Kindle 4で考える電子ブックリーダーとしての条件【デジ通】


電子書籍を読むために必要な電子ブックリーダー。 iPadをはじめとするタブレットや、iPhoneやAndroid系のスマートフォンなどが、熾烈なブックリーダーとしての覇権争いを演じている。そうした状況の中で、Amazonの「Kindle 4」を利用しながら、電子ブックリーダーとしての条件を考えてみた。

■電子ブックリーダーとしての条件とは
現在、電子ブックリーターとして、次のようなデバイスを利用している。これらを利用しながら、電子プックリーダーとしての条件を整理してみた。

・タブレット:iPad(初代iPad、Wi-Fi)
・専用リーダー:Kindle 4
・スマートフォン:iPhone 4

なお、Amazonでは、Kindleシリーズの機種名を表記統一していない。そのため、第4世代にあたるモデルは「Kindle, Wi-Fi, 6" E Ink Display」という名称だ。しかし、市場ではこれを「Kindle 4」と呼んでいるため、ここでもKindle 4と表記している。

●片手で操作できる
読書を電車などで移動中にする場合、片手で持ちながら、その手でページめくりができるというのを第一の条件にしたい。座席に座って読書できるならよいが、吊革に掴まりながらの読書は、タブレットでは辛い。ページめくりのために液晶パネルをタップしようとしてつり革を持った手を放した瞬間、車両が揺れて隣の人にぶつかるとういことがよくあった。

したがって、吊革に掴まりながらでもページめくりの操作ができるとういのは、必須条件だ。そこで、片手で操作できるということを、第一条件としたい。

●軽い
片手で持って長時間読み続けるには、重さも軽い必要がある。たとえばiPadは約680gあり、これを片手で持ち続けるのは、ちょっと辛い。この場合は、iPhoneなどスマートフォンに軍配が上がる。必ずしも小型でなくてもよいが、軽いことが第二の条件だ。

また、寝ながら読書する場合も、軽さが重要になる。iPadを使って寝ながら読んでいると、その重さに耐えられなくなり、腕が痛くなってしまう。やはり、寝ながら読書しても腕が痛くならないというのは、重要なポイントだ。

●文字が読みやすい
読書なのだから、当然文字が読みやすくなければならない。そういった意味では、タブレットは文字が大きく読みやすい。それに比べて、スマートフォンはやや文字が小さく、読みやすいとは言い難い。といって、文字サイズを拡大すると頻繁にページめくりをしなければならず、それはそれで読みにくい。

また、文字のデータタイプによっても、読みやすさが異なる。たとえば、テキストデータでの表示とPDFでの文字表示を比較した場合、デバイスにもよるが、テキストデータの方が読みやすく感じる。

●カラーかモノクロか
カラー表示かそうでないかということも、大きなポイントだ。たとえば、文字中心の電子書籍であれば、カラーでなくてもよい。しかし、写真の多い雑誌や画像データが多い書籍などは、レイアウトや画像データを活かすために、PDF形式で提供されるケースが多い。このような電子書籍で画像やイラストなどを閲覧するには、カラーの方がわかりやすいし読みやすい。したがって、どのような電子書籍を読みたいかによって、カラー表示ができるかできないかが重要なポイントになる。

●書籍以外のデータ表示機能は必要か
デバイスが3G回線に対応していなくても、Wi-Fi対応であれば、Webサイトの表示は可能だ。電子書籍のリーターとしてのみ利用するのであれば必ずしも必要ではないが、たとえば、ニュースサイトなどから最新ニュースをダウンロードして読みたいということであれば、電子書籍以外のデータ表示機能も必要ということになる。

このほか、MP3などの音声データを再生できるかどうかや、ゲームなどもできるかどうかなど、読書以外の目的での利用も可能かどうかは、読書専用として利用できればよいのか、あるいは読書以外の用途にも利用したいという目的があれば、重要なポイントの一つになる。

■Amazon Kindle 4を選択
以上、5つのポイントを電子書籍のブックリーダーに必要な条件として考えてみたが、これらの条件を考慮して、現在、最適と思われる電子ブックリーダーとして、Kindle4を選択した。その理由をまとめたものが以下だ。

【片手で操作できる】
Kindle4は、タッチパネル形式ではない。そのため、ページめくりの操作は本体横にあるボタンで行うが、片手で操作できる位置にボタンが配置されている。

また、サイズも、114×166×8.7mmとハンディだ。文庫本より一回り大きいくらいなので、片手で持ちながら操作ができる。

【軽い】
厚さが8.7mmで、本体重量は170gと非常に軽い。電車で立ったまま片手で持って読み続けても、まったく苦にならない。

【文字が読みやすい】
E Ink 電子ペーパーを利用したパネルは、とても読みやすい。反射型のパネルなため、暗所での利用は難しいが、適度な明るさがあれば、目に優しく視認性もよい。ページを切り替えたとき、インクがにじむような感じで文字が表示されるのも、暖かみがあっていい感じだ。

【カラーかモノクロか】
E Ink 電子ペーパーはモノクロ表示だ。したがって、雑誌などPDFタイプを読む場合には、あまり適さない。しかし、文字中心の書籍であれば、モノクロで十分だ。

【書籍以外のデータ表示機能は必要か】
Wi-Fi対応で、URLアドレスを入力すれば、サイトを表示できる。ただし、オンスクリーン・キーボードからの入力なので、とても面倒だ。したがって、ネットサーフィンするという感覚より、Webでの確認があるときにのみ利用するというスタンスでの利用が主だろう。

さて、実際にKindle 4を利用しての読書方法だが、Kindle4の購入方法や具体的な操作方法、利用すると便利なツールなどについて次回にご紹介したい。

Kindle Store


阿部信行 @ramunepapa [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。

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