なぜ、ラフォーレ原宿はファッションのランドマークであり続けるか?
地上6階、地下2階建ての建物では、「最先端のファッションと文化」を象徴するように、各フロアでセクター別に旬のファッションブランドやショップが並ぶリテールスペース、ファッションと密接に関わるさまざまなカルチャーを紹介する6階のイベントスペース「ラフォーレミュージアム原宿」の2つを軸に、新進気鋭のアパレルブランド、クリエイター、アーティスト、経営者を世に送り出し続け、ユニークなイベントプロデュースやインパクトのある広告ビジュアルなどでも常に話題をさらってきた。
そして、30年を越える歳月が経ち、今年は新たなインタラクティブスペース「container(コンテナ)」や、ラフォーレ原宿を舞台としたファッションイベント「ラフォーレファッションウィーク'11」を展開する等、“チャレンジ”、“発信”、“インキュベーション”の三大コンセプトを変わらぬ方針で提案し続ける「ラフォーレ原宿」について、営業グループの柴谷氏と広報担当の福田氏にインタビューを行った。
なぜ、ラフォーレ原宿は時を経ても「原宿のシンボル」で在り続けられるか?
これまで「ラフォーレ原宿」では、メジャーブランドやマイナーブランド等の直営店やセレクトショップをはじめ、新人デザイヤーや小メーカーを自主編集した直営店も展開してきた。本項では、リテールスペースにフォーカスを当てて、「なぜ若手に目を向けるのか?」、「ファストファッションや激化していくエリアで“原宿のシンボル”であり続けられるか?」を軸に、ラフォーレ原宿の姿勢や取り組みについて話を伺った。
−まず始めに、「ラフォーレ原宿」と言えば、積極的な若手ブランドやクリエイターとの企画も特徴の一つですが、運営側として着眼する点を教えて下さい。
商品のクリエイティブ性やクオリティはもちろん、ラフォーレ原宿に対する理解、ショップ運営という小売業に対する考え方、将来に対するヴィジョン等を総合的に判断しています。−時代とともに、価値観が変化する中で、若い人達に目を当てられ続けられるのは、なぜですか?
時代を作るのはいつも「人」と考え、ラフォーレ原宿はその時代のパイオニアたちと新たなものを一緒に作っていくビルというスタンスで、常に新しいこと、時代の半歩先を見て、運営に当たっています。−売り場の提供だけではなく、イベントとの連動等を行い「テナントと一緒につくり上げる」という点も魅力的ですが、どのようにテナントやイベントは決まっていくのですか?
今回の「ラフォーレファッションウィーク」もそうですが、ラフォーレ原宿は 常にテナントとの連動を意識しています。館が何のためにイベントを実施しているのかをテナントに伝え、テナントはイベントに対しての自主性、積極性を持つようにしています。館がリードするだけでなく、直接お客様と接している現場の店長の意見をくみ上げ、ひとつの大きなイベントにすることが集客、売上に繋がっています。「Lady GaGa」の専属スタイリスト等で世界トップクラスのスタイリストになった「Nicola Formichetti(ニコラ・フォルミケッティ)」がクリエーティブディレクターを務めたラフォーレ原宿の直営店「Side by Side(サイド バイ サイド)」を2004年に立ち上げた。
−館内全体を見渡すと、インポートブランドより日本発のブランドやショップが多いのが印象的です。
日本人に限定しているわけではないですが、若い経営者やデザイナーを積極的に発信していくということをひとつのコンセプトとしており、ラフォーレ原宿発の新しいブランドやムーブメントを積極的に発信していきたいと考えています。−また、ファストファッションの台頭により価格競争が激化するアパレル産業ですが、そういった波の中でラフォーレ原宿としての姿勢を教えて下さい。
価格だけでなく、本質的な部分でファッション、デザイン、クリエイティブ、洋服の付加価値をお客様に楽しんでいただきたいという思いが強く、そういった提案を強化していきたいです。−主に、10代〜20代前半がターゲット層にある「ラフォーレ原宿」ですが、今後も一貫したスタイルを打ち出していきますか?
確かに10代後半から20代前半のお客様の数は多いですが、フロアによりMDが分かれており、あまりマーケティング発想で年齢軸で区切った提案をしている訳ではなく、特別にその世代に向けた展開をしているという意識はないです。個性のあるファッションやクリエイティブなもの、新しいものを発信して、お客様に共感していただきたいという想いでやっており、その部分は変わらないです。−原宿と言えば、様々なファッション商業施設の開業等、より一層激化していくエリアですが、ラフォーレ原宿が目指す方向性は何ですか?
若手の経営者やデザイナーを積極的に登用していくことや、最先端のファッショントレンドを発信していくこと、原宿らしい個性を発信していくことといった、ラフォーレ原宿が今までやってきたことをより強く発信していきたいです。- 1