エイリアンの生態を徹底解剖！世界一の映像チームがつくる緻密な造形美術
・『スカイライン-征服-』特集
まず、作品のストーリーについておさらい。ロスに住む親友のペントハウスを訪ねていたカップル、ジャロッドとエレインは、早朝、最上階の部屋のブラインドに差し込む不気味な光と音で目を覚ます。彼らが窓の外に目にしたのは、無数の巨大飛行物体が地上から人間を吸い上げている恐ろしい光景だった。地球侵略を始めたエイリアンたちが逃げ切るために策を講じるジャロッドたちだったが全てがうまく行かない。刻一刻と人類滅亡に近付いて行く。
本作は、圧倒的な力を持つエイリアンたちに成す術なく地球が侵略されていく。そのエイリアンたちは、一種類ではない。様々な個性的なエイリアンが登場する。このエイリアンの特徴がマニアの心をくすぐってしまう。緻密につくられた造形と大ざっぱな解説の相反する感じが思わずツッコミを入れたくなる。そのアンバランスさが逆に楽しいのだ。それでは、そのエイリアンたちについて、コンセプトアートと公式のプロフィール、そして、ムービーエンター記者による補足説明で一体ずつ紹介していこう。
【名前】タンカー【特徴】巨大なゴリラ型のエイリアン。手から捕食用接触を発射する
【記者による評価】作品予告で強烈なインパクトを与えた「フェラーリが踏みつぶれる」あの有名なシーンは、このエイリアンの仕業である。一台で数千万から数億円とも言われる高級車を無残に踏みつぶされるシーンは、あまりにも哀れ過ぎて、逆に笑いたくなる。巨大な上に、接触を矢のように伸ばしてビルを破壊したりする。それに皮膚もかなり固いようで、米軍が撃ち込むバズーカ砲にもビクともしない。こんなのが大量に地上に現れたら、街は大変なことになるだろう。
【名前】ドローン【特徴】タコ型のエイリアン。複数の接触を持ち、人間を捕える。
【記者による評価】イギリスのSF作家、H・G・ウェルズが1897年に小説『宇宙戦争』でタコ型の火星人を登場させてからエイリアンというとこの形状が使われるようになったが、これもその類。タコなので動きが遅いのかと思うが、意外と機敏。人間を捕える時は、特に速い。気がついたら食べられていたなんてこともあり得る。この映画の中で、ある意味一番「生物らしい」動きをするエイリアンである。
【名前】ハイドラ【特徴】クラゲ型。空飛ぶ戦闘機。
【記者による評価】ちょっと待った。解説に「戦闘機」ってあるのだがエイリアンなのに生物ではないのか？ この解説の大雑把さがいかにも技術屋的。“想いは全てデザインに込められている”ので言葉はいらない。ちなみにこのエイリアンはなかなか活躍の場が広い。米軍の戦闘機と空中戦を繰り広げたり、ビルに隠れた人間を探知したりと、大にも小にも活躍できる万能型のエイリアンである。
【名前】パイロット【特徴】人型エイリアン。タンカーを運転する。
【記者による評価】解説がさらに大雑把に…。「運転する」という言葉から巨大なゴリラ型のエイリアン「タンカー」は乗り物だったことが判明した。このエイリアンだが、実はこの作品の重要な“鍵”を握っている。このエイリアンの正体がわかった時に、全てのベールが明かされる。どこで登場し、どんな行動をするのかを要チェックだ。
【名前】マザーシップ【特徴】生きている母艦。人間たちを内部収容する。
【記者による評価】この作品の核となる人間を吸いこむエイリアン。ポスターを見るとただの宇宙船の様に見えるが、なんと生きているのだ。このマザーシップ内部の映像も作品の中で出てくるが、確かにいろいろな粘液などにまみれていたりして、生物っぽさはあるかも知れない。自分の意思で人類を吸いこんでいることがわかると、さらに恐怖が増す。でも、一番の謎は「あれだけ勢いよく吸いこんで、人間たちは潰れない」ということ。
いかがだろうか。単一の侵略者ではなく、特徴の異なる複数種が攻めてくるので、より絶望感があるだろう。そして、その一体一体の造形が細かい。まずは、10月7日からTSUTAYAだけでレンタル開始されるので、その緻密さを確認してみよう。そして、「これぞエイリアン映画の聖書だ！」と心酔してしまった人は、11月11日のセル開始の時に、お店へ急げ。セル版には、この芸術的なエイリアンたちのトレーディングカードも特典として封入されているので、見逃せない。
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