「ソブリン危機」をiOSで体感せよ! 国の借金をリアルタイム表示【デジ通】


ギリシャをはじめとする南欧諸国の財政赤字から、「ソブリン(国家債務)危機」が言われている。日本や米国も同様で、マスコミは「このままでは日本はギリシャの二の舞」と書きたて野田内閣は消費税増税を打ち出している。

ところで、日本がどれほどの借金を抱えているのか、国民一人あたりでどのぐらいの金額になるのかは意外に知られていない。今回は、世界の「ソブリン危機」を理解できるiOS(iPad、iPhone、iPod touch)用アプリを紹介する。

■「日本国債時計」が決定版
決定版とも言えるオススメアプリは、「日本国債時計」だ。名前からすると日本だけを扱っているように思えるが、日本のほか、世界、米国、英国、ドイツといった主要国、破たんで話題になっているギリシャ、ポルトガルの国家債務も見られる。

債務総額、人口、国民一人あたりの負債額の3つが国別に表示され、「時計」と名のつく通り、リアルタイムで数字が増えていく。負債額は現地通貨で表記されている。国別の国内総生産(GDP)と債務のGDP比、さらに国別の数値を簡単に比較できる機能があると、なお良かったと思うと残念だ。

これを見ると、ギリシャ国民一人あたり債務額は、ドイツの1.3倍弱であることがわかる。「たかが1.3倍程度たいしたことではない」と思うかもしれないが、さにあらず。両国のGDPの差は10倍以上。これを考えれば相当深刻なものだということがわかるだろう。

■なぜか日本だけ「国債総額」
このアプリ、よく考えると「日本国債時計」という名前である。その通り、日本の欄には「国債発行額」と表記されている。だが、国債には短期国債もあるし、国債以外の借入金もあるので、厳密に考えると「国債発行額=借金」ではない。よく言われる「国の借金=国と地方の長期債務残高」は「国債発行額」よりずっと少ないし、地方分を除く「国(政府)の債務残高」となるとさらに少ない(それでも700兆円以上あるが)。

対して、米国など外国の欄で表示されるのは、「国の債務残高」である。このあたり、比較対象が微妙に異なっていることを念頭においていただきたい。

■米国など各国版もある
このほか、米国の累積財政赤字を表示する「US Debt」「American Debt Clock」、欧州連合(EU)全体の「Europe Debt」といったアプリもある。「American Debt Clock」はコメント投稿ができる機能もあり、英語が使えるなら、これはこれでおもしろい。

どのアプリも、時計の動きはあくまで「目安」である。時計は日々の政策措置によって速くなったり遅くなったりするのが正しいはずだが、そこまではサポートしていない。言うまでもないが、毎秒増えていく時計を見てどう考えるかは、個人の自由である。

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
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