KDDI、EV-DO Advancedを4月10日から導入!実効通信速度が平均2倍に向上へ



EV-DO Advancedが6月末までに全国展開!

KDDIおよび沖縄セルラーは5日、au携帯電話(スマートフォン含む)のデータ通信における無線基地局の混雑を緩和する技術「EV-DO Advanced」を世界に先駆けて2012年4月10日(火)から導入することを発表しています。導入後速やかに全国で導入を進め、2012年6月末までに全国へ展開するとのことです。

EV-DO Advancedは、無線基地局の混雑度合いをリアルタイムに監視し、混雑している無線基地局配下のau携帯電話を混雑していない近隣の無線基地局に接続させることでユーザーがデータ通信を行う際の実効通信速度(実際の通信速度)を向上させる技術です。

今回、このEV-DO Advancedを導入することによって、従来と比べて、約1.5倍のデータトラヒックが収容可能になるとともに、シミュレーション結果によると混雑する場所での実効通信速度も平均2倍に向上するということです。

対応機種はCDMA 1X WINに対応したauケータイおよびすべてのauスマートフォンとなります。また、対応エリアは全国ですが、詳細については「サービスエリア」にて確認してください。

また、本日報道関係者向けにネットワーク強化に関する説明会が開催され、さらに詳細な内容が解説されています。

まず、EVDO-Advancedの前にKDDIが導入したアメリカなどの海外のCDMAを扱う事業者と同じ周波数帯の新800MHz帯におけるエリア展開を拡げており、全国の新800MHz帯の基地局数はそれまで利用していた旧800MHz帯の2.6倍となっているとのこと。さらに、東京23区内だけについて言えばすでに4倍になっているそうです。

これによって、全国でのカバーエリアは20%も向上しており、乗鞍スカイラインや八峰台、蔵王、那智の滝などといった人が集まりやすいところも新しくカバーエリアになっているということです。

また、ビルの影で電波が届かないといったことがありますが、それらをシミュレーションしてうまく電波を届かせるようにするためのシミュレーション精度を3Dマップで行った上で、通信品位のデータを一元管理し、ユーザーから電波が入らないといった連絡が来る前に品質劣化エリアを自動検出して対応しているとのこと。

さらに、2GHz帯と800MHz帯の2つの周波数帯におけるマルチバンドでの割り振りなどのチューニングも常に行っており、以前より繋がりやすく途切れにくくなっていると説明しています。

この他、各地域における地下鉄のエリア化を進めており、地下鉄以外でも各鉄道沿線で大量に人が移動することを意識してエリアの構築と通信のチューニングを実施し、電車に乗って移動しながらのハンドオーバーを最適化するようチューニングをしているとのこと。

これに加え、今回さらにEV-DO Advancedを導入するため大勢の人が一気に同時に通信を行うような大きなターミナル駅でもつながりやすくなり、快適性が増す予定だという。

一方で、携帯電話網が逼迫していく中、Wi-Fi(無線LAN)によるデータオフロードも進めており、公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」はアクセスポイント(AP)数が10万を突破。さらに、無線LANの周波数帯も従来の2.4GHz帯だけではなく、5GHz帯にも対応しているそうです。

また、au Wi-Fi SPOTのAPを単に配っているだけではなく、3G(携帯電話)網の逼迫エリアをメッシュ化し、データオフロードが特に必要な場所に集中してWi-Fiスポットを投入して効率化を図っているとのこと。さらに、ビルの上から大きなアンテナでWi-Fiの電波を発することで、Wi-Fiでも半径150メートルのエリア化を実現しているそうです。

なお、現在、auスマートフォンのうちAndroid搭載機で対応しているau Wi-Fiウィジェットを5月以降に改良したバージョンを提供予定で、自動接続時の消費電力が3G(携帯電話)網利用時だけの時と同等程度まで低消費電力化し、切替時間も半分以下になるよう開発中だということです。

この新しいバージョンのau Wi-Fiウィジェットは既存機種を含めたAndroid搭載機で利用可能で、さらに、同等機能のものをAndroid以外でも提供予定であることを示唆しています。

現在、au Wi-Fi SPOTのバックホールにUQコミュニケーションズのモバイルWiMAX網を一部利用していますが、これはWi-Fiスポットの展開をより早く行うためで、バックボーンとしてはキャパシティーに問題があるため、今後はモバイルWiMAXを利用しているスポットについても光化をする予定で、すでにスポットによっては切り替えを進めているとのことです。この切替作業は、今年度中進めていくそうです。

記事執筆:memn0ck


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
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au携帯電話のデータ通信混雑を緩和する技術「EV-DO Advanced」の導入について | 2012年 | KDDI株式会社
本田雅一(@rokuzouhonda)/2012年04月05日 - Twilog

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