クラウド型ストレージサービス比較 (2)「SugarSync」は高機能【デジ通】


クラウド型のストレージサービスの第二段として、「SugarSync」を取り上げる。前回取り上げた「Dropox」の特徴をシンプルさとすれば、SugarSyncの特徴は機能の多さだ。

■同期フォルダを細かく設定できる
SugarSyncは、同期するフォルダを主導でカスタマイズできる。該当フォルダにあるファイルがすべて同期されるDropboxとは異なり、フォルダの追加などの設定変更も自在にできるのが最大の特徴だ。

設定しておけば同期は自動的に行われるが、ローカル以外のファイルの削除、ダウンロード、アップロードなどは、専用ファイルブラウザの「SugarSyncファイルマネージャ」でも行える。

また、ファイルの共有、削除されたファイルの復活ができるほか、SugarSyncから指定されるメールアドレス宛に添付ファイルを送信することで、そのファイルを利用する機器やクラウド上に保存することもできる。

■機器ごとにクラウド上にデータを保存
複数機器間でのデータ同期を行わないことも可能だ。SugarSyncでは、クラウド内に保存されるデータがA、Bといった機器別に保存される。このため標準では、Aとクラウド、Bとクラウドを同期させつつ、AとBは「同期させない」ことになる。

Aを使っていてB内のファイルが必要になったら、SugarSyncファイルマネージャを使って、該当ファイルを閲覧、もしくはAにコピーして編集、再アップすればよい。Dropboxでは、クラウドを合わせ3カ所のデータを、すべて自動的に同じ状態に保つので、この点も異なる。

一方、「マジック・ブリーフケース」というフォルダ内のみ、先ほどの例で言うと、A、B、クラウドの3カ所すべてで同じ状態になる。マジック・ブリーフケースは、Dropboxと同じ使い方ができるわけだ。

■友人紹介で500MBのボーナス
無料で使える容量は、標準で5GBと大きい。さらに友人に招待メールを出すことで、その友人がSugarSyncのアカウントを取得すれば容量が500MB無料で増加する。招待メールの手続きは、SugarSyncのサイトにログインして行う。

OSは、Windows、Macに対応。クライアントソフトをインストールして使うのが一般的で、Webブラウザを使ってのアクセスも可能だ。

■スマートフォン対応が豊富
iOS(iPhone、iPad)、Androidに加え、BlackBerry、Symbianなどでも利用できる。日本ではユーザーが多くないが、同プラットフォームの利用者には便利。専用クライアントソフトで、ファイルの閲覧が可能(編集は不可能)。アップロードする際は、先に述べたメール送信機能を使う。

他の対応アプリでは、代表格はファイルブラウザの「GoodReader」(iOS対応)。MS Officeファイルを編集できる「Quickoffice」も対応している(iOS、Android対応)。Dropboxに比べると、対応アプリは多くない。

■まとめ
同期の設定が詳細にできるのは非常に便利だが、設定がややめんどう。手間をいとわない中級者以上に向いている。

筆者は、家で使用するデスクトップパソコン内のデータ、ただし、使用頻度の高くないファイルをSugarSyncでバックアップしている(使用頻度の高いファイルはDropboxで管理している)。こうしたデータは、HDD容量の小さいノートパソコンにはコピーせず、外出先で必要な際にSugarSyncからダウンロードし、更新して再アップするという使い方だ。

ただ、SugarSyncファイルマネージャを使ってのファイルの上書き保存がうまくいかない場合がある。更新されたファイルが「転送状態」のまま、進まなくなる症状だ。いったん、クラウド上の該当ファイルを削除または名前を変更した上で、再アップするのがよい。

対応OS:Windows、Mac
対応スマートフォン:iOS、Android、BlackBerry、Symbian、Windows Mobile
対応ソフト:各OS用クライアント、Webブラウザ
共有機能:あり
価格:無料(5GBまで)、525/月(30GB)、1050円/月(60GB)、1575円/月(100GB)、2625円/月(250GB)、4200円/月(500GB)
ボーナス:あり(500MB単位)

SugarSync
SugarSync for iOS

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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