TGCというビジネス[後編]|TGCに密着し続ける人物に極秘インタビュー
しかしながら、「タレントがランウェイで華やかに歩くイメージ」だけが先行しがちなTGCには「実際に女のコばりなのか?」、「イベントの収益は?」、「何時間くらいかかるのか?」などなど、疑問はつきない。
そこでlivedoor HOMMEでは、TGCというイベントビジネスにフィーチャー。前編と後編にわけて、"オンナの花園"TGCの深奥を探ってきた。
編集部がTGCへ実際に行ってみた前編をふまえ後編の今回は、TGCを第一回から見つめその関わりも深いG氏に、TGCの裏側についてインタビュー。裏の裏まで知り尽くすG氏の発言には注目すべきものが多く存在しているように思えた。
−今回のTGCを拝見されてみて、如何でしたか?
そうですね。相変わらずTGC全体が発している"熱"というのは素晴らしいものがありました。
13回も重ねるとイベントというのは、良い意味でも悪い意味でも丸くなってくるものですが、そんな感じは全くなかった。いろいろなブランド・出演者を取り入れTGCは常に進化しているという印象を強くしましたよ。
−TGCに来ている来場者は変わりましたか?
勿論変わりましたね。来場者のファッションテイストで言うと、第一回開催の頃は、CanCam全盛でしたから、それこそエビちゃん系の"モテモテ"な女の子が圧倒的でした。そんな女の子を目当てに、開催当日は原宿駅の男性比率も多くなっていましたしね(笑)。けれど、Sweet系のブランドが流行してくると、それとともに女の子のテイストも少し"カワイイ系"、"自分目線"へとシフトしてゆくようになっていきました。それと共に、ナンパ男子も減ってきて(笑)、カップルでTGCを楽しむというスタイルにシフトしてきているんじゃないでしょうか?
そして何より女のコのスマートフォン普及率も多かったな、と。私が見た限り、来場者の約4割はスマートフォンでしたよ。
−今回ブランドや出展社の点で、印象的だったのは何ですか?
野口強さんのブランド(THE NIGHT PORTER)がトップを努めたというのは印象的でしたよ。今まで、TGCというのは女の子のためのいわゆるリアル・クローズのイベントだったわけでしょ。それが、かなりモードテイストに見える野口さんのブランドがオープニングをつとめるブランドになったということは、13回の開催史上初だったんではないでしょうか? 母体がバロックジャパンですが、テイストを見ると明らかにリアル・クローズではないですよ。このようなリアル・クローズでないブランドが登場する流れというのは、TIFFANYを筆頭に昔からあったのですが、今回は特に顕著だったように見えますね。
こういった動きを敬遠する人がも多いのですが、逆に僕なんかは、ラグジュアリーやモードなブランドが続々とリアルのTGCに"降りてきている"という現象は面白いんじゃないか?と思っていますね。
−モデルさんはいかがでしょうか?
やはり、会場からの声援というのは、その時期のモデルの人気を反映するバロメータである、という印象は変わりません。タレントや歌手などは勿論TVの影響もあるので声援はスゴイのですが、それと同程度に人気のあった土屋アンナや山田優は相変わらず反響がありました。ただ、エビ・もえ、長谷川潤、マリエらがいた全盛期に比べるとモデルの訴求力というか、衆目をあつめる力というのは少し落ちたのではないか、と感じました。特に今の女のコ"だけ"にコアな人気を博しているモデル、というのが減ってきた、というのを感じますね。この理由として、彼女たちの舞台でもある"雑誌の衰退"という要素は少なからず影響しているはずです。
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