんでもらえる映画というのが一番好きです。例えば、男性にとってはアクション映画としてアクションシーンで充分に楽しんでもらえると思いますし、女性は女性でロマンチックな部分、ラブストーリーのところで楽しんでもらえる。そして、コメディは、男性も女性も楽しんでもらえますから、デート映画としてみなさん楽しんで頂けると思います。

――最後に日本の皆さんへメッセージをお願いします。

監督:本当に日本が好きだから、今回日本に行けなくて申し訳なく思っています。日本のみなさんの映画に対する情熱に感銘を受けているので、ぜひ近いうちに日本に行きたいと思っています。

 日本のサブカルチャーに造詣があり、プライベートでAKB48のライブを観に行ったこともあるというマックG監督。今回、時間の関係上「リース・ウィザースプーン演じるローレン役をAKB48のメンバーから選ぶとしたら?」という質問をすることができなかったが、続編が実現すれば、AKBメンバーが出演……なんてこともあるかもしれない。

 リメイク作品が多い今だからこそ、あえてオリジナル作品で勝負している本作。GWのデートムービーにいかがですか?

『Black & White/ブラック & ホワイト』 - 公式サイト
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