クラウド型ストレージサービス比較 (1)「Dropbox」はやはり定番【デジ通】


クラウド型のストレージサービスが普及しつつある。インターネット上に大容量のデータを保存しておけることで、パソコンをはじめ、スマートフォンでの利用も増えている。主要なサービスをシリーズで取り上げる。第一弾は、定番中の定番と言える、「Dropbox」だ。

■ローカルのファイルを自動的にクラウドに転送
Dropboxの特徴は、クライアントソフトをインストールすることでパソコン上にローカルフォルダを自動的に作成し、このフォルダ内のファイルを自動的に転送、同期することだ。ローカルフォルダは、Windowsでは「MyDocument」の下、Macではユーザーフォルダの下につくられる。

A、Bという複数の機器でDropboxを使用する場合、Aでデータを更新すれば、その変更は自動的にクラウド上のデータに反映され、さらにBにも反映される。A、B、クラウド上のデータが、すべて同じものになるわけだ。変更をクラウド上やBに反映させたくない場合は、変更前、変更後の2つのファイルに分けるか、Dropboxフォルダ外に移動させるしかない。

ローカルにもファイルを保持しておく必要があるため、インターネットに接続していない状態でもファイルを編集できる。ファイルの変更は、ネットにつなげると自動的にクラウド上に反映される。また、Webブラウザでの操作に限られるが、うっかり削除してしまったファイルを復活できるのもうれしい点だ。

なお、一部のフォルダやファイルを除外するといった、細かな設定はできない。他のユーザーとのファイル共有も可能。1つの機器で1つのアカウントを使うのが原則だ。

■友人紹介で250MBのボーナス
無料で使える容量は、標準で2GB。有料で、最大100GBまで取得できる。企業などのグループには、別途コースが用意されている。

さらに、友人に招待メールを出し、その友人がDropboxのアカウントを取得すれば容量が250MB無料で増加する。増量は10GBまでなので、無料でここまで取得することも可能。招待メールの手続きは、Dropboxのサイトにログインして行う。

■Linuxにも対応
OSは、Windows、Macに加え、Linuxにも対応している。LinuxではUbuntu、Fedora、Debianに対応。ソースからのコンパイルもできるので、他のディストリビューションでも使える可能性が高い。

クライアントソフトをインストールして使うのが一般的だが、Webブラウザを使ってのファイル転送も可能。この場合は、1ファイルにつき350MBまでという制限がある。

■スマートフォンにも対応
iOS(iPhone、iPad)、Androidにも対応している。それぞれに専用クライアントソフトがあり、ファイルの閲覧が可能(編集は不可能)。写真とビデオに限り、アップロードもできる。

専用クライアント以外にも、対応アプリが多い。iOSであれば、ファイルブラウザの「GoodReader」。iOS、Android対応でMS Officeファイルを編集できる「Quickoffice」などがある。

■まとめ
自動的な同期は便利で、シンプルで使いやすいのが特徴。外出先でも閲覧・編集することが多いデータを保存しておく用途に向いている。うっかり削除してしまったファイルを復活できるのも良い。アップルが同社を買収しようとしたというのも納得できる。

筆者の場合、外出先で見ることの多いマクロ経済のデータ(Excelファイル化したもの)を蓄積するのに使っている。どこかの環境で更新すると、すべての環境で、常に最新の状態にしておけるのが便利なのだ。

対応OS:Windows、Mac、Linux
対応スマートフォン:iOS、Android
対応ソフト:各OS用クライアント、Webブラウザ
共有機能:あり
価格:無料(2GBまで)、9.99ドル/月(50GB)、19.99ドル(100GB)
ボーナス:あり(250MB単位)

Dropbox
Dropbox for iOS
Dropbox for Android

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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