【2011下半期アワードvol.3】大迫力の映像体験、「低俗な映画」は最高の褒め言葉


 2011年下半期に公開された作品の中から、ムービーエンターの編集部員が独断と偏見でベスト10を選ぶ「編集部的下半期アワード」。興行収入や受賞作品などの枠にとらわれずに、4週に渡ってランキングを紹介していきます。「ヒーロー妄想のカンタ」「ドラマのサイトー」に続く第3回は、「映画は芸術ハラ」がベスト10をチョイスしました。

第1位『ピラニア3D』

 下半期、震災後の節電による猛暑を乗り切るべく、MOVIE ENTERでは「ホラー映画」特集を実施。数々のホラー作品の中でも、『アバター』のジェームズ・キャメロン監督に「こういう低俗な映画が3D映画をダメにする」と絶賛?された、奇跡のR15指定『ピラニア3D』を良くも悪くも1位に選びました。一切の迷い無くエログロ路線を邁進し、『JAWS/ジョーズ』を知らない世代に、新たなトラウマを抱かせる超問題作。心臓の弱い方には決してオススメしませんが、恐怖の流血シーンと女性のヌードが渾然一体となった“罪悪的快感”を、全国350万人の高校生諸君に捧げます!ブルーレイ&DVDは21日発売です。

第2位『リアル・スティール』

 ここからは真面目に、第2位は現在公開中の感動大作『リアル・スティール』です。残念なことに、今まで映画を観て一度も泣いたことが無いのですが、ゴミ捨て場から拾われた時代遅れの旧式ロボットの“ATOM”が最新鋭で高性能な強敵たちを相手に、何度倒されても立ち向かっていく姿には、こみ上げてくるものがありました。上半期で同じく第2位に選んだ『SUPER8/スーパーエイト』同様に、映画の素晴らしさを再確認させてくれる名作です。難しいことは抜きにして、純粋な心で映画を楽しんでみて下さい。特集ページもお見逃し無く。

第3位『指輪をはめたい』

 無意識の内に上半期の『婚前特急』と同じ流れになってしまいましたが、第3位は記憶を無くした山田孝之演じる主人公が、タイプの違う3人の美女の中から婚約相手を探す『指輪をはめたい』です。小西真奈美演じるツンデレな年上彼女、真木よう子演じるセクシーな友達彼女、池脇千鶴演じる守ってあげたい幼気彼女、に三股を掛けるなんて羨ましい限りです。謎のスケート少女役を演じる二階堂ふみは、来春公開の主演作『ヒミズ』でも第68回ヴェネチア国際映画祭最優秀新人俳優賞を受賞しているので、こちらも要注目です。

第4位『恋の罪』

 『ヒミズ』の話題に続いては、世界を席巻した『冷たい熱帯魚』からリレーを受けた、園子温監督の『恋の罪』を第4位に選びました。1990年代に渋谷区円山町のラブホテル街で発生した殺人事件を元に、本作でヘアヌードを初披露した水野美紀、園子温監督と19歳差婚を発表した神楽坂恵、助教授と売春婦という二つの顔を怪演した冨樫真、この3人の女性が壮絶に絡み合います。誰もが持ち合わせている人間の光と闇から目を背けること無く、愛の地獄に溺れて下さい。

第5位『ワイルド・スピード MEGA MAX』

 第5位は、5作目にしてシリーズ史上最高の世界興収を記録した『ワイルド・スピード MEGA MAX』です。本作では、シリーズ全作の主要キャラが総集結し、史上最速のドリーム・チームを結成。フォードGT40をはじめ、日産370ZやスバルWRXなど、日本のスポーツカーも登場し、リオ・デ・ジャネイロを舞台に常識を覆す金庫破りとカーチェイスは圧巻です。来年2月3日にはブルーレイ&DVDが発売され、早くもシリーズ最新作の製作も決定しています。

第6位〜第10位

 第6位の『ミッション:8ミニッツ』は「このラスト、映画通ほどダマされる。」とのコピー通り、二転三転するラストに、本作を鑑賞した女優の加藤夏希さんも満足された様子でした。第7位の『メカニック』は、「トランスポーター」シリーズ等でお馴染み、「ワイルド・スピード」次回作への出演も予定されている人気No.1アクション俳優ジェイソン・ステイサムが、格闘、射撃、運転技術を存分に発揮し、クラシック音楽とヴィンテージカーを趣味に、美女ともその場限りの関係を持つという“完璧な男=メカニック”を演じます。

第8位の「インモータルズ -神々の戦い-」は、『300<スリーハンドレッド>』の製作スタッフが神々の壮絶な戦いを描く3Dアクション・スペクタクル超大作。人間同士の戦いに加えて、人智を超えたパワーとスピードを誇る金色の神々と、獰猛な野生で対抗するタイタン族とのクライマックスなど、迫力ある映像美を堪能できます。第9位の「A3DII ayumi hamasaki Rock'n'Roll Circus Tour FINAL 7days Special》」は、昨年10月に代々木体育館で開催された浜崎あゆみのコンサートを3Dデジタルシネマ映像で完全収録。映画館ならではの大音響でコンサートが楽しめる、新スタイルの映像作品として今後も期待です。そして第10位の「リミットレス」は、ドラッグによって脳が極度に活性化される様子が映像化され、薬物的な映像体験が楽しめる作品となっています。

映画は芸術ハラの2011年下半期アワード

01位:ピラニア3D
02位:リアル・スティール
03位:指輪をはめたい
04位:恋の罪
05位:ワイルド・スピード MEGA MAX
06位:ミッション:8ミニッツ
07位:メカニック
08位:インモータルズ -神々の戦い-
09位:《A3DII ayumi hamasaki Rock'n'Roll Circus Tour FINAL 7days Special》
10位:リミットレス

2011年下半期、ちょっと残念だった作品『ツリー・オブ・ライフ』

 パルム・ドールを獲得した作品に対して恐縮ですが、本筋となる厳格な父親と愛情豊かな母親との間で苦悩する息子たちから、成人した現在のショーン・ペンへの繋がりが描き切れず、ショーン・ペンの出演時間よりも、恐竜など地球の起源や、太陽のフレアなど宇宙の神秘的な映像が何度となく、数十分間に渡って差し込まれ、集中力を持続するのが困難でした。“映画は芸術”として自分を納得させようかとも思いましたが、やっぱり無理でした。

観なかったことが悔やまれる映画『エイリアン・ビキニの侵略』

 試写を逃しても劇場公開時に観ますし、それでも観なかったのであれば後悔ではなく、その程度の興味しか無かったということ。今や半年足らずでブルーレイ&DVDが発売されますので、もし悔やまれるとすれば3D作品ぐらいです。そんな中でも、印象に残っている作品が『エイリアン・ビキニの侵略』。説明不要のB級映画かと思いますが、そんなB級映画を2012年も愛して止みません。

 次回、vol.4は、12月26日(月)に映画はビビビ!のマサキの2011年下半期ランキングをご紹介。「編集部的下半期アワード」も次回で最終回なので、お見逃し無く。

編集部員が個人的に称賛!『2011下半期アワード』
編集部が振り返る“心に残った映画”『2011上半期アワード』
編集部的映画批評

映画は芸術ハラの2011年上半期総括

下半期は正直、単館系作品はあまりチェックできず、結果的に大作系を多く選んでしまいました。上半期を通じてグロ系への耐性やカーアクションに自分の好みを感じつつ、2Dと3D共に映像の迫力を堪能できる作品が強く印象に残った下半期でした。

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